
元自転車屋が教える!良い自転車屋さんの見つけ方と上手な付き合い方
新しく自転車を買う時に大事なことはなんでしょうか。自転車の性能?値段?デザインも自転車を選ぶ大事な要素のひとつですが、ほとんどの人が見落としている要素として「購入するお店」があります。
タイヤやチェーンなど、自転車は消耗品の固まりです。定期的なメンテナンスをしないと、パーツがダメになってしまい、本来の力を発揮できません。
また、自転車に乗っていれば、パンクや変速機の不調など、自分ではカバーできないトラブルも数多くあると思います。そんな時、購入店はメンテナンスの拠点として、力になってくれます。
今回は元自転車屋の筆者が、自転車屋の活用方法と良いお店の選び方についてご紹介します。
目次
スタッフの人柄・知識・技術と立地は大事
(photo by Big wheel)
自転車を買う時、どのような視点で店を選びますか?
- 品揃え
- 立地
- 自転車の価格
- 自転車の在庫量
- スタッフさんの人柄
- スタッフさんの知識と技術力
そのどれもが重要ですが、アフターサービスに関わる「スタッフさんの人柄・知識・技術力」と「立地」は特に重要な要素です。
自転車はパンクしてしまうこともありますし、使っているうちにメンテナンスやパーツ交換も必要になる乗り物です。そのため、困った時に頼れるお店が近くにあることは大きなメリットになります。
良いお店を見分ける小技
(photo by Vik Approved)
あなたのお住まいの町には、きっといくつかの自転車屋さんがあると思います。その中で、どのお店を選べばいいのでしょうか?実は良いお店を選ぶ小技があるのです。
空気入れを借りてみる
たいていの自転車屋さんでは店先に空気入れを用意しています。その空気入れを借りてみましょう。そして、スタッフさんを騙すようで悪いのですが、空気の入れ方が分からないフリを装います。
この時、「あ、僕がやりますね。」など言いつつ、快く空気を入れてくれる店は良い店である場合が多いです。
自転車屋はサービス業です。気持ちよい接客をしてくれる店は、修理に来る人も多く、数多くのメンテナンスをこなしているため、必然的にスタッフさんの技術力も知識も上がっていきます。
いくら理論を学んでも、場数をこなさないと、技術は上がりません。自転車屋さんも繁盛しているお店を選ぶのが正解です。
店内の様子を観察してみる
- 工具が整理整頓されている(仕事道具を丁寧に扱うお店は仕事も丁寧である場合が多い)
- 試乗車を用意している(乗り心地を試せるような気遣いができている)
- スタッフさんが自転車好き(知識、技術をすすんで覚えるため、サービスの質が高い)
など良いお店を見分けるポイントがいくつかあります。
大型店と小型店、それぞれのメリット
(photo by anastaz1a)
自転車屋さんには大型店と小型店がありますが、どちらを選んだら良いのでしょう?その違いの一部をご紹介します。
大型店のメリット
大型店は「ストック(在庫)が豊富」です。小型店の場合、自転車の在庫を持ちたくても保管場所や予算の関係上、大量のストックを確保することが難しくなります。
せっかく気に入った自転車でも、店にジャストのサイズやカラーバリエーションが無い場合、取り寄せに数ヶ月かかったりすることも。一方、大型店なら在庫を豊富に持っている場合が多く、好みの自転車をすぐ買いやすいというメリットがあります。
小型店のメリット
個人店の場合は「自転車仲間が作りやすい」こと。
また、良いお店だと店長さんを中心にお客さん同士で横の繋がりが形成されていることが多く、そこからツーリング仲間ができたり、レースへ出場したりと、共通の趣味を持つ人間関係を持つことができます。
自転車好きの他のお客さん達と、自転車について、ああでもないこうでもないと話す時間も楽しいものですよ。
自転車屋さんと上手に付き合うコツ
(photo by jun.skywalker (enishi hand made cyclecap))
良いお店を見つけた場合、どのようにお付き合いしていけば良いのでしょうか?それには以下のことをしてみてください。きっとスタッフさんも喜んでくれるはずです。
工賃はチップだと思って気前よく払う
自転車の仕入れ値はだいたい売値の6割前後が多く、人件費やお店の家賃をひくと、実はあまり稼ぎにならない場合が多いのです。そのため、各種修理の工賃は自転車屋さんにとって大事な収入源です。
自転車屋さんに頼めばすぐに自転車を直してしまうので、簡単なことをやっているように見えますが、店の運営にはスタッフさんの人件費や工具の購入費、オイルなどの消耗品代など、様々な費用がかかっており、コストがかかっていることを覚えておいてください。
店の営業が続けられるかどうかも、お客さんのひとりである、あなたの行動に影響されるのです。
ちょっとした修理には、お土産などを持っていく
個人店の場合、気さくで自転車好きのスタッフさんなら、ついつい採算を度外視してサービスの点検やメンテナンスをしてしまいがちです。自分が売った自転車はついつい可愛く思いがちなのです。
そんな風にサービスしてくれた時は、高くなくていいので、休憩時間に食べられそうなちょっとしたお菓子を持っていくと喜ばれます。自転車屋さんは意外と体を動かす仕事です。そうした時に小腹を満たしてくれるお菓子は嬉しいのです。
終わりに
(photo by Josh Koonce)
今回は、元自転車屋のスタッフとして働いていた時のことを思い出しながら書いてみました。長く付き合える自転車と共に、長く良い関係を持てる自転車屋さんとの出会いは、サイクルライフにとって大きな価値を持ちます。
ぜひお気に入りのお店を見つけてみてください。
(photo by Made shift move together)

WRITTEN BYスズキ ガク
1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI」 http://mizutanibike.tumblr.com/
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