ロードバイクで讃岐うどん巡り2日目|香川の絶品グルメを食べつくせ!
香川県出身きこのロードバイクでうどん屋を巡る「ツールド讃岐うどん」2日目。この日は徳島の県境近くまで行く山間ルートです。
今日も暑くなりそうだな〜ということで、実家の庭で水浴びをしてから出発。
1日目のうどん巡りはこちら。
目次
1件目:朝うどん「宮川製麺所」
このうどん屋は、私の同級生のご両親がやっているお店。小さい頃から「お正月の年越しうどん」「法事」「葬式」「学校の運動会」で振舞われるうどんと言えば宮川のうどんでした。
※香川では冠婚葬祭、催事、なんでもうどんが振舞われるのです。
いりこ出汁の香りに包まれた空間。あ〜これこれ。「香川のうどん屋」でしか味わえない独特の香り。
これぞ、製麺所らしい製麺所の佇まい。人気になると設備が今風になっていくうどん屋が多い中、宮川は昔とまったく変わりません。
懐かしい…。ああ、これこそが「製麺所タイプ」のうどん屋だよなぁ。
注文の仕方
宮川は完全セルフなので、うどんの準備はほとんど自分でやります。
1、どんぶりを取り、セイロにある麺を食べたい分だけとります。
2、熱いうどんは、セイロの隣にある釜でうどんを温めます。ざるに入れて湯につけてザッザッとお湯切り。これを数回繰り返します。
3、出汁の釜からダシをすくい上げてうどんにかけます。
このダシの釜の底には大量のいりこが沈んでいるので、いりこも食べたいなら底からすくいあげてみてください。
このいりこ出汁が超〜絶品です。この輝く黄金の出汁の芸術的なまでの美しさといったらもう。
4、好みにあわせてトッピングを。
といいたいところですが、女将さんがいたら「まずは何ものせずに食べてみて」と案内されるかもしれません。
まずは出汁とシンプルなうどんを味わい、ネギや薬味、天ぷらを追加しながら味の変化を楽しむ。それが宮川流のうどんの食べ方なのです。
5、お会計は食べ終わった後に自己申告で。
うん、やっぱりここの出汁ほどいりこの風味が効いているものはない。塩気のバランスも良く、口の中で小麦の弾力とほどよく混ざり合う。
2,3分で完食。もう1杯いきたいところだけれども、まだ先は長いので我慢。
うどんも出汁も買って帰れます。持ち帰りなら一玉80円。
お店で食べると、小160円。トッピングと合わせて今日は260円。うん、このクオリティでこの値段。申し分なし!
うどん屋タイプ:製麺所
2件目は丸亀に移動。この辺りはぽこぽこと小さい山がたくさんあります。
2件目:補給「なかむら」
2件目は土器川沿いにある「なかむら」。超人気店のため、開店直後にいくのがおすすめ。
かつては、ねぎの畑があり、お客さんが自分で食べる分のねぎを直接採って自分できざんでうどんにかけたりしていました。今は畑は駐車場に。
うどんの母屋は昔とほとんど変わらず。
釜あげされるうどんを間近で見て、テンションがあがります。かけも美味しいんだけど、朝はやっぱりタンパク質が欲しいよね。ということで釜玉うどんにしました。
注文の仕方
1、うどんの母屋でメニューから食べたいうどんを伝えます。
2、今回は釜玉だったので、茹であがるまで食堂で待ちます。かけでうどん玉があれば、その場でうどんを受け取れると思います。
3、トッピング、薬味、出汁などを好みで加えていただきます。
4、食べ終わったらお会計。
10分ほどして、卵がかかったほっかほかのうどんがやってきました。うどんって、なんでこんなにフォトジェニックなんでしょう。
そして、「なかむら」といえば細くて柔らかめの麺。柔らかいけど、ちゃんと芯にはコシがある。弾力があって喉越しが良い。この食感がとことんクセになるのです。釜玉うどん、260円。
釜玉うどんってなんだ?という人のために説明すると、釜揚げしたあっつあつのうどんに、卵と醤油を、からめて半熟卵状態にして食べる、卵かけうどんのこと。ネギやだしが飛び散ろうが気にせず熱々のうどんをワーっ!とまぜるんだ。卵のダマができるくらいが美味い!#きこの自転車うどん紀行 pic.twitter.com/zTg8x2GFEq
— FRAME-フレイム (@frame_bike) August 24, 2017
食堂もきれいで良いですが、春夏や秋であれば、外のベンチに腰掛けて食べるのもなかなかの風情。混んでいる時間は、座らずに立って食べる人も。
うどん屋タイプ:セルフ
歩道と車道の広さが変わらない…!?
向かうは徳島県境方面、まんのう町。景色が山っぽくなってきました。
車も少なくて快適〜なのも良いのですが、歩道広すぎじゃないですか?車道の1車線と変わらない広さ。むしろ歩道の方が広いのでは…?
そして歩行者は皆無です。この辺りは車生活が基本ですが、こんな良い道を自転車では知らないのはもったいない。
午後が近づき、気温も高くなってきました。さすがに山間は涼しいのですが、ちょっと休憩したい。
と、休憩にちょうど良さそうなキャンプ場を発見。ここで体を冷やすことにしましょう。
「わーい水だ〜水!かぶるぞー」
「バシャァ!」
帽子に水をためて頭からかぶり、手足にも水を染み込ませてクールダウン。これで走ると気化熱でめちゃくちゃ涼しいんですよね。
走り始めてしばらくすると、ちょっと自分が生臭い気もしました。そこまで上流の水でもなかったし仕方ない。
3件目:お昼ごはん「谷川米穀店」
目指すは、その名のとおり谷川にあるうどん屋「谷川米穀店」です。
ここはうどん屋ではなく、本来は「米穀店」。うどんを提供している時間は10時半〜13時半(麺が終わり次第終了)と極端に短く、臨時休業ということも。
「行ったけど閉まっていた!」「もう終わっていた」なんてことも多々あります。その分「次こそは」という気持ちになるレア度の高いお店なのです。
「よかった。今日は空いていた!」
小さい店内の奥では、大将がうどんを「トントントン」と丁寧に包丁で切っている姿が。その所作が美しく写真におさめたいところですが、台所内は撮影禁止。
うどんを仕込んでいる姿を見られるお店も少なくなってきているので、そういう意味でもここはレアです。
注文の仕方
1、カウンター越しに「うどんの玉数」と「あつい」「冷たい」どちらかを伝えます。うどんが入ったどんぶりを渡されます。
2、あとは席で。出汁はありません。テーブルにある「酢」と「醤油」で基本的な味付けを好みでどうぞ。
3、食べ終わったらお会計。
卵が欲しくなり、店員さんに「卵ちょうだい」と言います。
店員さん「ほな、どんぶりよこして」
どんぶりを渡すと、ぷっくり新鮮な黄身の卵を入れてくれました。
ここの名物「青唐辛子の佃煮」を少量いれて、味のアクセントに。酢と醤油をひとかけ。そしてウワー!っとかきまぜとツルツルといただきます。
素材がそれぞれ引き立つシンプルな味。うどんの麺そのものの美味しさを味わえるのが谷川の魅力です。
出汁の美味しさと一緒に味わうならあついうどんがおすすめですが、のどごし、食感を楽しむなら冷たいうどんに限ります。うん、とにかく麺がうまい!
太くて光沢のある艶やかなうどん。みずみずしく、立体的に折り重なるうどん!個人的には、夏の冷たいうどんはここがベストです。
谷川までの道は斜度1〜4%くらいの緩やかな坂で、初心者にとても優しい道でした。これなら坂が嫌いな人でも「騙された」など言わないはず。
うどん屋タイプ:セルフ
うどん屋は食べ終わったらすぐに出よう!
香川のうどん屋は基本的に「うどんを食べるところ」であって、ゆっくりする場所ではありません。
たまに混雑したうどん屋で観光客が食べ終わった後に談笑しているのを見かけますが、本当は食べ終わったらさっさと出るのが正解。
コンビニの中に、瓢箪で作られた五重塔が。おお、そうだ。五重塔といえば善通寺。帰りに善通寺に立ち寄ろう。
日本最大のため池「満濃池」で予想外のヒルクライム
せっかくまんのう町まで来たことだし観光スポット「満濃池」も立ち寄っていくか。と寄り道をすることにしたのですが…。
まさかの10%越えの坂が出現。
「今日のヒルクライム余裕だったわ(笑)」と油断してた私の心にヒビが…。
本当のヒルクライムはここにあった。
しかも間違って有料道路側に入ってしまったので、この10%坂が現れた時は「なぜお金を払ってまで坂を登らなければ…?」といういたたまれない気持ちになってしまいました。
坂大好きヒルクラモンスターなら、まんのう町付近はヒルクラスポットもいくつかあるので楽しめるかもしれません。
香川の水不足を解消するために空海(弘法大師)が改修した全長20kmほどの巨大なため池です。大きさはもちろん日本一。
この地域で生まれた人は「空海が杖をついたら水が湧いた」「空海が龍を助けて従えた」などの伝承を小さいころから聞かされて育ちました。
お遍路さんでにぎわう「総本山 善通寺」へ
善通寺で本物の五重塔撮影。
善通寺は、空海(弘法大師)の生まれた里。四国八十八ケ所霊場七十五番でもあります。要はお遍路さんで75番目に回るお寺ということですね。
一年中お遍路さんで賑わいます。お遍路文化の町なので、旅人には優しいのです。
こんなへんてこな格好の私にも優しいかつ、自転車旅の人にも慣れているので
「写真とったろか?」
「どこから来たんや?」
「わしもこういう自転車欲しくてのう、かっこええのう、触っていい?」
とたくさん声をかけられます。
うちわを補充しにきたおじさまに「持っていくか?」と聞かれます。本日も気温36℃。自転車でなければ持っていきたかったんですけどね。
讃岐弁アクセント講座!むずかしすぎる。ほとんどわからないぞ!
熊岡菓子店の堅パンはお土産におすすめ
参道を抜けて「歯が折れそうなくらい硬い」ので有名な、熊岡菓子店の堅パンに到着。
ここも超人気店のため、午前中で売り切れてしまうことが多いのですが、今日はまだ残っていました。ラッキー。
小丸パン、石パン(本当に石のごとく硬い)が残っていたので、100gずつ購入。
「かった〜」
と顎を抑えながら口の中を唾液いっぱいにして食べます。食べた瞬間は「硬すぎてもういいわ」と思うのに「やっぱりあと1つ」「もう1つ」と、つい次々とつまんでしまうんですよね。
「宿坊」では宿泊も可能
なお、善通寺にも宿坊と呼ばれる宿がありますので、宿に困ったらここに泊まるのもよいかもしれません。
善通寺宿坊:いろは会館
善通寺だけでなく、参拝客のための宿を「宿坊」といい、四国にはあちらこちらにあります。僧侶や参拝客しか泊まれない箇所もありますが、最近では観光客用に解放している施設もあるようです。四国旅行の際には利用を検討してみてもよいかもですね。
2日目のうどん屋巡りは以上ですが、この日以降も訪れた善通寺近辺の釜あげうどんが美味しいお店も紹介しましょう。
釜あげ編1:長田in香の香
休日は観光バスがずらっと並ぶ善通寺の超人気店。「釜あげといえばここ」という人も多いです(同感)。
注文の仕方
1、カウンターでメニューを決めて注文します。おにぎりやバラ寿司など食べたいものがあればこの時に取りましょう。
2、お会計。
3、番号札を渡されるので、テーブルで待ちます。
4、つけ出汁の入ったとっくりが運ばれてくるので、出汁入れのカップをとりつぎます。熱いので注意。
5、うどんが出来たら番号を呼ばれるるので、うどんを受け取っていただきます!
つるつるでしこしこの麺。釜あげ仕立てでもコシは十分です。ここはつけ出汁が逸品。いりこ、かつおなど海の幸がぎゅっと濃縮された旨味と、醤油の香ばしい香り!
出汁に浸しては食べ、浸しては食べ…。次に口に運ぶのが待ち遠しい。1玉分が一瞬でなくなってしまいました。う〜ん、釜あげうどんの口福感は半端ない。
ここは比較的営業時間が長いので、旅の後半に訪れても良いかもしれません。
うどん屋タイプ:一般
釜あげ編2:ジャンボうどん高木
「食い逃げごめん」のキャッチコピーで有名なこちら。ジャンボうどんも釜あげの人気店です。ここは、4玉入りの「ジャンボうどん」の釜あげうどんで有名です。このジャンボうどん2杯(8玉)で、うどん代がタダになるのです。
4玉をひとりで食べるのはさすがに厳しいので、両親と一緒に食べることにしました。
注文の仕方
2、おでんやバラ寿司、おにぎりが欲しければ取ってテーブルまで。
5、食べ終わったらお会計。
ふわ〜っと匂い立つ小麦の香り。麺は感じられる「もっちり」。長〜い麺が絡み合い、箸を入れた瞬間から弾力を感じます。
「はふっ、はふっ、うまっ!」
あっつ〜い麺とあっつ〜い出汁。これをあえて夏に食べるのがうまいんだな。
たこのおでんも名物です。おでんだしがたっぷり染み込んだぷりぷりの歯ごたえがたまらない。
うどん屋タイプ:セフル
もうひとつの讃岐グルメ「一鶴」の骨つき鶏
帰省したら絶対に食べるもの。それは、うどんと「一鶴」の骨つき鶏です。昼はうどん、夜は一鶴。これはお決まりのコース。
皮はパリパリ!スパイシーで肉汁たっぷりの「ひな鳥」。肉は柔らかく、そのままカブりついて食べます。ビールにもめちゃくちゃ合いますよ。
「親鳥」は硬く、噛みごたえが抜群。こちらは癖があるのですが、酒飲みは「親鳥」を好む人が多いですね。
大好物「とりめし」は、鶏でとった出汁で炊いたたきこみごはん。具材はもちろん鶏肉。濃い味の骨つき鶏とは対象に、薄味です。骨つき鶏と交互に食べると、口の中がリフレッシュされてどちらの味わいも引き立ちます。
母「ツウは肉の脂におにぎりをひたして食べるんよ」
私「(まじか!体に悪そう!)」
母の助言どおりにおにぎりを肉汁につけて食べてみます。
私「むつこい!(※讃岐弁であぶらっこいの意味)」
うちの父が好きな、身体に悪そうな味です。身体に悪そうな味は美味しいからね!
一鶴は香川県6店舗、横浜、大阪にも店舗あり。冷凍で通販も可能です。
自転車はうどん屋巡りをさらに楽しくしてくれる
今回は全9店舗のうどん屋をまわりました。正直、行けなかったお店も多いです。やっぱり讃岐うどんっておいしいですね。
かつて車生活をしていた時は、移動がわずらわしかった香川県。ロードバイクだと「実はこんなにも近かったのか」「香川県って狭いなぁ」と思うばかり。
自転車は生活も価値観も変えてくれる素晴らしいもの。あらためてこの旅で実感できました。
ロード乗りのみなさんが、この記事をきっかけに讃岐うどんの旅に出たいな、香川に行ってみたいな、と思ってくれると嬉しい限りです。
ツールド讃岐うどん2日目参考ルート
私があまりにも適当なルートで走りすぎたため、この記事で紹介した5店舗分(満濃池、善通寺込み)ルートを引き直しました。ジャンボうどんゴールです。
関連リンク
讃岐うどん巡り1日目
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WRITTEN BYニシハタ キコ
ミニベロを買った2週間後にロードバイクを買い、どハマりしたロード初心者。経験者によく騙されてハードなライドをして泣く。得意なこと、水浴び。斜度8%越えの坂を登ると心が無になる。 http://cyclestreet.hatenablog.com/