車道走行中に正面から逆走する自転車が! あなたならどうする?
date : 2017.02.10 update : 2017.05.23

車道走行中に、正面から逆走する自転車が! あなたならどうする?

FRAMEでは自転車に乗っている時に遭遇する場面を例に、実際にどんな行動が良いのか考える連載を行っていく。

第一弾として今回は以下のシチュエーションについて考えてみたい。

この状況で何を考えて、何を考え・何をすべきかNPO法人自転車活用推進研究会の内海潤さんに執筆を依頼した。

内海さんの回答に移る前に、FRAME読者の回答を見ていこう。

止まる派

止まる、そして声をかける

内海さんの回答

自転車は車道が原則、車道は左側を走行と道交法で決まっているものの、街に出れば原則なんて何処へやら。自転車は何をやってもお咎めを受けない乗り物だと思っているので適当に運転している人の多いこと、多いこと。ルール通りに車道を走っているのだから文句はないだろうと車道の右側を逆走してくる自転車にも時々遭遇する。

逆走には理由がある

聞けば、車道左側走行を知らない人ばかりでもないらしいが、次の角で右に曲がりたい人は、あらかじめ右側に寄って走る傾向がある。

これを仲間内で「少しぐらい逆走」と呼んでいるのだが、結果的に右へ行くのだから車道を渡れる時に渡っておきたいという欲求がムクムクと湧いて来るようだ。またそれとは別に、あえて右側を選んで走る人もいる。前から来るクルマがよく見えるから、後ろからクルマが音だけで迫って来る左側より安心と言うのだが、路上駐車車両の陰に隠れると正対するクルマから見落とされやすいし、万が一正面衝突したら被害は甚大だ。

いずれも彼ら自身にとっては合理的な行為かもしれないが、周囲から見れば身勝手で自己中心的な考え方だと言わざるを得ない。

どう対処すべきか


では、実際に対面した時にどうすれば良いのか。頭ごなしに「バカヤロー」と罵るのは、まったくダメ。言われた方は一体、なぜ叱咤されているのか不明だし不愉快だからだ。「逆走じゃボケ!」とか「右側走んな!」もオススメしない。警官でもないのに何の権利があって指導するのかと腹を立てるに違いない。

真面目な日本人に多い叱咤指導型の声掛けは、残念ながら効果的でない。先日も知人がSNSにアップしてくれた写真を見てその思いを強くした次第だ。彼は常日頃から信号無視をしたり、逆走したりする人に口うるさく注意していたが、ある日ヘルメットに手書きの意見書が置いてあったそうだ。彼の思いは青年に届いておらず、そこには敵対心むき出しの言葉ばかりが並んでいた。

逆に、効果が期待できるやり方はないのか。もし私が言われる側だとすれば「左側を走ってください」といった低姿勢お願い口調がいい。自らが気付いて行動を改めるのを促すわけだ。言われた方は「あ、そうなんだ」とか「知ってるよ」などと思うかもしれないが、決して嫌な気持ちにはならないだろう。前カゴに「自転車は左側通行」と書いたプレートを貼って走ったり、「自転車は左側通行」とプリントしたTシャツを着て走ったりする仲間もいるが、正しい声掛け=腹の立たない言われ方が一番効果的だと思っている。すれ違いざまに声掛けするのには慣れが必要だが、人間同士だから相手を思いやる気持ちがあれば正しく伝わるはずだ。

自転車ナビマークが増えて欲しい

東京都内には自転車を前から見た警視庁デザインのナビマークが駅前中心に描かれている。見た目に賛否両論あるものの、自転車のマークと矢印が車道の左右に描かれていれば声掛けする際に指し示すことができて便利だ。「矢印の向きに走ってくださいね」と言われたら「はい」と答えるしかない。

従来は「体系立てて自転車のルールを教えてもらったことがないので知りませんでした」と言わせてしまっていたが、ピクト(絵)と矢印なら全世界共通で通用するから、外国人や子どもも理解できる。どんどん描いていただきたい。

早くも一部に消えかかっている路線があるので、今後は塗料の耐朽性も規制表示並みに上げて欲しいと思うが、現在のようなブツ切れではなく今後各都市部中心に自転車走行空間のネットワークが網羅できれば、声掛けも不要になると期待している。

FRAME編集部より

いかがでしたか? 内海さんの回答は声をかけるというものでした。

そうはいえ、声をかけることを難しいと思われた方も多いはずです。しかし「自転車ナビマークの矢印の向きで走って下さい」という一言なら、相手も感情的にならず聞いてくれるのではないかと思います。

逆走を指摘されて、自転車での車道逆走が危険な行為だと気付く人が一人でも増えればその分安心して自転車を走ることが可能になるはずです。

またFRAMEのTwitterで回答を募集したツイートでも、停車するという意見が多かったです。安全な路肩に停車することで万が一接触をしてしまう危険を最大限減らすこと編集部としては推奨します。

こうした問いをきっかけに、あなたも安全に自転車に乗ることについて改めて考えてみてくださいね。

*FRAME編集部見解です。


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Written by 内海潤

NPO法人 自転車活用推進研究会 事務局長 東京サイクルデザイン専門学校の非常勤講師として次世代の自転車人を育てる一方、イベントや講演会などを通じて自転車の楽しさや正しい活用を訴える活動を続けている。テレビへの出演多数。共著書に「これが男の痩せ方だ!」がある。