ついにロードバイクにも解禁!ディスクブレーキとは?

ディスクブレーキという大きな流れ

ディスクブレーキという仕組みのブレーキが、ロードバイクの世界で話題になっています。実際2015年には「試験的に」という条件付きではあるものの、プロのロードレースでディスクブレーキのロードバイクが使用可能となりました。

これに伴い、各社がディスクブレーキを搭載したロードバイクを新製品で発表するなど話題を集めています。

エンジン付きの乗り物や、MTBなどのオフロードバイクでは定番のディスクブレーキですが、ロードバイクでは長い間キャリパーブレーキが使われてきたため、「ディスクブレーキって何?」という人も多くいるかと思います。

今回は、ディスクブレーキとは?という点から、構造、既存のキャリパーブレーキと比べてのメリット・デメリット、今後の展開などを写真付きで説明していきたいと思います。

ディスクブレーキとは?

まず、自転車のブレーキシステムは大きく2つに分けられます。

今までのロードバイクのような「リムブレーキ」と「ディスクブレーキ」です。(細かく言えば他にもありますが割愛します)

リムブレーキは、ホイールの外周部分を直接挟みこんでホイールの回転を止める方式です。

対してディスクブレーキは、ホイールの中心部分に備え付けられた「ブレーキローター」と呼ばれるパーツを挟み込むことで、ホイールの回転を止める方式となります。

画像で見るとわかりやすいかと思います。上がリムブレーキ・下がディスクブレーキのブレーキ部分となります。

ロードバイクの場合、画像のようなキャリパーブレーキと呼ばれるパーツを使うのが一般的です。

(写真出典:WiKipedia

(写真出典:WiKimedia

ディスクブレーキの基本

ディスクブレーキには、大きく2つの方式があります。ロードバイクと同じくワイヤーでブレーキをかける機械式ディスクブレーキと、MTBで主流になっている油圧でブレーキをかける油圧ディスクブレーキです。(先ほどの画像は油圧式です)

一般的に、油圧式のほうが引きが軽く、メンテナンス頻度も少なく済みます。また、構造上機械式ディスクブレーキはパッドが片側だけ摩耗してしまうため、既にディスクブレーキが一般化しているMTBでは、油圧のシェアが圧倒的です。

ただ、ロードバイク用ディスクブレーキでは、ブレーキレバーが使いまわせることから、機械式もそれなりに使われています。

機械式でありながら片側摩耗しないSpyreや、半油圧式のHY/RDなど様々な工夫がされていますが、いずれは油圧式ディスクブレーキがメインになるかと思われます。

また、ディスクブレーキの場合はブレーキローターの大きさによって制動力を変化させることが出来ます。

ローターが大きいほうが制動力の上限が上がりますが、タイヤのグリップ力を越えた制動力は不必要なので、ロードバイクでは140mmか160mmのブレーキローターを利用しています。(MTB用の大きい物になると200mmを越えるブレーキローターもあります)

ディスクブレーキのメリット

街乗りや荒天時に大きなメリットを発揮します。

耐候性

ディスクブレーキは雨天でも制動力が安定しています。これは路面から遠い部分にブレーキがあるため、水はねを拾わないためです。

また、カーボンリムでもアルミリムでも同じ制動力を得ることが出来ます。特に雨の日はカーボンリムの制動力がかなり落ちますので、ディスクブレーキの優位性が引き立ちます。

リムの軽量化

リムブレーキを使用する場合、ホイール外周部には「タイヤの保持」と「ブレーキ面の強度」という2つの役割を持たせています。

ディスクブレーキの場合、ブレーキの摩擦に対する強度を考慮せずともよくなり、リムの役割は「タイヤの保持」のみとなります。

耐熱性や、耐摩耗性が不要となるため、結果としてリムを軽くすることが出来ます。

ホイール外周部の軽さは漕ぎの軽さに直結します。

おまけで、重心位置が下がることで車体の安定性も増します。

油圧化

油圧式ディスクブレーキに限りますが、小さい力で大きな制動力を得ることができます。今まであったワイヤーの摩擦がなくなるため、ブレーキレバーを引く力が軽くて済みます。

特に小さいフレームだとワイヤーを強く曲げる必要があったため、手が小さいのにブレーキに必要な力は大きいというジレンマがありましたが、油圧式ではこの問題が完全に解決します。

ディスクブレーキのデメリット

ロード用のディスクブレーキホイールはまだ発展途上段階ですので、長年開発され続けたリムブレーキホイールほどの完成度にはまだ至っていない印象です。

空力の悪さ

ディスクブレーキの場合、ホイールのスポークの本数を多くしなければなりません。

リムブレーキの場合、フロントホイールのスポーク数は16~20本が基本です。ディスクブレーキの場合は、24本が標準となります。

スポークが多い分、空気抵抗が増してしまいます。また、ブレーキ機構そのものも幅広になるため、これも空気抵抗上のデメリットになります。

重量増

ブレーキのパーツが1つで済むキャリパーブレーキと違い、ローターとブレーキ本体の2つが必要になるほか、先ほど上げたとおりスポークも多くなるため、全体としての重量は増加します。

ブレーキの取り付け部分にも強度が必要になるため、フレーム側も重量増となります。

これからの予想

「ロードレースシーンにディスクブレーキは不要、むしろ危険」という意見も多数存在します。

ブレーキローターで体を切ったり、100度を簡単に越えるブレーキ熱を持った状態で体にローターが触れてしまうリスク、また集団内でブレーキの制動力が違う選手がいると挙動が違いすぎて危険という理由からです。

しかし、現状のロードレーサーは6.8kg以上という重量制限の中、改善点が見当たらずにいるのが現状です。

普通に軽量化をすると簡単に重量制限を割り込んでしまうため、空力の強化に取り組んでいるのですが、それでも現状のカーボンフレームでは重りを付けなければ重量制限をクリアできないほどです。

そんな中、ディスクブレーキという存在は今までのロードバイクとの差別化が可能で、レース中はともかく一般ライダーには非常に意味のある進化となります。

メーカーとしても代わり映えのしない、今までと同じものを売り続けることは難しいため、メーカーは積極的に販売をしていくでしょう。

また、今年のレース投入試験の結果が良ければ、来年から正式にロードレースでのディスクブレーキが許可されるようになります。そうなれば、一気に普及するのは目に見えています。

なぜなら、プロロードレースでは「市販されている」機材を使わなければいけないのです。

メーカーもここぞとばかりに宣伝のためにディスクブレーキロードをレースに投入し、そして販売につなげていくでしょう。

発表されたばかりの2016年モデルでは、まだディスクブレーキモデルは少ないですが、来年は一気にディスクブレーキがメインになっている可能性すらあります。

他人より一足早く購入して「通ぶる」のも悪くないと思いませんか?

(TOP写真出典:WiKimedia

G.TAKA

WRITTEN BYG.TAKA

キャンプツーリング畑出身の自称社会人レーサー。夏のロードレースと冬のシクロクロスで2本立ての生活中。

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