元自転車屋が教える!チェーン交換の方法[写真付]

このシリーズでは「自転車は消耗品の塊」と何度かお伝えしています。自転車は、ワイヤーやブレーキ、タイヤやチューブなど消耗品の塊で、パーツ全てが使っているうちにすり減り、ガタがきてしまいます。

自転車のチェーンもそのうちのひとつ。足の力がダイレクトにかかるので、使用する度に伸びていくパーツです。

チェーンの交換時期の目安を知る方法ですが、フロントギアにかかっているチェーンを指でつまんで、ギアから1センチ以上浮いたら伸びています。歯の先が見えたらそのチェーンは完全に寿命が来ていると考えてください

伸びたチェーンはギアの歯を削り、ダメにしてしまうので、伸びているのが分かったら即交換をおすすめします。

チェーンが伸びているのが分かったら、どのように交換すればよいのでしょう?お店に行って換えてもらう以外にも、自分でチェーンを交換してしまう方法もあります。

今回の「元自転車屋が教える!」シリーズは、チェーン交換の方法を写真付きでご紹介します。

※この記事は自転車屋で働いていたメカニックが作成したものですが、起きた事故や怪我に関しては責任を負いかねますので、ご了承のうえ作業を進めてください。ご自身で作業するのが心配な方は、自転車屋さんで交換してもらいましょう。

チェーン交換に必要なもの

チェーン交換に必要なものは以下の4つの道具です。
・コンポに対応した新しいチェーン
・チェーンカッター
・軍手
・床を保護する段ボールや新聞紙

新しいチェーンはAmazonなどネットでも手に入りますし、スポーツサイクルの専門店でも売っています。

チェーンは「ギアの段数」と「コンポのグレード」、「コンポのメーカー」によって種類が違います。対応しないチェーンを買ってしまうと、ギアがうまく切り替わらないので気をつけましょう。値段はグレードにもよりますが、1000〜3000円前後です。

チェーンカッターはチェーンを切ったり繋いだりする道具です。こちらもAmazonや、スポーツサイクルのお店で手に入ります。値段は1000円前後から。グリップが大きい方が作業がしやすいです。

チェーンカッターの例:PWT チェーンカッター BT-15R

軍手は100均で手に入る一般的なもので構いません。床が汚れるのを防ぐため、段ボールや新聞紙、ビニールシートなどを作業場の床にあらかじめ敷いておきましょう。

1.軍手を着用

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まず最初に手の汚れとケガを防止するため、軍手をはめましょう。
チェーンはオイルがべっとりついているので、作業に必須の道具です。

2.チェーンをカット

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チェーンの位置は前後共に一番大きいギアに合わせておきます。
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次にチェーンを切ります。ヘタな絵で恐縮ですが、上のイラストのように丸い出っ張りの部分にチェーンカッターを合わせます。

ネジを最大まで緩め、チェーンにカッターを奥までしっかりとセット。あとはぐりぐりとカッターのネジを締めていきます。途中で少しネジが固くなりますが、そのまま締めていきましょう。

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カッターのネジを締めていくと途中でチェーンが切れます。下のようにコネクターが出てくるはずです。このコネクターは捨ててしまってかまいません。

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チェーンが切れたら、古いチェーンは取り外してしまいましょう。一方の端を持って引っ張っていくと、スムーズに取れていきます。古いチェーンは後で使うので床に敷いた段ボールの上に置いておきます。

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3.チェーンの長さを調節する

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SHIMANO(シマノ) チェーン 9段対応 CN-HG53

古いチェーンを取り外したら、新しいチェーンを用意します。今回はAmazonで買いましたが、スポーツサイクルの専門店でも売っています。

新しいチェーンに含まれているのは、チェーンとコネクティングピン。コネクティングピンは、とても小さくてどこかに行ってしまいがちですが、チェーンを繋ぐパーツなので失くさないよう気をつけましょう。

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ここで先ほど取り外したチェーンを取り出し、段ボールの上にまっすぐ伸ばします。その上に新しいチェーンを並べています。これは何をしているかというと……。

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新規ドキュメント 13_1

チェーン同士を合わせて同じ長さにしているのです。八の字型のパーツを「リンク」と言い、外側と内側のリンクが交互に入れ替わってチェーンができています。

厳密に言うと、チェーンは使用中に伸びてしまうのですが、リンクの数を合わせれば、伸びる前と同じチェーンの長さにできるわけです。

というわけで、古いチェーンと新しいチェーンの始点を合わせ、リンクの数を合わせます。

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こちらがリンクの数を合わせた後です。上が新しいチェーンで、少し長いのでカットする必要があります。古いチェーンの終点と同じ箇所に油性マジックなどで印を付けておきましょう。

カットの手順は、古いチェーンをカットする時と同じですが、一度カットしてしまうと元に戻せません。マジックで印を付けたら、新しいチェーンを一度自転車に取り付けてみます。

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フロントとリアの一番大きいギアにチェーンを取り付けて、チェーンの始点と終点を合わせてみます。

一般的に適正なチェーン長は、「前後共に一番大きなギアにチェーンを通し、チェーンを繋いだ状態で、リアディレイラーのアームが地面に対して垂直になる長さ」が良いとされています。

アームが自転車の後方に引っ張られている場合はチェーンが長く、前方に引っ張られている場合はチェーンが短い状態です。チェーンの長さが適正でない場合は、先ほど印を付けた箇所からリンク2つ分長くしたり短くしてください。

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上の写真はカット後、前後共に一番大きなギアに取り付けた状態のチェーンです。ディレイラーには、上下に小さな2つのギアが付いていますが、チェーンは上のギアの右側、下のギアは左側に通します。

ちょうど逆S字型にチェーンが通っていれば正解です。全てのギアにチェーンがきちんと触れているかチェックしたら、チェーンを繋ぎます。

4.チェーンを繋ぐ

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ここでコネクティングピンの登場です。チェーン同士を引っぱり、穴を合わせて、コネクティングピンを差し込みます。写真では見づらいですが、差し込みやすいよう角度が付いているのが上部、平らな方が下部です。

穴には、ピンの上部から差し込みましょう。

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上の画像がピンを差し込んだ状態です。ここにチェーンカッターを合わせます。

チェーンを切る時と同様に、カッターの奥にしっかりとチェーンをセットしてから、ネジを締め上げていきます。

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締め込みはピンが途中で折れないように慎重に。途中でピンが斜めになっていたら無理に押し込まず、ピンを直角にしてやり直しましょう。

また、カッターのネジの回しすぎにも注意!回しすぎるとピンが外れてしまいます。0,2mmほど出っ張っている程度で抑えましょう。

無事奥まで差し込めたら、ピンの上部がチェーンから出ているので、これはペンチなどで折ってしまいます。

5.細かな調整

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チェーンを繋げた箇所は動きが悪くなっているので、チェーンを握り、縦横に力を入れ、動きを良くしましょう。この時は多少乱暴に扱っても問題ありません。

その後、前後のディレイラーを操作して、変速がスムーズに行くかどうかをチェックします。新しいチェーンにはあらかじめオイルが付いていますが、1週間ほど経過したら念のため注油を行いましょう。

チェーンへの注油方法はこちらの記事を参考に!
元自転車屋が教える!軽快に走るための自転車チェーンの注油方法

以上でチェーン交換は終了です。

最初は難しい作業ですが、慣れると30分程度でできます。ディレイラーの調整やワイヤー交換に比べるとさほど難しくはないので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?

メンテナンスに関するその他の記事はこちらをご覧ください!

(post thumbnail via:Broken Chain by chrisscott


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Written by スズキ ガク

1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI