元自転車屋が教える!空気圧チェックからはじめる点検の方法

この記事では自転車の乗り心地を左右する、空気圧チェック・タイヤの点検方法を、元自転車屋がお伝えします。

「何かおかしなことがあったら、すぐ来てくださいね。」私が自転車屋で働いていた時には、この言葉を必ず言うようにしていました。この言葉、言われたことがある人も多いはず。なぜ自転車屋さんは点検をすすめるのでしょうか?

理由はただひとつ、自転車は消耗品の塊だからです。止まるたびにすり減るタイヤとブレーキシュー、ペダルをこぐたび少しずつ伸びていくチェーンなど、自転車は乗るたびに消耗していく乗り物です。

そんな消耗品の塊であるスポーツバイクは、時速30km程度まで速度を出す事も難しくありません。もし整備不良でブレーキがうまく作動しなかったら、歩行者をひいてしまうかもしれません。ネジのゆるみでパーツが外れて転倒したら、あなた自身が大怪我をするかもしれません。

とはいえ忙しくてお店に行く時間がないという人もいると思います。でも大丈夫です、実は簡単な点検は自分一人でもできるんです。

「タイヤ」と「チューブ」の違い、知っていますか?

まずは自転車のタイヤについて説明しましょう。一部のロードバイクを除き、自転車の足回りはホイールと呼ばれる車輪の上に「チューブ」、更にその上に「タイヤ」が被さったものがほとんどです。

「チューブ」はドーナツ状の風船のようなもので、中に空気を閉じこめる役割を持ち、「タイヤ」はチューブを保護する役割を持ちます。誤解されがちですが、パンクは「タイヤ」に穴が空いている状態ではなく、「チューブ」に穴が空いて空気が漏れている状態です。

今は「チューブ」と「タイヤ」をひとまとめに言ってしまいますが、タイヤには適正な空気圧があります。そして、適切な値をキープしてあげると、「パンクしづらくなる・スピードが出やすくなる・ペダリングが軽くなる」など、いくつかのメリットがあるんです。

それでは適切な空気圧はどのように知れば良いのでしょうか?その答えは、自転車のタイヤ側面に書いてあります。

入れ過ぎはNG!空気は「ほどほど」がおすすめ

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私の使っているタイヤを例にすると、側面には「MAX INFLATE TO 6.5BAR / 90PSI / 620KPa」と書かれています。説明すると「このタイヤには最大で、6.5BAR / 90PSI / 620KPa まで空気が入りますよ」という意味になります。
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こちらのタイヤには「790-900 kPa(115-130psi/7.9-9.0 bar)」と印字されています。この場合は「790kPaから900kPa/115psiから130psi/7.9から9.0 barの間で空気圧を調整してくださいね」という意味になります。

このようにメーカーによって表記がまちまちなのがネックですが、読み方さえわかってしまえば混乱することはありません。

「BAR / PSI / KPa」はそれぞれ空気圧の値で、お手持ちのポンプに圧力計が付いていれば、この中のどれかが書かれているのでその値を参考に空気を入れてください。
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空気を入れるときには、タイヤ側面に記載の最大値よりちょっとだけ少ない値で入れることをおすすめします。これは空気圧が高すぎると、滑りやすくなると同時に、クッション性が減り乗り心地が悪くなってしまうためです。

ちなみに、ポンプで空気を入れすぎるとチューブがどんどん膨らみ、仕舞いには風船のように破裂してしまいます。私も仕事中に破裂させてしまった事がありますが、破裂音でしばらく耳がおかしくなります。空気は入れすぎないでくださいね。

空気はどれぐらいの頻度で入れたらいいの?

あまり神経質になる必要はありませんが、2週間に1度は空気を入れてあげると、パンクしづらくなり、タイヤも長持ちします。一般的に細く、小さいチューブほど空気が早く減りやすいと言われています。20インチの小径車や、700×23cとタイヤ側面に記載されている細いタイヤは1週間ごとに空気圧をチェックするのがベストです。

意外と知らないバルブの種類

チューブに空気を入れるバルブの形状は3つあり、主に「英式・米式・仏式」に分かれています。クロスバイクやロードバイクに使われるのは主に「仏式」MTBなどに使われるのは「米式」で、ママチャリには「英式」が採用されています。

それぞれ口金の形が違うので、ポンプを買うときにはポンプがそれぞれのバルブに対応しているかチェックを忘れないようにしてください。

おすすめのポンプはTOPEAK(トピーク)社のフロアポンプ「JoeBlow Max HPX」です。圧力計付きで、全てのバルブに対応しているため便利です(参考価格:税抜2,900円)。

TOPEAK(トピーク) ジョーブロー マックス HPX カラー:イエロー

一手間かかる、仏式バルブ

先ほど3種類のバルブがあると説明しましたが、それぞれ空気の入れ方が違います。簡単なのがMTBやママチャリに多い米・英式バルブのタイプで、作業としてはバルブのプラスチックのキャップを外し、バルブの先端をポンプのクリップで挟み込んで空気を入れてあげるだけです。

少々ややこしいのが、ロードバイクやクロスバイクに多い仏式バルブのタイプです。
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キャップを取り、口金の先端がネジになっていますので一番上まで緩め、緩んだところでネジの頭をポンと押します。「プシュ」と音が出たら空気が入れられるので、ポンプの先端を奥までグイと差し込み、ロックレバーを直角になるまで上げ、空気を入れてください。

空気を入れ終わったら元通り先端のネジを下まできっちりしめるのを忘れないようにしましょう。せっかく入れた空気が漏れてしまいます。

ちなみに、どのバルブにも付いているプラスチックのキャップは、落車時にバルブが体に刺さらないようにするためのカバーです。無くしても空気が漏れることはないのでご安心ください。

溝が無くなったら黄色信号、タイヤを換えるタイミング

タイヤの交換の目安になるのが、表面に刻まれた溝です。タイヤの頭頂部あたりの溝が消えかけたら交換の時だと思ってください。
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古いタイヤはチューブを保護する性能が低下するだけでなく、ゴムの劣化によりグリップ力やブレーキの効きといった走行に対するスペックも低下しています。そのまま放置しても乗れないことはありませんが、快適に乗るために交換するのがおすすめです。

チューブとタイヤの点検方法、ご理解いただけましたでしょうか。「意外と簡単だった!」という方も多かったのではないでしょうか。自分で点検を行うことで、大切にしている自転車により愛着がわくはずです。自ら安全で快適な自転車生活を出していきましょう。

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(2016年1月15日更新)


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Written by スズキ ガク

1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI