流行のキックバイク
いま、幼児たちに人気のキックバイク。ランニングバイク、またはバランスバイクとも呼ばれる、ペダルや補助輪のない自転車である。足で地面を蹴って進み、止まるときも足を使う乗り物だ。2歳から5歳ほどの年齢にかけての幼児を対象に、一般自転車に乗るための練習、バランス感覚の育成、そしてレジャーを目的としている。消費者庁などの行政文書では「ペダルなし二輪遊具」と名付けられており、軽車両である自転車とは異なる幼児の乗用玩具のひとつとされている。
普及は2008〜9年頃から。それまで、幼児向けの乗り物は三輪車か補助輪付き自転車しかなかった。どちらも安定した乗車はできるが、左右に曲がるときに体重移動によるバランス感覚が養われない。一方、キックバイクは一般自転車と同じように、車体を傾けることで方向を変えることが可能。そうした動作を身体で憶えることで体幹が鍛えられ、自然とバランス感覚を向上させることができる。
また、三輪車や手押し乗用玩具は幼児の成長により、すぐにサイズが小さくなる。しかしキックバイクはサドルとハンドルの高さを調整することができるため、身丈に合わせた使用が可能だ。ブレーキは付いているタイプと付いてないタイプがある。後述するが、ブームの先駆けとなった「ストライダー」はブレーキなしの仕様だ。幼児の弱い握力では操作しづらいという理由によるが、ブレーキ採用車も多くなった。
前述した通りキックバイクは玩具扱いのため、公道を走るのは禁止されている。公園や広場など、その場所の使用条項を確認して乗るようにしよう。加えてヘルメット装備も重要だ。足で支えられるから転倒しないと考えず、安全面に関しては念を入れたい。必ず目の届く範囲で遊ばせ、何かコトが起きたらすぐ駆けつけるのを心がけよう。
それでは、編集部が厳選したキックバイクを紹介する。
ストライダー クラシックモデル
キックバイクの代名詞とも言える、ブームを呼んだ1台。発売当初から変わらないデザインはシンプルで軽量、エントリーモデルに最適だ。シートは軽いプラスティック素材を採用。汚れても直接水拭きでき、常に衛生に保つことができる。グリップエンドは衝撃吸収性が高く、大きなサイズの3層構造。転倒した際の衝撃を和らげ、手をしっかり守ってくれる。
スパーキー
後輪ブレーキとキックスタンドを装備する1台。タイヤは主流のEVA樹脂製ではなく、耐久性があるゴムタイヤを採用。弾力性に優れ、グリップ性能が高くて滑りにくい。またクッション入りシートにより、砂利や小石の多い公園や起伏のある広場でもお尻が痛くならない。クイックリリース・タイプのシートピンでサドル調整も簡単だ。
ALLEY RUNNER – EARLY RIDER
未来のアスリートを目指すキッズにはこれに乗せてみたい。他社では見ないドロップバーハンドルのロードバイクのようなキッズバイクだ。
一般のロードバイク顔負けのインテグレイトヘッドセット、カーボン製シートポストを採用しており軽量化に努めている一台だ。
へんしんバイク
前後輪にブレーキがついたキックバイクだが、付属のペダルシステムを取り付けると軽量スポーツバイクに変身。最初はキックバイクに慣れることでバランス感覚を養い、その後ペダル式にすることで、30分もあれば自立走行を会得できる可能性を秘めたアイデアに富んだ1台だ。3歳からの使用を推奨している。
ウッディバイク – 家具の里
シンプルでスタイリッシュなデザインの木製バイク。キックスタンド、裏表の向きを変えて取り付けできる泥除けを装備している。また、EUヨーロッパ安全規格基準に適合したCEマークを取得しており、幼児向け製品として安全性には最大限に留意して設計・制作されている。サドルは子供の成長に合わせ、高さを4段階に調節可能。
まとめ
以上、それぞれタイプの異なる5機種である。通販で買う場合は、組み立てが必要なこともあるので注意したい。組み立てはそれほど難しくはないが、安全性を考えると慎重に行なうことをおすすめする。
また、大人が乗る自転車同様、使用後のクリーニング、タイヤ&車軸のチェックなどメンテナンスも重要。保管場所も外ではなく室内を推奨する。
未来のライダー誕生のきっかけともなるキックバイク。子供の成長を自転車とともに見守ることができるのは幸せなことだ。