サラリーマンローディーのJPTレース参戦奮闘記~海外レースに初挑戦!レース当日までの準備をご紹介します~

こんにちは!サラリーマンローディーの栗栖です。8月末に自身初の海外レースであるUCIグランフォンドワールドチャンピオンシップに出場しました!しかし、海外レースとなると、通常の海外旅行とは荷物の性質が異なるので分からないことばかりの旅路でした。そこで、今後の参考となるよう、海外でのレース当日までにどのような準備や移動などをしたかをご紹介いたします。

旅程のプランニング

まず、旅程のプランニングです。そのやり方として大まかに以下の3つがあります。

  1. 公式ツアー(飛行機・ホテル・現地の移動まで全てお任せ)
  2. パックツアー(飛行機・ホテルなどがセット)
  3. 全て個人で予約

今回は旅費を可能な限り抑えるため、3.全て個人で予約しました。飛行機予約はトラベルコが使いやすくて安いのでおススメです。ホテル予約はHotels.comがおススメです(どのホテル予約サイトも大体同じ価格です)。鉄道予約はフランス国鉄公式サイト『Voyages-SNCF』が最も安いと思います。また、列車に自転車が積載できるかどうかも表示されますので大変便利です。なお、飛行機や鉄道は、基本的に日本語サイトよりも公式の言語のサイトのほうが安いので要チェックです。

結果、以下のような旅程となりました!ご参考まで。

8/23(水)21:25成田空港発(ドーハ経由:カタール航空)
8/24(木)13:35シャルル・ド・ゴール着、22:12パリ-オルステルリッツ駅発(夜行列車)
8/25(金)6:30トゥールーズ着(在来線乗換え)、8:25アルビ着、試走(アルビ泊)
8/26(土)フリー(受付等)(アルビ泊)
8/27(日)8:30レーススタート、20:53アルビ駅発(夜行列車)
8/28(月)6:52パリ-オステルリッツ駅着、16:00シャルル・ド・ゴール発(ドーハ経由:カタール航空)
8/29(火)19:05成田着

できるだけ安くかつ仕事に支障が無いようにするため、強行日程となりました笑。
ちなみに今回は一人旅です。
飛行機は個人的に安くて信頼できるカタール航空を選びました。3週間前予約で往復12万円弱でした。パリからアルビまでの鉄道(夜行列車含み)は片道1万円ほどでした。

準備したもの

今回準備したものをご紹介いたします。

その1.バッグ

通常スーツケースを利用するのですが、今回は常に自転車を肩に担ぐ必要があるため、両手を自由にできるリュックを購入しました。購入したリュックは『グレゴリーのコンパス40』です。価格は18,000円程度。選んだ決め手は、大容量(40L)で飛行機の機内に持ち込めるサイズであること、軽量(960g)であることでした。

その2.輪行袋

用意した輪行袋はオーストリッチの『OS500』です。前後輪とペダルを外すだけで格納できてとても便利でした。内側に小物を収納できるポケットがあることもポイントが高く、そこには液体物など機内持ち込みができないものを入れることができます。クッション性も良いのですが、念のため100円均一で購入した大判の緩衝材を8つ使用して耐衝撃性を高めました。結果、なんの問題も無く海外での輪行をクリアしました。

▲今回の荷物、グレゴリー『コンパス40』とオーストリッチ『OS500』です。

その3.現地に持っていく荷物

現地に持っていく荷物は必要最小限としました。ここではそのリストと、結果的に重要だと感じたもの、不要だったものをご紹介いたします。

●自転車関係(赤:必須緑:重要青:不要

・JCFライセンス ・医師の診断書 ・グローブ
・ウェア ・ヘルメット ・サングラス
・靴下、シューズ ・ボトル(2本) ・ボトル(予備)
・結束バンド ・安全ピン ・補給食
・日焼け止め ・ペダルレンチ ・ペンチ
・六角レンチ ・サイクルコンピュータ ・自転車のカギ

●旅行全般(赤:必須緑:重要青:不要

・パスポート ・航空券、鉄道チケット ・現金、クレカ(保険も代用)
・電源変換プラグ ・スマホ ・デジカメ
・カメラ充電器 ・スマホ充電器 ・SDカード
・メガネ ・小さめのカバン(ボディバッグ等) ・ビニール袋
・雨具 ・速乾タオル ・ボールペン、油性マジック
・ハサミ ・南京錠 ・首マクラ
・使いきり洗剤 ・ガムテープ ・首下げトラベルウォレット
・100円腕時計 ・モバイルバッテリー ・着替え(2セットくらい)
・ハンカチ ・ウェットティッシュ ・マスク

自転車関係の荷物では、予備のボトルが不要でした。ちなみに医師の診断書は、フランスが大会参加にあたり義務化しているものです。

旅行全般の荷物では、必須なもの以外で今回重要だと感じたものは、ボディバック等の小さめのカバン、首下げトラベルウォレット、100円腕時計でした。小さめのカバンにはすぐに取り出したいものを入れることで動きやすく、散歩のときなどにも重宝します。首下げトラベルウォレットはスリなどが不安な人におススメです。100円腕時計は壊れても平気なので手荒く扱えて気が楽でした。

荷物の重量はリュックが10kg、輪行袋が14kg程度で、飛行機での追加両金等はありませんでした。

なお、海外でのネット接続はauの『世界データ定額』を利用しました。これは、1日980円で海外の3Gや4Gを利用できるというものです。海外で利用した通信量は、国内で契約している通信容量から差し引かれるだけですので、モバイルWi-fiなどよりも安くて快適でした。

現地までの移動(飛行機や鉄道での輪行など)

つづいて、実際の移動の様子をご紹介します。飛行機、鉄道とも輪行に関して特別な予約などは不要でした(ただし、輪行袋に入れない場合の鉄道輪行は予約が必要な場合があります)。

その1.成田空港~シャルル・ド・ゴール空港の移動

成田空港には飛行機出発の1時間半前に到着しました。さっそくチェックインを・・・と思ったらすごい行列。30分以上かかりました。自転車は手荷物として預けたのですが、大型用のチェック機に通されました。

▲チェックインの行列

▲大型荷物検査の様子

その2.シャルル・ド・ゴール空港~パリの移動

シャルル・ド・ゴール空港に着いたらまず入国審査があるのですが、激混みです。今回は1時間近くかかりました。その後手荷物を受け取ります。自転車はコンベアではなく大きなコンテナに積まれて出てきます。

▲入国審査の行列(左)と手荷物受け取りの様子(右)

ちなみに今回到着したのはターミナル1でしたが、利用する航空会社によってターミナルが異なるので要注意です。また、空港からパリまでは鉄道RERを使いましたが、これはターミナル1から出発していません。まずはCDGV(シャルル・ド・ゴール・バル)なるモノレールに乗り、Aeroport CDG1駅もしくはAeroport CDG2-TGV駅での乗換えが必要です。結局、飛行機が着陸して空港を出発するまでに2時間を要しました。このあたり、余裕を持ったスケジューリングが必要だと思います。

ここでちょっと寄り道。パリ発の電車まで時間に時間が結構あったので、空港ターミナル2の手荷物一時預かり所にてリュックと自転車を預け(3時間で合計14€)、ベリブでパリを満喫しました。

▲手荷物一時預かり所のマーク
▲手荷物一時預かり所のマーク

▲パリのベリブ

その3.パリ~アルビの移動

再び空港を往復し、パリのオステルリッツ駅からトゥールーズ駅までは夜行列車(INTERCITES DE NUIT)を利用しました。なお、列車にはシャワーが無かったため、事前にオステルリッツ駅でシャワーを利用しました。料金は9€。シャンプーとペーパー生地のタオルが備え付けられており、ドライヤーもありました。最近整備されたのか綺麗でした。

▲オステルリッツ駅のシャワーサービス
▲オステルリッツ駅のシャワーサービス
▲オステルリッツ駅のシャワーサービス
▲オステルリッツ駅のシャワーサービス

夜行列車は搭乗前に有人のチェックがありましたが、チケットを見せるだけでした。自転車置き場がある車両をスタッフに尋ねると快く教えてくれました。「自転車はちゃんとロックしてね」と言われました。今回利用したのは一等寝台。広くて快適でした。ただ、カーテンが無いので気になる人は気になるかも・・。列車内の通路は60cm弱と狭いので、幅広の荷物は要注意です。

▲夜行列車

▲一等寝台(横80、縦195、高さ92、床からの高さ30cm)

▲自転車置き場には車両に自転車マーク

▲夜間はしっかりロックが必要

翌朝、トゥールーズ駅にて夜行列車から通常の列車に乗り換えてアルビまで移動しました。こちらの列車にも自転車置き場があり、とても快適でした。

▲トゥ-ルーズ~アルビの列車の様子

▲トゥ-ルーズ~アルビの列車の様子

アルビに到着したのは日本を出発して3日目でした。アルビは2010年に世界遺産登録されており、サント・セシル大聖堂をはじめとした美しい赤レンガの建造物が特徴の小さな街です。ここで取ったホテルは、部屋が広く快適で、自転車をそのまま持ち込むことができたこともGOODでした。食事に関しては、なんと言ってもこの地方の名物である鴨を使った『カスレ(鴨・豆・ソーセージの煮込み)』がおススメです!

▲アルビの町並み

▲聖堂というよりも要塞に近い雰囲気のサント・セシル大聖堂

▲アルビのホテル『インターホテル ル・カントゥポー』
▲アルビのホテル『インターホテル ル・カントゥポー』
▲アルビのホテル『インターホテル ル・カントゥポー』
▲アルビのホテル『インターホテル ル・カントゥポー』

▲フランス南西部の名物『カスレ』

▲オムレツプレート

コースの試走

コースの試走はチームメイトである阿島さんのレンタカーに同乗させていただき、155kmのロードレースコースすべてを一通り走ることができました(阿島さん、ありがとうございます!)。

【ここにコースプロフィール(ルートラボ) URL:https://yahoo.jp/u4FTRC】

▲チームメイトの阿島さんと一緒に試走を行いました
▲チームメイトの阿島さんと一緒に試走を行いました

▲各国の代表選手が続々と試走を行う(フランスは並走OKで、ドライバもそれが当たり前という認識)

▲各国の代表選手が続々と試走を行う(フランスは並走OKで、ドライバもそれが当たり前という認識)
▲各国の代表選手が続々と試走を行う(フランスは並走OKで、ドライバもそれが当たり前という認識)

そしてレース当日へ・・・

帰りは往路と同様に夜行列車の予定でしたが、レース後の体調不良により、トゥールーズ空港からシャルル・ド・ゴール空港までトランジットすることにしました。ここでも阿島さんに助けて頂きました。ありがとうございました。

全体を通じて、輪行袋を抱えての移動は若干不安ではありましたが、フランスは自転車に対する理解や交通システムが発達しており、国内よりも断然楽に行うことができました

以上、初の海外レースについて、レース当日までの裏側をご紹介いたしました。同じように海外レースに挑戦する方などの参考になれば幸いです。

自転車提供:JP SPORTS GROUP
Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BY栗栖 嵩

リドレーアンバサダー。昭和63年生まれ。広島県の山間地で生まれ育ち、地元高校を卒業後、北の大地北海道の北見工業大学に進学。サイクリング部に誘われたのが『ロードバイク』との出会いのきっかけ。

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