ツール・ド・フランス第18ステージ|天下分け目の闘い、イゾアール峠の頂上戦まとめ

戦い前夜。誰しもここまでチーム・サンウェブが健闘すると思ってなかっただろう

第18ステージはツール・ド・フランス2017で最後の山岳ステージ。なぜここが「天下分け目」と表現するほど大事なのか説明すると、第19ステージは長い移動ステージ、第20ステージのTT(タイムトライアル、決められたコースのタイムを誰が一番速いか競う)は現在総合1位のフルームが強く、第21ステージのパリ・シャンゼリゼでのスプリントは総合優勝よりも「最も華やかな場所で誰がスプリントで魅せるか」というスプリント勝負の場となっているからだ。

そんな大事なステージの前夜に浮かれていたのはチーム・サンウェブの二人。フルーム擁するチーム・スカイなどの大手チームに比べて資金難が取りざたされるチームが、ワレン・バルギル(フランス)が山岳賞の水玉ジャージを獲得。その上、キッテルに負け続けていたチームメイトのマイケル・マシューズ(オーストラリア)もスプリントで勝利しマイヨ・ヴェールを獲得。チームは大いに沸き立ったのだ。
この二人の浮かれっぷりが可愛すぎる・・・。

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▲ホテルで記念撮影するバルギルとマシューズ

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▲「あまりの嬉しさにマイヨ・ヴェールを着て寝たよ」とマシューズ。その証拠写真

そして戦いの火蓋は切られた

ブリアンソン(Briancon)からイゾアール(Izoard)の頂上ゴールまでの179.5kmで行われた第18ステージがスタート。総合優勝に絡む選手誰しもが「このステージでのタイム差が鍵となる」と思っていたに違いない。スタート直後から集団から54人の選手が飛び出した。

イゾアール峠頂上のゴール近辺ではなんと3000人ものファンやプレスが待ち構えていたとか。(C)Hiroko.T
イゾアール峠頂上のゴール近辺ではなんと3000人ものファンやプレスが待ち構えていたとか。(C)Hiroko.T

FRAMEのTwitterアンケートでは、日本のファンはこういうシーンを期待していた。

フルーム大人気
フルーム大人気

コンタドールの一発への期待度高し
コンタドールの一発への期待度高し

飛び出した54人はアタック合戦。1級コル・ド・ヴァールに入ると先頭グループからロメン・シカール(ディレクトエネルジー)とアレクセイ・ルツェンコ(アスタナ プロチーム)が抜け出し先行。ルツェンコが一級山岳ポイントをゲット。そのまま一人で超級イゾアール峠へ入るが、それを追走集団から抜けだしたダルウィン・アタプマ(UAEチームエミレーツ)とダニエル・ナバーロ(コフィディス、ソリュシオンクレディ)、トニー・ギャロパン(ロット・ソウダル)が抜け出し追いかける。

アタプマは残り6.3kmでルツェンコをとらえ先頭に。そのアタプマを追う追走集団はチーム・スカイが引く。

フルームを引き続けているミハウ・クフャトコフスキー(チーム・スカイ)が、その苦しさに思わずサングラスを投げ捨てる。


▲「サングラスを捨ててしまったのは、あまりに自分の限界を越えていたから」
ちなみにクフャトコフスキーはその献身的なフルームへのアシストで「世界最強のアシスト」と讃える人も多い。

残り6.2kmでアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)ワレン・バルギル(チームサンウェブ)がアタック、コンタドールは残念ながら追走集団に吸収された・・・この時点でバルギル先頭独走態勢に。

それを追う追走グループ。残り3kmのバナーをくぐると総合3位のロメン・バルデ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル)がアタック。フルームはこれに反応、総合2位につけるリゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック プロフェッショナル サイクリングチーム)も続く。続いてフルームがアタックすると大きく差が開いたが、下りでウランとバルデが追いつき、先行していたランダにも合流。

結局勝ったのは、また・・・!

息もつかさぬ展開だったが、結局山岳王のバルギルが独走のまま勝利。
これでバルギルは2勝、よほどうれしかったようで、こんな動画が自身のインスタグラムにアップされていた。今日は山岳賞ジャージを着て眠るのだろうか。

イゾアール峠で勝利、山岳賞、総合9位、まるで夢のようだ

総合一位のマイヨ・ジョーヌはフルームのまま、TTを迎える。

また大勝負の日が無事終わったーツール・ド・フランス ステージ18

リザルトは以下の通り。

【リザルト】
第18ステージ 179.5km
1 W.バルギル(フランス、サンウェブ)4h40’33”
2 D.アタプマ(コロンビア、UAEエミレーツ)+20″
3 R.バルデ(フランス、AG2R)
4 C.フルーム(イギリス、スカイ)
5 R.ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)+22″
6 M.ランダ(スペイン、スカイ)+32″
7 L.メインティス(南アフリカ、UAEエミレーツ)+37″
8 D.マーティン(アイルランド、クイックステップ)+39″
9 S.イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)+59″
10 A.コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)+1’09”

個人総合
1 C.フルーム(イギリス、スカイ)78h08’19”
2 R.バルデ(フランス、AG2R)+23″
3 R.ウラン(コロンビア、キャノンデール・ドラパック)+29″
4 M.ランダ(スペイン、スカイ)+1’36”
5 F.アル(イタリア、アスタナ)+1’55”
6 D.マーティン(アイルランド、クイックステップ)+2’56”
7 S.イェーツ(イギリス、オリカ・スコット)+4’46”
8 L.メインティス(南アフリカ、UAEエミレーツ)+6’52”
9 W.バルギル(フランス、サンウェブ)+8’22”
10 A.コンタドール(スペイン、トレック・セガフレード)+8’34”

ヤマショウ

WRITTEN BYヤマショウ

FRAME編集長 山祥ショウコ マガジンハウス『GINZA』を経て英国遊学から帰国後女性サイトの草分け「Cafeglobe.com」の立ち上げに参画。その後『Casa Brutus』『GQ Japan』「Variety Japan」など、雑誌やウェブのスタートアップ時の編集に携わる。自転車歴9年目。四国出身、湘南在住。

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