「2020年、その先を見据えた自転車文化の創造を」Y’sRoad社長が考える自転車文化とは

日本最大級のスポーツ自転車小売店Y’sRoad。現在34店舗(2016年1月26日現在)を店舗を運営する株式会社ワイ・インターナショナル社長の森時彦社長に、取材いたしました。自転車文化を未来に作るといったビジョンや2016年の展望を伺いました。

※前編はこちら
Y’s Roadの森時彦社長が語る、プロ経営者としてのこれまでの歩み

2016年の展望は

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森社長「オリンピックが決まりましたが、自転車の需要もまた一段と増えてきますよ。」

―というと、交通機関が混むからですか?

森社長「いえ、ライフスタイルの選択として自転車を利用する方がこれから増えてきます。自転車通勤、日々の健康管理、普段使いなどです。クリーンな趣味としてのサイクリングというのも増えるのではないでしょうか。記憶に新しいロンドンオリンピックでは開催前から自転車熱が上がり、単なるブームではなく、サイクリングや自転車利用が長期的なトレンドになっています。これが日本でも確実に起きます。」

―そうすると、2016年は大幅な売り上げアップが見込めそうですね。

森社長「いやいや(笑)。一概にそうとは言えません。2015年モデルは、多くのメーカーがリニューアルをかけて勝負をしてきました。ギアやパーツをアップグレードしてきたり、フレームに独自の機構を取り入れ性能アップをしたり、お値打ちモデルが多く誕生しました。その結果2015年モデルは好評ですが、2016年モデルは積極的な差別化を打ち出さないメーカーが多くなってしまいました。もちろん、2016年モデルの方が優れていますが。それだけでなく、円安の時期に入ってしまうとどうしても価格が上がってしまいます。そうした状況もあるため、緩やかな成長曲線となるのではないかと考えています。」

―ちなみに、2017年モデルについて情報があれば教えてください。

森社長「それは言えません(笑)。情報は入ってきますが、これから色々決まっていきますので。Y’sRoadは一流ブランドを幅広く取り揃えています。ただ、そのメーカーのそのカラー、このモデルといった指定がある場合、在庫限りで終了が多く、多くの自転車が一期一会になりますので、乗りたいと思ったタイミングがベストな購入時期だと弊社は考えています。近くの店舗でまずは相談してみてはいかがでしょうか。」

Y’sRoadの強みと今後の戦略

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―Y’sRoadは店舗が日本全国にありますが、ほかに強みはありますでしょうか?

森社長「店舗の間口を広くしている点も、強みだと考えています。有名だけれども入りにくい自転車屋さんではいけません。小売店ならではの、初心者から上級者まで満足できる店舗づくりというのを大切にしています。」

森社長「また、店舗ごとに特色を出している点も強みと考えています。郊外店であればサイクリング中に立ち寄っていただく、都市型店舗であれば会社帰りにフラっと入っていただけるようにしています。」

―店舗特色でいえばレディース館やウェア館などもありますよね

森社長「もちろんアイテムごとのショップもありますが、それだけじゃありません。茅ヶ崎店でいえばリゾート感を大切にし、旅行やサイクリングで来た人達向けの店舗としています。他にも名古屋クロスバイク店といった風にカテゴリー分けも進めていき、用途やニーズに合わせてお客さんが来てくれるようにしたいと思います。」

―投資を開始してから戦略を変えたところはございますか?

森社長「まず在庫管理についてはシステム管理を出来る様にしました。店舗間での在庫の共有や人気の商品などは店舗ごとにしか情報が蓄積されていませんでした。例えばウェアの在庫管理であればSMLの3種あればいいですよね。でもシューズであれば、お客さんのサイズニーズに対応する為、たくさんの在庫を抱えなければいけません。種類を抱えるとメイン商品の自転車を置く場所がなくなってしまうジレンマもあるため、うまくバランスを取ることが必要になってきます。

在庫管理においては、店長としての感性も重要ですが数値という目に見えて比較できる情報も大切にしなければいけないです。またファンドから投資した際に、人数を増やすということにはかなり重点を置いています。Y’sRoadにおいても顕著に人を増やしてきており、店員の人数は2倍程度に増やしました。今後自転車産業が成長していった時に力を発揮してくれる人を育てたいと考えています。成長すると人が必要になりますし、成長の為には人が必要です。新卒中途問わず、重点的に人数を増やすことを実施しています。」

Y’sRoadが作りたい自転車文化

―弱虫ペダルの影響は大きかったですか?

森社長「池袋店については、一時期半分以上のお客さんが女性になったこともあり影響は少なからずありました。劇場版や新アニメなど期待している一方で、危惧している点もあります。」

―危惧とはなんですか?

森社長「買ったまま乗らないという人も増えてきている気がします。せっかく自転車を買われたのですから乗っていただけると嬉しいです。コレクション的な側面ももちろんあるのはわかっていますが、自転車はやはり乗ってこそ色々感じ取れます。乗り方がわからなかったり、最初はメンテナンスが難しかったりすると思います。簡単な無償点検からオーバーホールまで多くのメニューを用意しています。

走行会(サンデーライド)や初心者の講習なども各店舗でおこなっていますので参加を検討してみてくれるとうれしいです。今まで乗らなかった人達が乗ることで初めて、自転車文化が成熟していくと考えます。」

―もう少し自転車文化について詳しくお伺いできますか?

森社長「先ほどいったオリンピックを目途にしたシェアの上昇というのもそうですが、日本は非常に自転車が走りやすいです。道路の舗装率も高く、海外旅行者がわざわざ自転車を持ってきて走るというのも頷けます。現在企画中なので詳細は明かせないですが、超高性能な自転車を外国人旅行者にレンタルするサービスも開始しようと考えてます。」

―なるほど、確かに日本はロードバイクで走りやすいかもしれません

森社長「郊外まで出れば信号機も少ないので、長距離サイクリングする事ができます。犯罪に巻き込まれることもないでしょう。それだけでなく、地方都市であったとしてもコンビニが点在するので食料や水の補給、何かあったときの連絡などが出来ますよね。こういったサイクリングに適した国というのは日本だけだと私たちは考えています。せっかく適した環境があるのですからより自転車文化を発展させていくことを目標としています。」

さいごに

森社長「初代吉田朝蔵社長から引き継いできた『自転車の世界を通じて地球を救う』のスピリットですが、自転車文化の発展を投資的な側面と経営的な側面両方でサポートしていきたいと思います。今後のY’sRoadの発展にご期待下さい。」


ありがとうございました。

Y’s Road HP
(2016年3月に京都、4月に愛媛で新店舗をオープン予定)


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Written by 佐藤 大介

新宿の編集プロダクション ワードストライク代表。経済論評から猫記事まで幅広い連載を行っています。ピストでエンデューロに出たり、ママチャリでジャックナイフします。