自転車大国オランダの人々が自転車に対して感じていること

これまでの記事「自転車好きにはたまらない!オランダで起業した私の自転車生活」と「オランダ移住した私が目の当たりにした「自転車道」の実態」では、私のオランダでの自転車生活や自転車道の整備状況について詳しく紹介してきました。

今回の第3弾目は、オランダで暮らす現地人2人へのインタビューを紹介しながら、「オランダに住む人々の自転車に対する意識」について読み解いていきたいと思います。

オランダでは自転車2台持ちは当たり前!

アムステルダム在住の大学生Arie。普段使用の自転車と折りたたみ自転車、ロードバイクの3台を所持している彼は、オランダでの自転車生活を120%満喫しているといっても過言ではない現地人。

「ロードバイクは普段いつ使用しているの?」と聞くと、「アムステルダム郊外に住む祖父母の家まで真っ直ぐ続く自転車道を使ってサイクリングに出かけたり、隣国のベルギーまで遊びに行ったり。日本に行ったときは箱根でもサイクリングしてきたよ。」とのこと。

日本が大好きなArieは「次日本に行くときには、北海道の最北端地点までロードバイクで駆け廻りたい!」と興奮した様子で話していました。

(ロードバイクに乗ってオランダ自転車道を走る様子)

「自転車3台持ちはオランダでは普通のこと?」という質問に対しては、「僕みたいに3台持つ人はまだ少ないけど、ほとんどの友達は一人2台持っている。その日の使用目的によって使い分けをしているよ。」と答えてくれました。

オランダの国民一人当たりの自転車保有台数は1.3台と世界最大。(※1)自転車道の存在による安全面や便利さ、交通費のかからないコスト面、環境への優しさ、気分転換やエクササイズにもなる快適さから、自転車を確固たる交通手段の一つとして捉え、生活の中に積極的に取り入れている人が多いです。

そんなオランダでは、「通勤・通学用の普通自転車」・「サイクリングやスポーツに適した特別な自転車」・「電車やバス等の交通機関内に無料で持ち込む為の折りたたみ自転車」・「重荷を運ぶ専用自転車」、「子供を運ぶカゴ付き自転車」など、使用目的ごとに自転車そのものの使い分けがなされています。

カゴ付き自転車「Bakfiets」を使用する親子(出典:Michael Coghlan

自転車台数が多ければ、盗難被害も付きものです。オランダでは、自転車の駐輪場所や鍵の付け方に関しても一人ひとりが徹底しています。

(鎖状の太カギと自転車本体付属のカギの2つを徹底することがお決まりの盗難防止策。)

(鎖状の太カギと自転車本体付属のカギの2つを徹底することがお決まりの盗難防止策。)

オランダでは赤ん坊もペットも自転車に乗る!

私のブログへ連絡してくれたことをきっかけに仲良くなった地方在住の友人Denise。彼女を含めた家族みんなが一人1台の自転車を保有し、それぞれがほぼ毎日使用しているそうです。

Deniseの趣味は、休みの日に家族や友達、ペットととさえ一緒に自転車に乗ってショッピングやサイクリングに出かけること。

(動物を大切にする文化のあるオランダでは、店舗によってはショッピングさえ同伴可能です。)

(動物を大切にする文化のあるオランダでは、店舗によってはショッピングさえ同伴可能です。)

Denise自身も幼少期には、上の写真のようなカゴ付きの自転車で親に送り迎えをしてもらっていたと話していました。確かにオランダでは、自転車で赤ん坊や小さい子供を送り迎えする親を頻繁に見かけます。

そこで、「なぜ自転車で送り迎えする親が多いの?」と聞くと、「オランダは自転車道が確立されていて極めて安全だからだよ。それに、いちいち燃料や税金のかかる車を使うよりも、自転車を使った方が節約にもなるし、エクササイズにも良いと考える親が多いよ。」とのことでした。

中には複数の子供を自転車1台で送り迎えする凄腕のオランダ人パパ・ママも存在します。

(出典:http://cupofjo.com/2015/07/parenting-in-the-netherlands/)

(出典:cupofjo.com

「オランダの自転車環境で、他に優れていると思う点はある?」という質問に対しては、「オランダでは自転車による事故やケガによる保険も充実していて、国民のほとんどが加入している。」と答えていました。

自転車利用者の多いオランダでは、自転車による事故やケガの備えも徹底しています。オランダでは国民の90%以上が自転車関連の事故やケガをカバーした保険に加入しており、現地の人々は自転車に伴うリスク管理の面でも高い意識があると言えます。(※2)

現地人へのインタビューから感じたこと

当記事で紹介した2人の他にも、多くの現地人から自転車生活に関する意見を伺いました。その経験を通して感じたことは、「自転車道や手厚い自転車保険といった自転車にまつわる環境整備がしっかりと整っているオランダであるからこそ、現地の人々が世代を問わず自転車生活を楽しめている」ということです。

誰もが安全かつ快適に自転車を楽しめる環境があることで、人々の生活の中に自転車が深く密着しているオランダ。ここから日本や世界が学べる点は少なからずありそうですね。

執筆者サイト「Mariholland

※1:The government of Western Australia, Department of transport「2014 Netherlands Cycling Study Tour
※2:Studenten zorgverzekering「Liability insurance

(TOP画像出典:Michael Coghlan)


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Written by 神戸真理

オランダ・デンハーグ在住の個人事業主。オランダ進出企業・移住予定者のサポートを手掛ける事業を展開。その傍らでライター業や書道ワークショップに取り組んでいる。個人ブログ「Mariholland」では、オランダでの取り組みや現地生活の様子、日々の考察を中心に発信中。