今だから告白できる私の駐輪術をお話します・自転車通勤第三弾駐輪場編

自転車通勤を始める方に向けてこれまで2回に渡ってお役立ち情報をお送りしてきましたが、 今回は駐輪場の問題について。都心のオフィスビルは駐輪場が整備されてないビルも多く、スポーツサイクルともなると防犯の問題もあり、どこでもおけるものではありません。
自転車通勤を始めるに当たり、駐輪場の問題が足かせになっている方も多いと思うので、そのヒントになるようなお話が出来ればと思います。

自転車通勤をする上で必要となるのが「駐輪・防犯・シャワー」

自転車通勤を始める際に絶対に考えなくてはいけないのが、駐輪場の問題です。近年は自転車通勤を奨励し、駐輪場を整備している企業もありますが、スペースに限りがある都心の大きなビルは駐輪場まで完備しているものは少ないのが現状です。
そして、駐輪スペースと1セットで出てくる問題が駐輪中の防犯対策の問題。それなりに高価なスポーツサイクルとなると、どこにでも置けるわけではありません。仕事中に自転車が盗まれるなんて事態は避けたいので、セキュリティ万全安心して置ける駐輪場が理想です。
また、長距離の通勤となると、シャワーを浴びたり着替えたりする場所も欲しい。これらをワンセットで解決できるシステムがあれば自転車通勤の強い味方になりますが、そう言う設備はまだまだ少ないのが実情です。
会社の最寄に便利な施設があれば理想的ですが、そうではない場合は、「駐輪」「防犯」「シャワー」を切り離して考えてみることによって、何か答えが見つかるかも知れません。

私の場合をお話します

私にとっても駐輪は常に重要な問題でした。特に、転職、事務所の移転、会社の規則の変更などに対応するのが大変だったと言えます。
理想としてはスポーツサイクル専用の駐輪場でシャワー完備のものを求めていたのですが、どこにでもあるものではないので「駐輪」「防犯」「シャワー」を切り離して考えながら対応してきました。

ここでは私の事例を細かくご紹介します。少々長くなりますが、具体的な解決方法としてヒントにして頂けるのではないかと思います。

渋谷勤務時:区営の駐輪場+安い自転車+フィットネスクラブのシャワーで対応

渋谷には、当時スポーツサイクル用の駐輪設備が無かったため、大手フィットネスクラブの会員となり、ここでシャワーを浴びてから会社の近くにある区営の駐輪場まで移動して自転車を駐輪、会社に着いてからスーツに着替えるというものすごく面倒な段取りでした。

渋谷駅周辺は放置自転車対策のために一時利用の駐輪場が整備されていました。ラックが付いているのでスタンドのないスポーツサイクルでも駐輪できるうえ、12時間100円だったので利用しやすかったのです。
反面、屋根がないうえに、管理スタッフが常駐している訳ではないのがネックでした。そこで「駐輪」と「防犯」を切り離して考えて対応したのです。つまり、使い古しのフレームやコンポーネント、廉価版のパーツを寄せ集めた通勤専用マシンを用意して通勤ではその自転車に乗るようにしました。
こういった自転車はお金がかかっていないので、万が一盗難にあった際、最高級グレードのマシンと比べると被害が最小限で済みますし、安っぽいロードレーサーなら転売狙いの窃盗犯には狙われ難いだろうという狙いもありました。苦肉の策ですね。
ちなみに、その大手フィットネスクラブでは月契約の大きなロッカーがなかったためスーツは預けられず、シャワーを浴びた後小さいロッカーに預けてあるわざわざTシャツと短パンに着替えて、会社に着いてから再びスーツに着替えると言う対応をしていました。

新宿勤務時:都庁の駐輪場+千駄ヶ谷のスポーツサイクル専用シャワー付きロッカーで対応

新宿の会社に勤務していた時の話。実はこの会社では当初自転車通勤が許可されていたので、渋谷勤務時と同様に新宿の大手フィットネスクラブのシャワーを浴びて、会社でスーツに着替えていました。ところが、ある日から自転車通勤が禁止になりました。

そこで会社に黙ってこっそり自転車通勤を続けることにしました。そこでネックになったのが、会社に着く前にシャワーを浴びてスーツに着替えておくことです。残念ながら当時は新宿駅の近辺にスポーツサイクル専用のシャワー付き駐輪場がなかったため、少し離れた千駄ヶ谷のスポーツサイクル専用ロッカーを使用することに。ここは駐輪スペースもある上、シャワーと大きなロッカーも完備されていました。ここでシャワーを浴びてスーツに着替えれば、自転車通勤をしていることが会社にバレないと言うわけです。
ただ、千駄ヶ谷で着替えても、新宿まではとても徒歩で行ける距離ではありません。
そこで、こちらでは駐輪スペースは利用せず、着替えた後に再び自転車に乗って新宿近辺の駐輪場に移動するという方法を取りました。幸い、会社の近くに都庁の駐輪場があり、朝から晩まで管理スタッフが常駐しているうえに、立体交差の下にあるので屋根付き。もちろん、ラックも整備されているのでスタンドがないスポーツサイクルでも問題なし。
このように良い条件が揃っていたのでとても気に入っていました。
こうして、新宿に勤務している時は千駄ヶ谷のシャワーと都庁駐輪場を駆使して、会社にバレずに自転車通勤を続けていました。行きも帰りも一度千駄ヶ谷に立ち寄るのが少々面倒でしたが、どうしても自転車通勤を諦めるわけにはいかなかったのです。

茅場町勤務時:オフィス内に駐輪+メインバイク+丸の内の自転車通勤用ロッカーのシャワーで対応

現在勤務している会社は茅場町にあり、自転車もスーツもオフィスに置けます。盗難の心配がなく、メインで使用している高価なロードレーサーで通勤しています。
ただ、さすがにシャワーまではないので、丸の内にあるランナーやサイクリストのための駐輪場とロッカーを提供している施設を当初使用していました。
ここでシャワーを浴びて、そこから再び自転車にまたがり茅場町のオフィスへ行き、スーツに着替え、自転車を傍らに置いて仕事するのです。

ただ、当初はこの方法でやっていたのですが、丸の内の施設がなかなかの高額で、自転車は預けず、小さいロッカーを借りてシャワーを浴びるだけで毎月13,000円ほどかかっていました。場所によっては駐輪場とシャワーがセットでも、もっと安い施設がある中で、だんだん価格に納得がいかなくなり、結局今はビルの1階にある掃除用のホースで水浴びをしてから、体を拭いてオフィスに入ると言う方法を取っています。

部活後の高校生じゃあるまいし、これはなかなかワイルドですが、暑い夏の朝の水浴びは気持ち良く、汗もかかないような冬場は汗ふきシート的なもので体を拭くだけで対応出来るので、何とかこの方法でやっております。それに、丸の内に寄らずダイレクトにオフィスまで向かうので、通勤時間の時短になるというメリットもありました。

オフィスビルの外で水浴びなんて、どこのビルでも出来るわけではありませんが、シャワーを浴びる良い設備がない場合は、こんな荒業もありえるのです。

まとめ

ここまでが私がこれまで状況に応じて対応してきた自転車通勤における駐輪場やシャワーの問題への対応方法です。かなり特殊な部分もあるかと思いますが、勤務地の近くに便利な駐輪場がない場合は、打開策を考える際にヒントにして頂ければと思います。

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WRITTEN BY向山浩司

シクロクロッサー、自転車店店長。高校から自転車競技を始め、就職を機に一度引退。その後、ロードレースに復帰し、Jプロツアーを転戦。クリテリウムを得意とするスピードマンでならす。現在はSNEL CYCLOCROSS TEAMに所属し国内外のシクロクロスレースを主戦場にする。ロードからMTBまでこなすマルチライダーとして、自身の経験を活かして東京・あきる野市で自転車店A-Pad SPORT CYCLE STOREを運営する。A-Pad SPORT CYCLE STORE 

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