神奈川県に住んでいるのなら、自転車に乗らないのはもったいない!


こんにちは、FRAME編集部です。ブログ「ARTIFACTー人工事実」の加野瀬未友さんに記事を執筆していただきました。

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一年ほど前から自転車趣味に目覚めてしまった筆者は、それまでタイトルぐらいしか知らなかった自転車漫画をよく読むようになった。自転車漫画を読んで驚いたのは神奈川県の舞台率の高さだ。

現在の自転車漫画ブームの筆頭である『弱虫ペダル』のインターハイの舞台は箱根、『のりりん』はヤビツ峠そばの秦野市が舞台で、今年10月にアニメが放映された『ろんぐらいだぁす!』や、来年1月からアニメが放映される『南鎌倉女子高校自転車部』は、特に現実の場所をモデルにしているのがよくわかる漫画だが、物語初期の主な舞台は神奈川県だ。『ろんぐらいだぁす!』は境川サイクリングロード、江の島、三浦半島を走り、『南鎌倉女子高校自転車部』は文字通り鎌倉が舞台である。

自転車漫画でこれだけ舞台になるほど、神奈川県のサイクリングコースは魅力的なのだ。「自転車漫画の聖地は神奈川県」と断言させていただく。

三浦半島


『ろんぐらいだぁす!』『南鎌倉女子高校自転車部』どちらの漫画でも、主人公たちが本格的なロングライドに初めて行くのが、この三浦半島である。

横須賀から鎌倉までの三浦半島一周は約70kmで、主に海岸沿いを走るため、とても気持ちよく走れる。ほとんど平坦なコースなのだが、三浦半島の先端である三崎口の辺りはアップダウンが多い。とはいえ、長く続く坂はないので、初心者でも走りやすい。

その上、観音崎灯台や三崎港など、観光ポイントが多く、景観、食事と楽しめる要素が満載だ。鉄道はJRの横須賀線と京浜急行があるので輪行(自転車を収納バッグにいれて、鉄道などで移動すること)にも向いている。最初のロングライドのコースとして選ばれるのもよくわかる地域である。なお、時計回りで行くと、海岸側に近い側を走ることになるのでお勧めだ。

MAP -TVアニメ「ろんぐらいだぁす!」公式サイト-
『ろんぐらいだぁす!』に登場するサイクリングコースの解説。

三浦半島観光連絡協議会は自転車半島宣言をしており、サイクリストの積極的な受け入れをしているため、コンビニにバイクラックや空気入れが置いてあるところが多いのも嬉しい。食事は、三崎港のマグロをはじめとして、新鮮な海鮮が食べられる店が多く、ロングライドのご褒美である食事処はかかせない。城ヶ島のしぶき亭などバイクラックがある店もある。

2016年には三浦半島観光連絡協議会によって八か所にマイルストーンが設置され、このマイルストーンを使って、プレゼントが用意されたスタンプラリーが春と秋に開催された。三浦半島を一周するにしても、このようなわかりやすい達成ポイントがあるとうれしい。

サイクリングロードマップ | LAUMI(ラウミ) 三浦半島観光サイト
三浦半島で自転車に便利な場所の情報がまとまっている。

三浦海岸駅そばには三浦うみかぜレンタバイクというスポーツバイクのレンタルができるレンタサイクルがある。スポーツバイクをレンタルしているレンタサイクルは珍しく、ロードバイクやクロスバイクを体験してみたい人にはうってつけだ。ソレイユの丘でも、MERIDAのロードバイクのレンタルをしている。

三浦うみかぜレンタバイク
【MERIDA XPERIENCE CENTRE】レンタサイクルのお知らせ | 長井海の手公園・ソレイユの丘

境川サイクリングロード/湘南地区

町田付近から、江の島など湘南方面に行くのに便利なサイクリングロードが境川サイクリングロードだ。境川はそれほど大きい川ではないので、サイクリングロードの幅は狭めであるが、休日になると多数のサイクリストが走る人気サイクリングロードだ。また三浦半島は隣りのため、三浦半島と境川サイクリングロードにつなげたコースも設定しやすい。輪行で行くなら、小田急とJR横浜線の町田駅か、JR東海道線の藤沢駅、小田急電鉄江ノ島線沿いからがアクセスしやすい。

江の島や鎌倉は観光スポットが多く、楽しめる場所だが、広いため、いろいろなところに歩きで行こうとすると大変だ。休日はひどい渋滞のため、自動車も向いてない。こんな場所では自転車の機動力が活かせる。『南鎌倉女子高校自転車部』では鎌倉のいろいろな場所を訪れるので、事前に漫画を読んだり、アニメを見ておくと、より楽しめることだろう。

このほか、神奈川県の大きな河川である多摩川、鶴見川、相模川、酒匂川にはサイクリングロードがあり、各サイクリングロードを繋いだコースも設定しやすい。

津久井湖/相模湖

山に行きたいが、坂は嫌い! そんな人にぜひお勧めしたいのが津久井湖、相模湖だ。市街地の橋本から、30分も走らない内に、山の中にある津久井湖に辿り着く。最近、この付近は熊が出現しており、熊が突撃してきたと話題になったラーメン屋は相模湖そばである。観光地としては、それほど賑わっている訳ではないが、気軽に山の雰囲気を楽しめる場所なのだ。JR横浜線、相模線、京王電鉄相模原線の橋本駅か、JR中央線の相模湖駅からバスで行くしかない津久井湖は、自転車ならではの目的地といえる。

津久井湖のある相模原市は、サイクリストに親切で、バイクラックがある店も多い。相模原市のサイトには相模原市緑区内でバイクラックがある店の地図があるほどだ。
緑区内の自転車(ロードバイク)用スタンドの主な設置場所 | 相模原市

橋本から津久井湖に向かう国道413号線は狭い上に交通量が多いのが難点だが、最近できた津久井広域道路(神奈川県道510号線)は道幅が広いので走りやすい。津久井方面に行く時は登りだが、橋本方面へは下りになり、広い道路なので、ダウンヒルを安全に楽しめる。

国道20号線(甲州街道)で高尾から相模湖に行く途中には、初心者向けといわれる峠の大垂水峠があり、相模湖を超えれば、すぐ山梨県だ。また、津久井湖から道志みちといわれる国道413号を行くと、山中湖に行ける。次に紹介する宮ヶ瀬湖もすぐ近くであり、いろいろなコースの中継地点になるのが、津久井湖なのだ。

ヤビツ峠/宮ヶ瀬湖

近年ロード乗りに、ヒルクライムコースとして非常に人気があるのがヤビツ峠だ。最寄り駅は小田急電鉄小田原線の秦野駅である。ヤビツ峠を登って下ると、宮ヶ瀬湖に辿り着くのだが、宮ヶ瀬湖は厚木から行ける土山峠など複数のルートがあり、バラエティに富んだコースを選べる。

宮ヶ瀬湖周辺は観光地なので、楽しめるポイントは充実している。この付近も津久井湖と同じく、バイクラックのある店は多い。お勧めの場所として、オギノパンと服部牧場を挙げておこう。その魅力は下記の記事に詳しい。
いつの間に故郷になってしまったかつての隣町「相模原市緑区」のドライブ散歩道 – SUUMOタウン

宮ヶ瀬ダムのエレベーターは、なんと自転車を載せることができるため、非日常的な体験ができる意外なコースとして楽しめる。ただし、宮ヶ瀬ダムを下りたところにあるあいかわ公園は車両乗り入れ禁止なので、自転車を押さないといけないので注意して欲しい。

鉄道で東西の移動が面倒な神奈川県を楽に移動する

神奈川県内を鉄道で移動しようとする時に気付くのが、東西の移動が面倒なことだ。たとえば、小田急線や東急田園都市線の沿線沿いに住んでいると、横浜駅に行くにはJRの横浜線を使うしかないため、どうしても遠回りになりがちで、直線距離の割に時間がかかる地域が多い。しかし、速度が出せるスポーツ自転車で行くと、鉄道で行く時間より少し長い時間で済むことがある。特に自宅から駅までバスで行くような距離に住んでいる場合は、鉄道を使うよりも早いこともある。

また、鉄道では行きづらい場所はバスで行くことになるが、バスは本数が少なかったり、どこに行くバスかわかりにくい。しかし、スポーツ自転車があれば、不便な場所でも自由に行ける。こうして行ける場所が増えれば、他の趣味にも役立ってくる。たとえば写真撮影が趣味なら、撮影場所のバリエーションが増えることだろう。スポーツ自転車は、自転車趣味というだけでなく、ほかの趣味の幅を広げてくれるのだ。

神奈川県は広大だ

もちろん、純粋に移動手段として考えれば、当然自動車やオートバイの方が便利である。しかし、自転車に乗っていると、五感が研ぎ澄まされ、気温や湿気、風などの天候や匂いに敏感になってくる。スポーツ自転車は時速20〜30kmぐらいで走ることができるが、この速度は自動車と違い、いろいろなものに目が向き、景色の解像度を上げてくれる。自動車では窓から見えたちょっと気になった店や場所に気軽に寄ることは難しいが、自転車なら簡単だ。

筆者がスポーツ自転車を手に入れてから、初めて横浜港まで行った時、1時間弱で20kmの距離を走れたことに驚いた。それを自分の力によって成し遂げたという達成感は、これまで味わったことがない充実感があった。目に見えてわかる自分の努力というものはなかなかないが、自転車は走行距離という数字でわかりやすく努力の結果を教えてくれる。筆者はスポーツにまったく興味がなく、運動などしないインドア志向の人間だったが、そんな人間でも長距離を走れることに気付くと、どんどん自転車にはまっていった。

また、スポーツというのは専用の場所に行ったりと手間がかかるものが多い。自転車は自宅を出れば、そこがフィールドで、手間がない。何より、一緒にやるメンバーがいないとできないスポーツが多いが、自転車にはそんな縛りがなく、自由度が高い。自転車趣味は「路上ひきこもり」と言われることがあるが、それは一人で完結することができるからだろう。もちろん、仲間と一緒に走るのは楽しいが、いつでも一緒に走れるわけではない。ちょっとした時間さえあれば、一人で楽しめるのが自転車なのだ。

神奈川県は少し走れば、海にも山にも行ける。ここで紹介した場所を繋げていくと、100kmを超えるコースも設定できる。

筆者は10月に二泊三日で、初日は横浜の自宅から、道志みちで山中湖に行き、二日目は山中湖から御殿場、箱根の坂を下り、湘南を経由して、三浦半島の三崎港まで行き、三日目に帰宅するというコースで走った。合計約300kmだったが、これだけ長距離を走っても、周回コースというのもあり、ちょっとだけ山梨県と静岡県に入っただけで、神奈川県の広大さを実感した。

あなたがもし神奈川県に住んでいるのならば、ぜひともスポーツ自転車を入手して、自転車生活を始めて欲しい。

FRAME編集部

WRITTEN BYFRAME編集部

FRAME編集部はロードバイク、MTB、ミニベロ、トライアスリートなど、全員が自転車乗りのメンバーで構成されています。メンテナンスなど役立つ情報から、サイクリングのおすすめのスポット情報、ロードレースの観戦まで、自転車をもっと楽しくするライフスタイル情報をお届けします。

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