ロードバイク初心者でもよく分かるチェーンオイルの注し方・選び方|中級編
date : 2017.09.13 update : 2017.09.13

はじめに

読者の皆さんこんにちは。スポーツバイク専門店店長の佐々木です。前回『チェーンオイルの選び方初級編』というテーマで記事を書きましたが、かなりシンプルにまとめましたので、より深く知りたい方には物足りない内容だったのではないかと思います。今回はもう少し掘り下げて、チェーンオイルの種類と特徴、性能を引き出す使い方やおススメ商品についてまとめていきます。

チェーンオイルの種類

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チェーンオイルと言ってもたくさんの種類があります。ここでチェーンオイルにはどんなものがあるか見ていきましょう

スプレータイプかリキッドタイプか


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WAKO’S CHL チェーンルブ

スプレータイプは制汗剤や虫よけスプレーのような容器に入っていて、ボタンを押せば勢いよく「シューッ」とチェーンオイルが出てきます。スプレーで一気に挿せるので簡単のがメリット。デメリットは飛び散りやすかったり、使いすぎてしまう事がある事。また同じ性能同じ分量で比べるとリキッドタイプより割高かもしれません。


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PEDROS CHAIN-J

比べてリキッドタイプはプラスチックボトルに入っていて形は大きな目薬のよう。慣れるまでは時間がかかって少し面倒に感じるかもしれませんが、チェーンのコマやリンク部など狙ったところに適量挿せるのがメリット。日々のメンテナンスにはスプレータイプ。レースやイベント、ロングライド前にはリキッドタイプなんていう使い分けをされている方もいらっしゃいます。

ドライタイプかウェットタイプか


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FINISH LINE Dry Bike Lubricant

ドライタイプとはその名の通り注油した後に乾いてくれるタイプ。表面にはテフロンなどの添加剤が残ります。ウェットタイプに比べると抵抗が少ないものが多く、表面が乾燥しているので汚れにくく油がまわりに飛び散る事も少ないのがメリットです。デメリットとしてはウェットタイプに比べると長持ちせず、また雨天走行するとすぐにオイルが切れてしまうものも。塗り足しを続けると蓄積された添加剤のせいで汚れが固まってしまう事もあるので注意が必要です。


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FINISH LINE Wet Bike Lubricant

ウェットタイプはこれもその名の通り、注油した後オイルが残りしっとりと濡れた状態を保つタイプです。以前はウェットタイプといえば「粘度が高くて耐久性が高い、その代わりに抵抗が大きい」というイメージがあったのですが、現在は様々な商品があり一概に区分できません。同メーカーで同グレードで「ドライ」「ウェット」と分けられている物に関して言えば、ウェットタイプは耐久性があり雨や潮風に強いものが多いです。その分汚れやすかったり抵抗が大きかったりします。

なので「雨の日は乗らないし屋内保管」「可能な限り汚したくない」という方はドライタイプを
「雨の日も関係なくガンガン乗る」「距離を乗るので長持ちするオイルを」という方はウェットタイプ
が向いているでしょう。
ただ上述したように、ウェットタイプの中でもとても抵抗が少ないもの、晴天での使用を前提としたものもありますので、詳しくはそれぞれの商品の説明を良く読んで下さい。「セミウェット」「ハーフウェット」なんていう物もありますからね。そのあたりは次項でお伝えします。

サラサラ系かドロドロ系か

前項では、一口にウェットタイプと言っても様々な種類がある事をお伝えしました。、サラサラした軽めのオイルであれば抵抗が少なく、ドロドロした重めのオイルであれば耐久性の高さを狙っているものが多いです。ただ本当に一概には言えません。


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こちらのワコーズ チェーンルブリキッドで言いますと、『スピード』(左側)がサラサラ系で、『パワー』(右側)がドロドロ系です。『スピード』の方が抵抗が少なく回転も軽やかで、ヒルクライムレースなどに好まれます。淡々と回すのには向いていますが、クリテリウムレースなどで「ガツンッ」と踏む場合『パワー』の方が油膜が効いていて「踏み心地が良い」と感じる方も。登りでも『パワー』を好んで使われる方もいらっしゃいます。
ちなみにこの二種類は混ぜて使うことも出来ますので、最初に『スピード』そして上から『パワー』を塗るという方も。本当に奥が深いですね…

ちなみに「低抵抗ならドライタイプ!」というイメージを持った方もいらっしゃるかもしれませんが、メーカーによって考え方は様々。テフロンなどの添加剤で性能を出すか、油膜で性能を出すかそれぞれのこだわりと考え方があります。ドライ、ウェットだけで判断をするのではなくて、どんな人に向けてどんな性能を狙った物なのかを確認してから購入することが大切です。

その他にもこんな種類が

一言でドライかウェット、またサラサラかドロドロか切り分けられない特殊な商品も。


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Vipro’s Blue-no
「ドライでもウェットでもない ”サスペンド系” という新ジャンル!!」という事で、汚れにくいのに長持ちするというのがうたい文句。

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こちらはワコーズのチェーンルブリキッドエクストリーム。パラフィン(ロウ)の成分を添加剤とする商品でエクストリームという名の通り、雨天、泥コンディションでも油きれを起こさないという物!実際にMTB、シクロクロスのレースで大好評だとか。洗浄と注油が少し面倒ですが、それさえ乗り越えればどんなコンディションでも快適に、そして綺麗な状態を保つことが出来ます。

チェーンオイルの使い方

それでは、チェーンオイルの様々な使い方をご説明しましょう。
まずは大前提として、出来るだけチェーンの汚れをしっかり落としからチェーンオイルを挿してください。汚れが残ったまま注油してしまうとせっかくのチェーンオイルの性能が発揮されないのはもちろん、チェーン内部の砂や鉄粉がチェーンプレートを攻撃して摩耗を早めてしまうのです。また注油の際は良く振ってから。スプレータイプ、リキッドタイプ問わずしっかりと良く振ってから使わないと潤滑成分が乗らず、効果が出ないことがあります。(商品の説明書を良くお読みください)

ちなみに、どこに注油するかというとチェーンのコマ部分、そしてプレートの間です。

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チェーンプレート表面は余分なオイルを拭き取る時に馴染ませる程度で大丈夫です。

注油の際に気を付けて頂きたいのが、オイルがブレーキ面などについてしまうとブレーキが効かなくなり大変危険です。またタイヤ等に付着するとスリップの原因になる事もありますので、注油の際は他の箇所に飛ばないように当て布をする等、注意して実施しましょう。

理想は、完全に油分や汚れを取り除いてクリーン&ドライな状態にしてから注油すること。驚くほどペダリングが軽くなり、変速もスムーズになります。高いパーツに交換するよりもよっぽど効果が高いとも言われてます。

・理想はチェーンやスプロケ、チェーンリングの汚れを完全に落としてから
・チェーンオイルは良く振って使いましょう
・チェーンのコマ、プレートの間にしっかり注油
・ブレーキ面やタイヤなどにつかないように注意!!

ただ一軒屋か集合住宅か、水が使えるかどうか、どれくらいメンテナンスに時間をかけられるかなど、それぞれ異なると思いますのでレベル1からレベル4までご紹介します。レベルが低いものほど頻繁に実施する必要があります。是非それぞれ自分に合った方法を見つけてトライしてみてください。

レベル1:2in1タイプで簡単に


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FINISH LINE 1-Step Cleaner & Lubricant

「大前提としてチェーンの汚れを落としてから注油してください」とお伝えしたばかりですが、「面倒くさい」「ワンステップで終わらせたい!」という方はまずはこの方法から試してみてください。

チェーンオイルの中には1ステップで洗浄と潤滑両方の性能を持った商品があります。チェーンにシューっと注油すると、古いオイルや汚れが浮いてきて、拭き取れば綺麗になってクリーニングと注油が1ステップで完了というもの。汚れの度合いによっては効果が得られない場合もあります。

デメリットとしては、チェーン内部に溜まった汚れが落ち切らないので、残った砂や鉄粉がチェーンの摩耗を早めてしまう可能性があります。また通常のチェーンオイルと比べると耐久性が無かったり、飛び散りやすい場合もあります。

ワンステップで使えるオイルでない場合、テフロンやパラフィンなどの添加剤が入っている商品ですと、オイルの塗り足しによって固まってしまい逆に抵抗が増えてしまう事もありますので注意が必要です。
要するに「洗浄・潤滑1ステップでいけますよ」というもの以外は使わないのがベターです。

*繰り返しになりますが、一部チェーンオイルだけがこの使い方が出来ますので、お間違えの無いように!*

レベル2:パーツクリーナーで汚れを吹き飛ばす!


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Vipro’s チェーン&パーツクリーナー CPC 840ml

汚れ落としで、初心者の方でも実施しやすいのがパーツクリーナーでの洗浄。チェーンなど汚れている箇所に吹きかけて拭き取れば洗浄完了!というもの。レベル3、レベル4の洗浄効果とは雲泥の差ですが、大まかな汚れはこれで落ちますので、その後チェーンオイルを挿せばOK!
レベル3のディグリーザーでの洗浄は、汚れは良く落ちるのですが、その後ディグリーザー成分をしっかりと洗い流さなければいけない為手間がかかります。その点こちらはパーツクリーナーとチェーンオイルの2ステップで終了!
ちなみにパーツクリーナーは揮発性がありますので屋外で実施するか、しっかり換気をしながら実施してください。また塗装面やタイヤ、樹脂パーツを傷めてしまう場合がありますので、しっかりと当て布をしながら作業をするようにして下さい。
パーツクリーナーによって速乾性・遅乾性、またしっかりと乾燥するかどうか違いがあります。パーツクリーナー成分が残ったまま注油しても効果が得られませんので、しっかりと確認して購入、使用するようにしましょう。画像のVipro’s チェーン&パーツクリーナー CPC 840ml はじっくり浸透する遅乾性にもかかわらずしっかりと乾燥してくれるのでおススメです。

レベル3:ディグリーザーでしっかり洗浄


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FINISH LINE EcoTech Bike Chain Degreaser

パーツクリーナーもディグリーザーも汚れを落とすための物。違いは「乾きやすさ」です。パーツクリーナーに比べディグリーザーは乾きにくくチェーン内部に留まって汚れを溶かしてくれるので、しっかりと洗浄したい方におススメ。スプレータイプか液体タイプか選べるものもあります。
注意点は、塗布したディグリーザーがチェーン表面、内部に残っているとその後せっかくチェーンオイルを挿しても定着しません。

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ワコーズ(WAKOS) フォーミングマルチクリーナー 380ml

専用の洗剤で洗浄するのがベストですが
あるいは水洗いやしっかり濡らしたウェスで拭き取るなどしっかりとディグリーザーを落として下さい。
またその後注油をする際、水置換性のオイル以外は水気もしっかりと飛ばしてから注油して下さい。

レベル4:プロレベルの状態に!チェーンクリーニングマシンを使おう


画像出典:http://blog.worldcycle.co.jp/wp-content/uploads/2014/07/pedlos04.jpg

是非トライして頂きたいのが、チェーンマシンでの洗浄。
専用のキットにディグリーザーを入れてクランクを回すと、ディグリーザーとブラシの効果で奥に溜まった汚れもすみずみまで掻き出してくれるというもの!
ディグリーザーでしっかり汚れを落としたら、その後チェーンマシンに水を入れて回せばしっかり「すすぎ」も出来てしまいます。これで水けを切って注油したら完璧!

ちなみに使用するディグリーザーは何でも良いわけではなく、使用する物によってはチェーンマシンの回転や水との反応で乳化して固まってしまう事もあります。商品説明を良く読むか、「チェーンマシンで使えるディグリーザー」と指定してお買い求めください。

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汚れたチェーンも

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しっかりとキレイになります。

最後に

前回の初級編に比べ、情報量を増やしてお届けした中級編、いかがでしたでしょうか?
メンテナンスはまだまだ奥が深くお伝えしきれていない物もありますが、何か参考になれば幸いです。
ちなみに今回お伝えしたチェーンオイルの使い方等は製品によって大きく異なる場合もありますので、実際に使用される製品の取扱説明書をよく読んでから実施してください。もし不安なところがあればショップで聞けば教えてくれるはずです!)


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Written by 佐々木亮

佐々木 亮(ささき りょう) Cycle Days代表 1984年生まれ。愛知県名古屋市出身 19歳でスポーツ自転車に関わる仕事に出会い、29歳の時に海外修行旅へ。主にアフリカのナミビア共和国にてバイクチャリティや青少年サイクリングチームの運営に携わり、帰国後2016年4月、半地下の駐車場を改装したガレージスペースにCycle Days をオープン。