自転車初心者でもよく分かるチェーンオイルの注し方・選び方

みなさんこんにちは。スポーツバイク専門店店長の佐々木です。今回は初心者の方でもわかりやすいチェーンオイルの選び方についてまとめてみます。
スポーツタイプの自転車を購入して、まず最初に自分でやるメンテナンスとしては車体の清掃とチェーンへの注油ではないでしょうか。
「工具を使ってブレーキや変速を調整するのはハードル高いけど、オイルくらいなら出来るかな」
その「オイルくらい」がとっても大事!あなたの愛車を守り、快適な状態を保ってくれます。
「こだわればキリが無いけど、まずは簡単なチェーンオイルの選び方、使い方が知りたい」という方必見です。
目次
チェーンオイルの役割
そもそも、チェーンオイルってなぜ注さなくてはいけないんでしょうか。どんな役割があるんでしょう?

▲自転車は一部モデルを除き、ペダルを踏んだ力をチェーンを使って後輪に伝えることによって前に進んでいます。
そのチェーンは金属でできていますが、全くオイルが無い状態だとチェーンのプレートやリンク部分がお互いに削れあってすぐにチェーンがダメになってしまいます。いわゆる「チェーンが伸びる」という状態ですね。またオイルが無いとすぐに錆びてしまう事も。チェーン交換はそこそこお金もかかりますから、なるべく長く使いたいですよね!
チェーンプレート・リンクの隙間にオイルが満たされてるとサビと摩耗を防いでくれる事で長持ちしやすいですし、回転抵抗も少なく快適にライドを楽しめます。
*既に錆びてしまっているチェーンの場合、注油では解決せず交換が必要になる場合もあります。是非錆びる前に定期的な注油をしましょう。
という事でチェーンオイルの役割は、主に以下の二点です。
・サビや摩耗からチェーンを守ってくれる
・回転抵抗を減らしてスムーズで快適なライドを楽しめる
チェーンオイルの簡単な使い方
もちろん理想を言えばチェーン・変速機・スプロケ(後ろの歯車)・チェーンリング(前の歯車)の古いオイル、汚れを落としてから注油をした方ががチェーンオイル本来の性能が発揮されます。
ショップでは必ずそのようにしていますが、メンテナンス初心者の方がいきなりやるにはハードルが高い!
でも敬遠して注油を怠ってしまうとチェーンの状態がどんどん悪くなってしまう…
なので今回は最低限、チェーンオイルの注油に絞ってお伝えします。
チェーンオイルの注油法
チェーンオイルはチェーンの表面に塗っただけではほとんど意味がありません。チェーンのコマ部分とプレートの間に塗って下さい。その後余分なオイルは飛び散りや汚れの原因になったりしますので優しく拭き取るようにしてください。
チェーンオイルには大きく分けて、スプレータイプとリキッドタイプがあります。
スプレータイプは虫よけスプレーや制汗スプレーのような容器に入っています。リキッドタイプは大きな目薬のような容器に入っています。
どちらも挿す場所は変わらずチェーンのコマ部分、プレートの間に塗ってください。
スプレータイプの方が時間がかからず、比較的簡単に挿せますが、その反面多くつけすぎてしまったり、周りに飛び散ってしまう事も。注油時はチェーンの後ろに当て布をして、周りに飛び散らないようにしましょう。特にブレーキ面にオイルがついてしまうと大変、ブレーキが効かなくなってしまう事もあります。
リキッドタイプの場合も挿す場所は同じ。チェーン一コマずつ挿すので時間はかかりますが、適量を塗れますし、飛び散る心配も少ないです。それでも挿す時は当て布をして周りにオイルが着かないようにしましょう。
注意事項
くどいですが、チェーンオイルを挿す時はブレーキ面やタイヤなど他の箇所につかないように注意しましょう。ブレーキが効かなくなったり、他のパーツにダメージを与える可能性があります。
また、手荒れの原因になる可能性もありますのでゴム手袋などで手を保護して実施すると安心です。実際の使用方法や注意点は製品によって異なる場合がありますので、それぞれのメーカーページやショップで確認しましょう。
初心者でも使いやすいチェーンオイル3選
さて、ここでは比較的簡単に使えるチェーンオイルについて3つだけご紹介します。
他にも世に出回っているチェーンオイルはたくさんあります。色々と試してお気に入りを見つけてみてください。フッ素、テフロン、パラフィンなどの添加物が入っているオイルは塗り足すことによって悪影響が出るものもあります。購入の際、店舗でしっかりと確認してから購入することをお勧めします。
WAKO’S(ワコーズ) CHLチェーンルブ
こちらはスプレータイプのチェーンオイル。スプレーの量が調整しやすく、細く丈夫なノズルによって狙ったところに注油しやすいです。注油した後に何分置いてから拭き取るかによってオイルの質が変わります。なるべく少ない抵抗で乗りたければ塗った直後~5分程度で拭き取ってください。なるべく長持ちさせたい場合は10~20分程度おいてから拭き取るようにして下さい。
温度や湿度によって変わりますので、ご自分のベストタイミングを探してみては。
FINISHLINE(フィニッシュライン) 1ステップクリーナー&ルブリカント
FINISH LINE 1-Step Cleaner & Lube
こちらは洗浄と注油をこれ一本でまかなってくれる便利な製品。汚れを浮かせチェーンを保護してくれるという優れもの。こちらはスプレータイプとリキッドタイプから選べます。
ちなみに、初心者の方だとスプレータイプの方がが使いやすいようです。
PEDRO’S Chain j(ペドロス チェーンジェイ)
PEDRO’S(ペドロス) 自転車メンテナンス ケミカル チェーンJ
主原料はなたね油、自然に優しい生分解性オイル。リキッドタイプで一滴ずつチェーンのリンク部に挿していきます。スプレータイプよりは少し手間がかかるかもしれませんが、その分無駄なく使えます。汚れが固まりにくく、表面の汚れを拭いてから塗り足していけば比較的きれいな状態を保てます。
最後に
いかがでしたでしょうか?
「これなら私にも出来そう」「うーんやっぱり難しそう」
色々な感じ方があると思いますが、愛車をご自分でメンテナンス出来るようになってくると、より一層愛着が湧いてくるはずです。
是非一度トライしてみてください。

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WRITTEN BY佐々木亮
佐々木 亮(ささき りょう) Cycle Days代表 1984年生まれ。愛知県名古屋市出身 19歳でスポーツ自転車に関わる仕事に出会い、29歳の時に海外修行旅へ。主にアフリカのナミビア共和国にてバイクチャリティや青少年サイクリングチームの運営に携わり、帰国後2016年4月、半地下の駐車場を改装したガレージスペースにCycle Days をオープン。