自転車通勤で感じる世の中の動きが仕事に活きる-日本最大のレシピサイト、クックパッドが自転車通勤制度をはじめた理由。【後編】

20−30代の女性を中心に月間のべ5,000万人以上が利用する、日本最大のレシピサイト「クックパッド」。社員のみなさんの名刺には、200万品以上のレシピの中から、それぞれのお気に入りのレシピがプリントされています。とてもユニークで、レシピへの愛を感じますね。

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(出典:recruit.cookpad.com/work/benefits

前編では、人事部長の丸山祐子さんに自転車通勤制度を導入した経緯や導入後の変化などを中心にお話を伺いました。この後編では、制度を利用している検索・編成部の岡根谷実里さんに、利用した理由や実際に利用してよかったことなどを聞いてみました。

前編はこちらからご覧ください。
「毎日の料理を楽しみにする」には健康が大切!?日本最大のレシピサイト、クックパッドが自転車通勤制度をはじめた理由。【前編】

クロスバイクで世界が変わった

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2014年に東京大学大学院を卒業後、クックパッドに新卒で入社した岡根谷さん。検索・編成部でディレクターとして、レシピを探している人により価値の高い情報を届けるための仕事をされています。入社後すぐに、自宅から会社まで約10kmの自転車通勤を始めたそうです。

–自転車通勤を始めたきっかけは?

岡根谷実里さん(以下、岡根谷):大学生の頃から片道11kmの道のりを自転車で通っていました。自転車で通うのが好きなんです。
それはなぜかというと「考え」がまとまるからです。今の仕事も長時間パソコンに向かっていることが多いですし、数字の分析をしていたりすると煮詰まってしまうこともあります。そんな時は自転車に乗っている帰宅途中で、意外に考えがまとまったりします。

–約10kmだとどのぐらいかかりますか?

岡根谷:だいたい40−50分です。電車通勤と時間的にはあまり変わりません。お金をかけずに通勤時間で運動不足を解消できています。

–自転車歴は?

岡根谷:断続的なのですが、高校の時と大学の後半は自転車通学なので、延べでいうと7年ぐらいです。

–自転車をはじめようと思ったきっかけは?

岡根谷:いい自転車に乗りたいなと思って。高校時代は普通の自転車で通っていて、大学の時も最初は普通の自転車のままだったんです。特にこだわりをもっていなかったのですが、友人からスポーツタイプの自転車に乗ると全然世界が違うよって言われて。それなら買ってみようと思って検討した結果、クロスバイクを買いました。言われた通り、まさに世界が変わりました!

学生の頃は見えなかった生活者のいる風景

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–休みの日も乗りますか?

岡根谷:乗って出かけることが多いです。何回か旅行にも出かけたし、趣味のような感じです。大学の卒業旅行は、自転車でしまなみ海道を渡りたくて、仲間を集めて行きました。近隣での交通手段としても使います。自転車で人間関係が広がったと思います。

–自転車通勤を選んでよかったことはありますか?

岡根谷:そうですね、自転車通勤を始めるきっかけにもなった、思考がまとまる、運動不足が安く解消できるという二つの点はもちろんなのですが、世の中の動きを感じられるというのが大きな発見でした。
あとは意外に駐輪場でコミュニケーションが生まれたりします。

–世の中の動きというのは、どういうところでしょうか?

岡根谷:電車通勤だと途中で地下に入ってしまったりして、季節感や人々の生活が見えないことが多いと思います。私たちのサービスは、旬の食材があって、生活者があってこそなので、自転車通勤時に季節の変化や、生活を感じることがすごく大切なのだと気がつきました。春は通勤途中に花見ができるので最高です。

–春は自転車を乗るにもいいシーズンですね!夏や冬はどうでしたか?

岡根谷:暑さには強い方なので、夏は大丈夫でしたが、さすがに冬は自転車通勤を少し休んでしまいました(笑)。暗くなるのも早いし、飲み会も多いシーズンですし。

自転車通勤は健康への投資

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(岡根谷さんが学生時代に購入した愛車、GIANT ESCAPE R3)

–通勤スタイルは?

岡根谷:基本的には、ウィンドブレーカーを着るだけです。普段着にウィンドブレーカーで防風して、グローブをつけるぐらいの軽装備です。
春や夏は、小雨程度なら自転車通勤しています。

–社会人になってもらった給料は、クロスバイクに使いましたか?

岡根谷:クロスバイクを買ったのは大学時代ですが、学生時代に買いたくて買えなかった装備などは、ちょっと買ったりもしましたね。無駄な投資じゃないなあと思って。健康のためにもなります(笑)。

–通勤時の必須アイテムはありますか?

岡根谷:ライトはUSBで充電できるものを使っています。あとは、車体にバッグをつけて、携帯を入れています。道には迷うのでナビは必要で、携帯をすぐに出せるところに入れておきたいと思って。ポーチフォルダも検討したのですが、乗っている時は携帯を操作したくないのでやめました。その二つは必須です。
あとは、サイクルコンピューターはつけていて、坂道で速度を出しすぎないように気をつけています。

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(スマートフォンや会社のIDカードはこのバッグに収納)

–今乗っているクロスバイクのこだわりのパーツはありますか?

岡根谷:背が低いので、低くできるようにサドルをつけかえてもらいました。身長の問題があってクロスバイクを諦めていたところがあるのですが、身長に合うくらい低くしてもらってもカッコ悪くならないようにしたのはこだわりでしょうか。

–今後社内で自転車仲間と集まる予定はありますか?

岡根谷:「みんなで自転車で出かけましょうよ」という話もあったのですが、休日の予定が合わなくて立ち消えになりました(笑)。いつかまたできたらいいですね!

これからも自転車通勤仲間が増えていきそうなクックパッド。クックパッドのような企業が自転車通勤制度のよい見本となれば、制度化される企業も増えていきそうです。それによって、日本の会社員の通勤のカタチが変わっていくかもしれません。

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WRITTEN BY寺田愛

ライター集団400(フォーハンドレッド)の共同代表兼ライター。女性誌編集、Webディレクターを経て、現在はエシカルなライフスタイルを模索中。

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