座って漕ぐ自転車・リカンベントとの関係性はいかに?リハビリできる車いす「COGY」の鈴木社長に聞いてきた

8月7日(日)新宿高島屋 2F JR 特設会場にて『ダイバーシティ・コミュニケーションを体験しよう!PEOPLE DESIGN PLAZA』が開催されました。
本イベントでは、様々な施設と連携し、ダイバーシティ・コミュニケーションの体験の場を提供するプログラム。テクノロジー・スポーツや人柄を通じた交流体験が2020 年に向け国籍・年齢や障害の有無等の違いを超えるコミュニケーションにつながると考え、新宿髙島屋において、ダイバーシティ・コミュニケーションを体験できるものでした。

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今回のイベントでは、様々なメディアから注目されている足こぎ車いす「COGY」を体験する事ができ、多くの方が体験会に参加していました。今回「COGY」の漕ぐという動作が普通の車いすとは異なることもあり、株式会社TESSの鈴木堅之社長に直接お話をお伺いしました。

−COGYとはどのような商品でしょうか?

足の不自由な方が自らペダルを漕いで移動ができる、世界で初めての車いすです。
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通常車いすというと、手で車輪を動かすか、後ろから押すものが主流です。ここ10年では電動で動くものも増えて来ました。COGYは自らの足でペダリングして操作するというところが、今までの車いすとは大きく違います。このペダリングにより、もう一度、自分の足で動きたいと考える人の助けになる製品としたいと考えております。

-車いすに乗られる方がペダリングをする事が可能なんですか?

はい。全ての車いすに乗られる方が、足が動かないという訳ではございません。事故や病気、老いなど色々な理由で車いすを使用されています。歩けるほどではないけれども、足自体を動かすことが出来るといった方は、COGYを使いつつトレーニングする事が可能です。

-開発のきっかけは何だったんでしょうか?

元々、東北大学で機能的電気刺激を研究していました。20年位前に下半身不随となってしまったプロのレーサーが、電極を埋め込み歩行するという実験をしていました。結果として、歩くことまでは成功しました。しかし、筋肉にフルパワーで力をかけて汗だくになりながら、5メートル歩行するのがやっとな状態でした。

これでは余りにも実用性に向いていないことから、もっと楽な方法はないかと考えて辿りついたのが、座りながらペダリングするというものでした。このペダリングは、原始的歩行刺激によって行われます。
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-原始的歩行中枢を刺激というのは何ですか?

私たちも研究の段階で発見したことなのですが、ペダリング式の車いすにした際、最初は体に電極の埋込みが必要で、パソコンを搭載していないと動くことができませんでした。

そこで今度は、表面電極という筋肉に貼るようなものを開発しました。これも、筋肉の仕組みや、場所を把握していなければ使用できないため実用性においてもまだまだといった感じでした。にもかかわらず、パソコンのスイッチを入れていない状態で、自分の力だけで漕ぎ始めた方がいらっしゃったんです。

-筋肉に電気を入れなくても動いたということですか?

はい。反射的な刺激がきっかけだったみたいです。生後2ヶ月位の赤ちゃんにしかみられない反応で、「赤ちゃんを抱きかかえて、少し前かがみすると自然と足を動かします。」この動きは暴れている訳ではなく、脊髄の中にある原始的歩行中枢に本能的な指令が行き反応しているということです。成長に伴って段々脳が発達し使われなくなってしまいますが、成長しても残る反応です。COGYは、その刺激を利用してペダルをこげる装置にしました。

-実際にCOGYを使った時のユーザー反応はいかがでしたか?

皆さん乗ると笑顔になります。自分の足は動かすことはできないと多くの方は思っています。お医者さんからもそう言われていて、徐々に動かなくなっていることを実感します。障害を負ってから長ければ長いほど、足を動かすという事への希望を捨ててしまう方がほとんどです。

そういう方が、試乗して頂いてペダルを漕ぎ始めると、皆さん驚き笑顔になります。「あ、自分も足を動かす事が出来るんだ!」「動かないと思っていた足が使える!」といった風に一度でも体感すると、COGYを毎日使うようになるそうです。その結果、次第に足に筋力もついて立って歩けるようになったり、1年後には階段を登れるようになったりと、多くの方が効果を実感してくれています。
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-第一印象がリカンベントの自転車に似ているなと感じました、コンセプトは同じなんですか?

その質問は、自転車に乗られている方から良くされます。実は……。

リカベントとの関係性は・・・・後編へ。

宇佐美フィオナ

WRITTEN BY宇佐美フィオナ

ロシアと日本のハーフのライター。主にカルチャーや、日本の文化、アンダーグラウンドな企画・インタビューを生業としています。スポーツ全般は見るのもやるのも好きで、トレーニングやストレッチは365日ハードにやってます。

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