「気ままに、マイペースに」がシックス・アパート流、 IT企業社員の自転車通勤生活 –シックス・アパート社訪問【後編】

自転車通勤制度を導入している企業にインタビューを行ってきたFRAME編集部。今回お話を伺ったのは、国内10万社にwebサイトやブログ構築・運営のサービスを提供する、シックス・アパート株式会社です。

前編では、同社で自転車通勤を行う3名の社員さんに、通勤距離や通勤時の服装について質問しました。後半では自転車通勤を楽しく続ける秘訣や、事故を防ぐための心得について聞いていきます。

前編はこちら。
往復110kmのツワモノも!? IT企業社員の自転車通勤生活 –シックス・アパート社訪問【前編】

経験者に聞く、楽しく続ける自転車通勤の秘訣

今回お話を伺ったのは、毎日44kmを往復するマーケティングマネージャーの中山さん、20kmを往復するエンジニアの間(はざま)さんと、トライアスロンの経験があり、往復110kmを通勤する粂川(くめかわ)さんの3名です。

自転車通勤をしていると、「今日は自転車に乗るのをサボってしまおうか」という誘惑に駆られることも多いと思います。自転車通勤を楽しく続けるための秘訣はあるのでしょうか?
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マーケティングマネージャー中山さんは箱根にツーリングに出かけることもあるそう

中山 「僕は苦になったことは無いですね。以前はスポーツジムに通ったりサッカーをしていました。ジムの行き来には1時間半かかっていたので、自転車通勤にすれば通勤がエクササイズになると思いまして。あとは気軽に乗ることですかね。僕は雨の日は乗らないですし、体調に合わせて乗らない日も作るので、長いこと続けられています。そのおかげでしょうか、5ヶ月で7kgの減量に成功しました。」

間 「僕も片道10kmで近いので、そんなにサボろうとも思いません。あとは自転車に乗らざるをえない環境を作ることですかね。定期は買っていませんし、通勤するのに自転車に乗ることが当たり前なんです。なんというか、生活の一部になってるんですよね。会社帰りに飲みに行くときは自転車を置いていきますし、『乗ろう』と構えないと乗らないようでは、長続きしないんじゃないかな。」

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3名の中では、往復20kmのライトな通勤を楽しむ間さん

今回、話をお聞きする中で、自転車通勤をするなら片道15kmの距離が適度でいいとお聞きました。

中山 「自転車通勤を始めるなら15km以内がいいと思います。それ以上の距離は毎日はきついです。最初の15kmは楽しいんです。僕は片道22kmの距離なんで、最後の7kmがだるい!って感じるんです。」

粂川 「それはあるね、僕は片道55kmだから、朝は大丈夫なんだけど、仕事帰りとかきつく感じることがある。15kmっていう距離より、1時間以内に走れる距離と言い換えた方が分かりやすいかも。」

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写真右が3名の中で一番のヘビーライダー、粂川さん(写真右)

毎日長距離を走るのは大変なようです。粂川さんのように長距離を走って通勤する方は、疲れたときは電車を利用したり、輪行することも選択肢に入れると、楽しく自転車通勤が続けられそうです。

マナーを守ればみんなが楽しい、事故に遭わない公道の走り方

公道を走ると事故が起きることもあります。3名の中で一番長距離を走る粂川さんは自転車事故についてこう話します。

粂川 「競技をしていると、落車する人は何回もするし、しない人は全くしないんです。乗り方なのか、意識の配り方なのか分かりませんが、不思議なことにそれがはっきりと分かれるんですよね。事故が起きて体を壊してしまうと仕事ができないので、私は特に気をつけています。

事故を起こさない秘訣は、ドライバーと目があわない車に近づかないこと。目が合わないドライバーはスマホやナビに目を奪われていたり、周りへの注意に欠けているので危ないんです。それと自転車にはウィンカーがありませんから、自動車からはどちらに曲がるか分かりません。なので曲がる時は、後続の自動車に手信号や声を出すことも必須だと思います。」

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中山 「いまサイクリストの話が出ましたけど、サイクリストも交通マナーを守らないといけないですよね。交通法規が改正されましたけど、道を逆走したり、スマホをいじって運転したり、イヤホンを付けて走っている人も、いまだ多く見かけます。

ルールに沿って走っていない自転車は、ドライバー側からすると近くを通るのも怖いですし、ドライバー側の心象も悪くなって、サイクリストは道を走りづらくなってしまいますよね。」

間 「自転車の立場も、いまは微妙ですよね。車道を走っているとドライバーから煙たがられる。自転車はそもそも車道を走るものだって認識が根付いていないので、すごく肩身が狭いです。それはドライバー側にも理解して欲しいなぁ。」

2015年6月に道路交通法が改正され、自転車は車道を走ることが義務づけられました。それまでは歩道を走る人も多く、自転車は車道を走るものという認識はまだ根付いているとは言えません。

ドライバーにとって、自転車が車道の邪魔ものになるかどうかは、ひとりひとりのサイクリストの心がけにかかっているのでしょう。

「気ままに、マイペースに」がシックス・アパート流の自転車通勤

最後に、自転車通勤が始まる前と後では会社の雰囲気は変化したのでしょうか?

中山 「自転車通勤制度が始まった前後で、会社の雰囲気は良い意味でも悪い意味でも変わってません(笑)オフィスに自転車が置いてありますが、邪魔だと言う人もいないですし、逆に積極的に自転車通勤をしたいという人もいない(笑)

僕ら自転車通勤組の影響でブロンプトンを買った人もいたんです。その人は最初は自転車通勤してたんですが、今は事情があって通勤には使っていないようです。また、復活してくれたら仲間が増えるので歓迎ですね。」

そう答えてくれた中山さんはグループ会社と合同の自転車部に所属して、休日は箱根にツーリングに出かけたりするそうです。間さんはもっぱら通勤オンリー、粂川さんはトライアスロンのトレーニングも兼ねて、という自転車生活なので、3名で一緒に走りにいくことは少ないそうです。

自転車部を立ち上げ、自転車通勤をする社員総出でレースに参加する会社もありますが、同社の自転車通勤は各々気ままにマイペースに楽しんでいるご様子で、日々自転車で走る生活を愛されているように感じました。

まず楽しいことが一番大事、こんな自転車通勤もアリですよね。

スズキ ガク

WRITTEN BYスズキ ガク

1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI

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