往復110kmのツワモノも!? IT企業社員の自転車通勤生活 –シックス・アパート社訪問【前編】

自転車ウェアを販売する株式会社ゴールドウィンや、ビジネスSNS「Wantedly」を運営するWantedly社など、FRAME編集部は、自転車通勤制度を導入している企業に取材してきました。今回は、国内10万社にWebサイトやブログ構築・運営のための製品やサービスを提供する、シックス・アパート株式会社にお話を伺ってきました。

シックス・アパート株式会社とは?

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シックス・アパート株式会社は、CMS(専門知識が無くてもWebサイトを作ったり、更新できるPCソフトやサービス)を中心にサービスを展開しているIT企業です。
2001年に米サンフランシスコで創業し、現在は、赤坂に本社を構える同社。CMSプラットフォーム「Movable Type」や、企業向けブログサービス「Lekumo(ルクモ)ビジネスブログ」など、同社が提供するサービスはぐるなびやサイボウズ式の企業をはじめ、医療機関や学校、地方自治体など、国内の10万社の企業・団体に利用されています。

シックス・アパート株式会社では、2010年ごろから何名かの社員が自転車通勤をはじめ、現在も3名が自転車で通勤しています。今回は、通勤距離往復110kmのツワモノや、ライトに毎日20kmほどの通勤を行う社員さんまで、三者三様な自転車通勤の楽しみ方をお伝えします。

「ライトに往復20km」から「往復110km」のヘビーライダーまで、三者三様の自転車通勤ライフ
今回お話を伺ったのは、マーケティングマネージャーの中山さん、エンジニアの間(はざま)さん、粂川(くめかわ)さんの3名。まずはそれぞれ自転車通勤を始めたきっかけについて聞いてみます。

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マーケティングマネージャーの中山さん

中山 「僕は自転車通勤を始める前はミニベロに乗っていまして、自転車通勤を始めてから、ロードバイクを購入したんですよ。通勤距離は毎日往復45kmほどで、今はロードバイクか、ダホンのミニベロで通勤しています。」

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エンジニアの間さん

間 「僕は最初、交通費浮くじゃん、という思惑から始めたんですよ。あときっかけになったのは、3.11の震災ですね。あの時、僕は家まで歩いて2時間半かかったんですが、自転車の方が横をサーッと通ってくんです。自分のペースで移動できるのがいいなぁと思いまして、それも自転車に乗り始めたきっかけですね。僕はジャイアントのクロスバイクで通勤していますね。家が近いので距離は往復で20kmほどです。」

トライアスロン経験もある粂川さん

トライアスロン経験もある粂川さん

粂川 「私、トライアスロンをしていたこともあるんです。競技は25年前から10年間ほど続けていましたが、途中ブランクを挟んで現在はバイクとランのみです。自転車通勤はトレーニングも兼ねてやってまして、往復110kmくらい走っていますね。毎日はさすがに大変なので、週に2~3度ですが、運動した方が、仕事も進むんです。おにぎりを携行食にして、通勤中に食べたりしますよ。」

ファブリーズは必需品!? 通勤時の服装をチェック!

きっかけも通勤距離もそれぞれに異なる通勤スタイルですが、通勤中の服装はどのようなものを着ているのでしょうか?

中山「僕は下だけ自転車用のインナーの上に短パンを履いて、上はジャージで通勤しています。Tシャツとタオルをリュックにいれて、オフィスに着いたら着替えて、マイファブリーズで消臭するんですよ。自分に向けてシュッシュッって。」

間 「僕は、競技選手みたいな格好は気恥ずかしいので、スニーカーと普段着で通勤しています。会社に到着したら、夏も冬もシャツと下着は着替えますね。」

粂川 「私の場合は、長距離を走ることと、競技生活も長いので、基本的にサイクルジャージやレーシングパンツの競技スタイルで通勤しています。長い距離を走るのに動きやすい服装が必要ですし、汗をかくと冷えますから。」

中山さんのお話で「ファブリーズで消臭するんです。」という話が出ましたが、自転車通勤で気になるのは汗と臭い。同社には更衣室とシャワールームがないので、各々トイレで着替えたり、制汗スプレーを利用して臭い対策を行っているようです。更衣室やシャワー室が無いことには、不便さを感じているようですが、オフィスに自転車ラックがあるので、それがすごくありがたいと中山さんは言います。

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オフィスにある自転車ラックには、粂川さんと間さんの自転車が掛けられていました

中山 「自転車ってカスタマイズしていくと20万円くらいになっちゃうじゃないですか、それを駐輪場に置いておくのって心配になるんです。パーツが錆びるから雨にも濡らしたくない。このオフィスみたいに屋内に自転車を保管しておけると、愛車が自分の目につく場所にあるので、仕事もはかどります。」

自転車通勤をしている人に話を聞くと、シャワー室や更衣室があると嬉しい、自転車置き場が無くて困るという話を良く聞きます。大事な愛車も目に見える場所に置いてあれば安心して仕事ができそうです。

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自転車ラックに使われている金属パーツは市販されているもの、木材と金属パーツがあれば、すぐできるそうです

自転車はこのようにサドルの部分を引っ掛けます

自転車はこのようにサドルの部分を引っ掛けます

シックス・アパートに置かれた自転車ラックはエンジニアの間さんのお義兄さんが作ったもので、会社に許可を取って中山さん達が設置したものだそうです。ラックの材料費は間さんのお義兄さんが持ち、設置は社員の方でおこないました。

中山 「シックス・アパートは自由な気風の会社なので、制度で縛られることはあまりありません。禁止もしないし、推奨もしない。やってもいいけど、周りに迷惑がかからないよう、保険や安全対策はしっかり行ってくださいね、というスタンスですね。」

自転車通勤をしたくても、会社の理解がないと実現が難しくなってしまいます。会社の理解があるからこそ自転車通勤ができるし、気持ちよく働ける、自転車通勤とは会社と社員がお互いに支え合うからこそできる制度なのかもしれません。

後編では、これから自転車通勤を始める人に向けて、自転車通勤を続けるコツや、通勤時に気をつけたい、事故を防ぐコツなどをお聞きします。

後編はこちら。
「気ままに、マイペースに」がシックス・アパート流、 IT企業社員の自転車通勤生活 –シックス・アパート社訪問【後編】

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WRITTEN BYスズキ ガク

1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI

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