往復90km!“自転車通勤のプロ”がノウハウを教えます〜持ち物・準備編

こんにちは、サラリーマンでシクロクロスライダーの向山です。前回は往復90kmを走る私の自転車通勤経験から自転車通勤を始めるうえで必要な計画立てについてお話ししました。今回はその続編として具体的な準備の部分=通勤に便利なアイテムや便利な施設についてご紹介します。

サイクルウェアで通勤するなら、ビジネスウェアはオフィスに常備

近距離は別として、ある程度の距離の自転車通勤となると、サイクルウェアでの通勤がベストです。ただ、そうなるとオフィスに着いてから、スーツやビジネスカジュアルに着替える必要があります。
トップス、ボトムスはもちろん、服に合わせた靴まで必要になるので、毎回通勤の度に運ぶのは負担になります。通勤用のバッグに入れればシワになってしまうし、けっこうな重量になるので、腰に負担がかかってしまうからです。

そのため、着替え用のスーツやビジネスカジュアルをオフィスに常備しておきましょう。
会社によっては難しい場合もあるかも知れませんが、どこのオフィスにでもコートかけはあるでしょうから、ここにスーツを1式かけておけば良いのです(※たまに置いておくスーツのローテーションをするとなお良し)。靴についてはデスクの下やロッカーに入れておけば、周りにも迷惑にならないはずです。

毎日替えるワイシャツはクリーニング屋さんで畳んでもらったものが持ち運びやすくシワにならないので便利。
覚えておきたいワンポイントとしてはワイシャツの他、下着類や着替え時に汗を拭くための大きめのタオルは毎日家から持参することになりますが、この3点セットは予備を会社のデスクに忍ばせておくことが重要です。毎日通勤しているとたまにどれが1つ忘れてしまうことになるのですが、予備があれば安心。会社に着いてワイシャツがなかったら・・・と想像したら、予備の重要性は分かりますよね。

タオル、下着、ワイシャツは予備を会社に置いておくと、もしも忘れてしまった時に慌てないで済む。

もしもの時に備える雨具やウィンドブレーカー

街中を走る自転車通勤でも、雨具やウィンドブレーカーを携行しましょう。
自転車通勤の場合、山や海へ行くわけでもなく、距離も短いので、多めに防寒具を用意することが軽視されがちですが、自転車通勤だからこそこう言った装備が重要なのです。

想像してみてください。休みの日にロングライドに行ったとして、朝家を出て帰ってくるのはせいぜい夕方ですよね。でも通勤となれば帰りは夜、場合によっては深夜。それだけ時間が経てば天気も変わるものです。大気が不安定な時期にはにわか雨もありますし、雨が降らないまでも、風が出てきてかなり冷えることがあります。そんな時に備え、私は真夏以外はウインドブレーカーを持って走っています。6月とか9月のけっこう暖かい時期でも、風が冷たい時に重宝しますよ。

ポイントとしては、ウィンドブレーカーは値が張っても良いものを選ぶこと。ストレッチ性があり、バタつかず、とても快適なので、高価なやつを1つ持っていると手放せなくなります。

あると色々重宝するウィンドグレーカーや雨具。小さいビニール袋に入れておけばコンパクトで邪魔にならない

デイリーユースならライトは絶対に充電式

自転車通勤なら、帰りは夜になり、ライトを使うことなります。
ライトも毎日使うとなると充電式が経済的。乾電池式を毎日使っていると意外と出費がかさみます。

おすすめはキャットアイのライト。コストパフォーマンスに優れておりラインナップも豊富。VOLT400以上のモデルであれば性能は充分。特に電池残量が少なくなるとスイッチ部分が赤く光って教えてくれるので、充電のタイミングが分かりやすいのがポイント。購入時は予備バッテリーもセットになったパッケージが特におすすめです。
ちなみに私はVOLT1600と言う上位モデルを使っていますが、ここまでくると夜間でもオフロード走行が出来ると思います。

私が使っているキャットアイのVOLT1600。2つのライトが横方向に広角で照らしてくれる。

肩周りや呼吸が楽なので、リュックよりもメッセンジャーバックがおすすめ

着替えや財布・携帯、その他の荷物を入れて背負うバックはリュックサックよりもメッセンジャーバックを私はお勧めします
意外と好みが分かれるので、最終的には自分には何が合うかご自身で判断して欲しいのですが、リュックサックの場合はショルダーストラップが両肩を後ろに引っ張るような形になり、乗車姿勢を取った時に肩周りに余計な負担がかかってしまいます。
また、リュックを安定させるために付いているヒップベルトも、締めることによって腹部を圧迫し、呼吸の邪魔にもなります。

ただ、メッセンジャーバックにも欠点はあります。
ショルダーストラップが1本なので肩の負担は小さいのですが、1本しかない分、体の左右のバランスを崩してしまいます。これが嫌でリュックを使う方も多いのではないでしょうか。
そこでどう対処するか。
これはメッセンジャーの友人から聞いた方法なのですが、彼らは右掛け用と左掛け用の両方を用意して、毎日使い分けているそうです。
私の場合も、洗い替え用にメッセンジャーバックを2つ持っているので、右掛け用と左掛け用に分けて使用しています。
メッセンジャーバックが1つしか無ければ、サブストラップを右と左に掛け替えながら、左右のバランスを保つように使ってみましょう。

サブストラップの取り付け方を変えて、右掛けと左掛けで使い分けている2つのメッセンジャーバック。この方法は知り合いのメッセンジャー直伝。

参考までに私のバックの中身は

最後は手前味噌ですが、参考までに私のバックの中身です。これが絶対正解と言う訳ではありませんが、必要最小限のものを選んで常備しています。ちなみに、会社で使うものや財布・携帯など、普段から携行しているものは外してあります。

カギ類

防犯のために極力途中で自転車を駐輪しないようにしていますが、何かの事情で停める時のカギ。携行し易いワイヤー錠を大量に持っています。ただ、ワイヤー錠は切断し易く、これだけでは頼りないので、ブザーも併用します。

カギの袋には大量のワイヤー錠とブザーが入っている。

緊急時用の袋

緊急時に必要なものをまとめた袋。先ほど話したウィンドブレーカーとライトの充電が切れてしまった時の予備ライト。そして、途中でハンガーノックになってしまった時のための補給食。
普通は補給食は必要ないかと思いますが、私の場合は距離が長いこともなり、よくお世話になっています。特に多摩川サイクリングロードなど、近くにコンビニもない時に限って急激にエネルギー切れを起こすので、持ってないとけっこう大変な目に遭います。

緊急時に使うものがまとめられている袋。予備ライトとウィンドブレーカーとアスリチューンなどの補給食がコンパクトにまとめられている。

サングラスのケース

行きに使ったサングラスを帰りに収納するケース。ハードタイプだとかさばるので、布製などコンパクトなものが便利。

まとめると、備えあれば憂いなし

いかがだったでしょうか。
シチュエーションにより必要なアイテムも変わると思いますが、この辺をカバーしておけば通勤ライドを快適に楽しめると思います。第三回の次回は「自転車通勤を快適にたのしむための5か条」についてお話します。

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WRITTEN BY向山浩司

シクロクロッサー、自転車店店長。高校から自転車競技を始め、就職を機に一度引退。その後、ロードレースに復帰し、Jプロツアーを転戦。クリテリウムを得意とするスピードマンでならす。現在はSNEL CYCLOCROSS TEAMに所属し国内外のシクロクロスレースを主戦場にする。ロードからMTBまでこなすマルチライダーとして、自身の経験を活かして東京・あきる野市で自転車店A-Pad SPORT CYCLE STOREを運営する。A-Pad SPORT CYCLE STORE 

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