自転車はコミュニケーションの潤滑油-株式会社 Socketのサイクルライフ【前編】

2014年秋にKDDIが発表した、スマートフォン向けインターネットの新構想「Syn.(シンドット)」。この構想は、株式会社カカクコムの提供する「食べログ」や、株式会社はてなの提供する「はてなダイアリー」など、様々なスマホサービスを連携させ、ユーザにより便利なインターネットサービスを提供するものです。

この構想の運営母体として、2014年秋に設立された Syn.ホールディングス株式会社。
今回は、その子会社として活動する株式会社Socketにお邪魔し、社内のサイクリストの方々にお話を伺ってきました。

株式会社Socketとは?

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今回取材に応じてくださったのは執行役員・CTO兼アートディレクターの生内さん、品質管理の星川さん、運用コンサルタントの永田さん、広報の地田さんの4名。

同社は社員数21名の中、約半数がサイクリストという企業。トライアスロンや8時間耐久レースに出場する社員の方もおり、代表取締役の安藤祐輔さんもトライアスロン経験者だそうです。

星川塩見さん(以下、星川)「社内のメンバーでツーリングに行くことも定期的に行っています。以前弊社代表の安藤と共にツーリングに行った時のことですが、坂を下りながら『下る時もペダルは回さないといけないですよ』と言うんです。そんな風に常人ならぬ推進力を持つ代表だからこそ、Socketは通常の何倍ものスピードで前進し続けている会社だと思います」

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同社、品質管理の星川塩見さん

2012年に設立された株式会社Socketは、スマートフォン向けおもてなし販促プラットフォーム「Flipdesk」を提供し、サービス開始1年で240社以上に採用されています。

webサイトを通した物販を取り巻く販促のキーファクターは、現実にあるお店と同様に、集客・接客・追客(リピート促進)の3つがあり、Socketの提供するサービスは主に接客分野を担っています。
サイトにタグを埋めこみ、訪問者の行動を自動で解析し、解析したその結果に応じて「クーポン発行」や「キャンペーン告知」、「チャットサポート」などの最適な接客アクションを提供することで、訪問者の購買意欲を高めることができます。

同社が設立して3年で、Syn.グループの一翼を担うまでに成長したのは、代表取締役 安藤さんのアスリート気質と無関係ではないでしょう。

歴代の愛車は20台以上、執行役員の生内さんと、同社のサイクリスト達

生内さんは、自転車歴3年のサイクリスト、自転車は乗るのも好き、自転車そのもののアセンブリ(組み立て)も好きで、自転車は生内さんのライフワークのひとつになっているそうです。

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同社、執行役員・CTO兼アートディレクターの生内洋平さん

生内洋平さん(以下、生内)「僕が自転車を始めたきっかけは、当時月10万円ほどもかかっていた移動コストが気になっていたからです。自転車なら、都内を電車移動と同じくらいの時間で移動できるし、交通状況にも大きくは左右されないし、コストもかなり安く済む。2ヶ月分の交通費でそこそこのエントリー機が買えちゃうじゃないですか。それで買ってみたら移動自体も楽しくて。大ハマりしちゃいました。だから、最初の動機は“より効率の良い移動手段”でした」

最初の1台を買ってから今までに20台の自転車を乗り換えてきた生内さん。一時期は自転車を仕入れて販売していました。

生内「乗ることも楽しかったんですが、車体に似合うパーツ選びも奥が深い。ミニ四駆世代は分かりますよね?パーツを組み替えて、どうすれば速く快適に乗れるか、どうすれば美しく、かっこよくなるかを考えるのが楽しくて。早く走るための自転車、よりスマートに乗るための自転車の形を追求するのがとても好きです。自転車はどれも必ず何かの用途のために作られている。その種類によって様々な楽しみ方ができますから」

生内さんはオフィスまで30kmほどの距離にある千葉県に住んでいます。通勤には自転車を使うことは少なく、家や職場に自転車を置いて、都内の移動に自転車を使うことが多いそうです。

そしてその生内さんを自転車の世界に引き込んだのが、同社品質管理の星川さん。元々ツール・ド・フランスなど自転車レースを見るのが好きで、その影響で自転車に乗り始めました。

星川「僕は走っていることそのものが好きです。日常では味わえないようなスピードで景色が流れていったり、まだ知らない店を見つけたりするのが楽しくて。家も所沢で遠いので、休日に乗っていることがほとんどです。僕は目的地は同じでも違う道を走ったりします、道が変わると風景も違うので毎回新しい気持ちで走れるんです」

個人でもツーリングに行く星川さんは、会社のメンバーと走りに行くことも多いと言います。

星川「ツーリングに行くと、一緒に走るメンバーの性格が分かるのが面白い。頑張りすぎて後半疲れちゃう人とか、逆に後半になって力を出す人とか。永田さんは淡々と真面目に乗るよね」

生内「社内メンバーの性格がわかると仕事もやりやすいし、チームビルディングに役立ちますよね。永田さんの走り方と仕事のやり方は、かなりリンクしてる感じがする。通常運転時は真面目に淡々と走るし、いざって時の情熱もちゃんと隠し持ってるんだよねー。」

そう紹介された、同社の運用コンサルタントの永田龍史さんは、今年6月に自転車に乗り始めたビギナーサイクリスト。自宅まで片道約4kmを通勤しています。

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同社、運用コンサルタントの永田龍史さん

永田龍史さん(以下、永田)「僕は6月に入社して、その月に生内さんに誘われて自転車に乗り始めたんです。入社したばかりでこれから社内のメンバーとどうコミュニケーションを取ったらいいか、と考えていた時、突然奥多摩ポタリングに誘われて(笑)。自転車を始めてからは共通の話題ができたことで話しやすくなって、かなりスムーズに仕事を回せるようになったと思います」

永田さんが乗っている自転車は生内さんから借りているものだそうです。
生内「永田さんには超かっこいい自転車を貸しているんですよ。パソコンでもなんでも、最初に質の良いものを体験してもらうと、それらが本来持つ驚きや楽しさが分かるから、長続きするじゃないですか。逆にロードルックのような、ママチャリに毛が生えたような自転車じゃあスポーツバイクの良さは味わえない。彼にはどっぷりハマってもらおうと思ってとっておきのを用意しました(笑)」

生内さんは、自転車がコミュニケーションツールのひとつになって、社内の雰囲気が良くなっていることを感じているそうです。

生内「Socketは新メンバーが入ると、すぐに『何かやろうぜ』という空気になる。なんでもチャレンジしたがりが多い(笑)。自転車の他にもキャンプや登山の集まりもしますし、それがメンバー同士のコミュニケーションのきっかけになる。結果、社内のチームビルディングに一役買っているんです」

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働いている時間だけでは、メンバーの持つ人柄は掴みきれないもの。自転車やアウトドアなど、共通の趣味を持つことで、メンバー同士のコミュニケーションが進み、結束力を高めているんだそうです。

星川「自転車始めてよかったでしょ?」
生内「今となっては、そのおかげでこうして品質管理なんていう大変な仕事を任せられる人を見つけましたからね(笑)」

後半では、最近自転車に乗り始めた広報の地田さんや、社内外のメンバーを集めて参加した8時間耐久レースの様子をご紹介します。

後編:
レースは社内外をつなぐ-株式会社 Socketのサイクルライフ【後編】

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WRITTEN BYスズキ ガク

1986年生まれのライター・編集ディレクター・元自転車屋の店員/ 大学を卒業後、自転車日本一周と、ユーラシア大陸輪行旅行を行う。 編集ディレクターとしての担当媒体は「未来住まい方会議 by YADOKARI

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