事故のことはプロに聞いてみよう! – サイクリスト弁護士に聞く自転車事故と自転車保険【前編】

年間約9万2000件(平成26年10月末 警視庁 自転車の交通事故発生状況より)起きている自転車事故。この事故に備えるための自転車保険は、万が一の時にとても頼りになる存在です。

今回は、弁護士であり、自転車ADR(裁判外紛争解決手続)センター調停委員も兼任する、 萩原 崇宏 (はぎはら たかひろ)氏(第一東京弁護士会所属)に自転車事故の実状と、自転車保険の必要性について、一弁護士として立場からお話をお聞きしました。

サイクリスト、かつ自転車調停のプロ

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萩原氏は虎ノ門にあるインテグラル法律事務所に所属する弁護士で、一般財団法人日本自転車普及協会の自転車ADRセンターの調停委員を務めています。調停委員とは、事故の当事者の間に入り、中立的な立場から、当事者間の合意の手助けをする自転車紛争解決のプロ集団です。

ご自身もサイクリストとして、自転車に親しむ萩原氏。萩原氏のサイクルライフはお父様の自転車を譲り受けたことから始まりました。FELTの自転車をロングライド用にカスタムし、春〜秋にかけては通勤の足として、お盆などの休みには2泊3日で長野など各地に輪行に出かけ、現地でサイクリングを楽しむそうです。

萩原 崇宏氏(以下、萩原)「自転車は非日常を味わわせてくれる乗り物です。自分が思っていたより、遠く高い場所まで自分を連れて行ってくれるので、良い意味で自分を裏切ってくれます。その時に感じる達成感も気持ちいいですし、走りきった後の宿で味わうご当地の食事や、お酒、温泉もまた格別です。」

あまりハードには自転車に乗らないという萩原氏ですが、 1周210kmの「佐渡ロングライド」や、沖縄北部を走る「ツールド沖縄」など、ロングライドイベントやレースなどにも参加し、マイペースに自転車に親しんでいるそうです。

事故の調停には仲立ちが必要?

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プライベートでも自転車に親しむ萩原氏が調停委員を務める自転車ADRセンターは、一般財団法人日本自転車普及協会が運営する団体です。調停委員は主に弁護士が務めており、前述した紛争解決の橋渡しをするサービスを提供する他、自転車に関わる法制度の発展や整備に向けた提言も視野に入れて活動されています。

自転車事故が起きた場合、弁護士に調停役になってもらうことは様々なメリットがあると聞きます。萩原氏にその理由を聞いてみました。

萩原「まずは、交渉にかかる精神的な負担を避けられます。交通事故は双方が感情的になることも多く、互いの言い分が食い違うことが多々あります。その間に法律のプロが入ることで、客観的な立場から当事者同士の言い分を取りまとめることができます。また、担当する弁護士は経験上、最終的に裁判まで争った場合の結論や、それにかかるコストを把握しています。そのため、どうすればより良い形で事故調停を終えられるかを、的確にアドバイスできるのです。」

餅は餅屋と言いますが、プロの助けを借りることで、自転車事故の調停にも同じことが言えそうです。

後編では、自転車事故の傾向や自転車保険について、萩原氏の意見をお聞きします。数多くの自転車事故の調停を手がけてきたプロが語る、自転車事故の傾向や自転車保険の必要性とは?

後編はこちら。
自転車保険は、やはり必要!? 弁護士に聞くその理由 ? サイクリスト弁護士に聞く自転車事故と自転車保険 【後編】

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WRITTEN BYスズキ ガク

1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI

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