スポーツ自転車に乗りはじめると誰もが必ず通る道、それは嘘をつかれること。
「今日はゆるポタだから大丈夫」「あと少し登ったらゴールだよ」先導するベテランライダーの甘い言葉に騙されて泣いた初心者ライダーは数知れず。
今回はこの自転車乗りと切っても切れない「嘘」について、ツイッターでいただいた皆さんの体験談を交えてご紹介します!
ツイッターで自転車乗りにきいてみた
FRAME編集部は自転車乗りの嘘について2つのアンケートを行いました。
嘘をついた人・つかれた人が全体の約80%!
【『自転車乗りの嘘』についてのアンケート①】
自転車乗りってすぐ嘘をつきますよね、ロードバイク初心者の中の人7号です。先日、FRAME編集部の先輩方と走ったとき、「今日はゆるポタだから!」と言われたのに時速30kmで100kmくらい走らされました。
皆さんもこんな嘘をつかれた経験ありませんか…?— FRAME-フレイム (@frame_bike) 2017年12月12日
嘘の双壁は「距離」と「速さ」
【『自転車乗りの嘘』についてのアンケート②】
嘘をついた/つかれたことがある方に質問です!今までどんな嘘をついた/つかれたことがありますか?よかったら具体的なエピソードもリプライで教えて下さい!— FRAME-フレイム (@frame_bike) 2017年12月12日
自転車乗りの嘘の裏には悲しい連鎖があった・・・
約8割の人が嘘をついたりつかれたり。なぜ、自転車乗りは嘘をついてしまうのでしょうか。嘘をつく人の価値観・性格に関しての著書もある、大阪信愛女学院短期大助教授・足立京一氏の「嘘をつく人と騙される人のパーソナリティに関する研究」という論文に、手がかりがありそうです。
足立氏は、大学生58名に対し、まず、性格(衝動性・対人信頼感・社会的外向性)やシュプランガーによる6類型の価値観(理論型・経済型・審美型・社会型・権力型・宗教型)、幼い頃の環境項目などに関するアンケート調査を行い、それぞれのパーソナリティを調査しました。
次に、自分が嘘をつきやすいか、騙されやすいかなどに関して6段階で評価させました。
その結果、「嘘をつきやすいと答えた人ほど、対人信頼感が低い」という相関関係が明らかになりました。
この結果に対し足立氏は、「他人を基本的に信頼していない人間は、常に『騙されるかもしれない』と警戒し、ひいては他人に対する配慮、思いやりに関する心が薄いためではないかと思われる」と考察しています。
自転車乗りに思いやりがないかはさておき、常に「騙されるかもしれない」と警戒している、というのはあながち間違っていないのではないでしょうか。「アタシ、貧脚だから…」と予防線を張る嘘は、そうした警戒心から生まれた嘘の典型でしょう。
熟練の自転車乗り達も元は初心者。その昔、「今日はゆるポタだよ!」「あと少しだよ!」などと嘘をつかれた経験があるのです。そして、その経験から警戒心が生まれ、自分も「嘘をつく自転車乗り」になってしまった…。あぁ、なんと悲しいお話…。
嘘に怯え嘘をつき続ける自転車乗りの皆さん、今こそ立ち上がる時です。強い心で警戒心に打ち勝ち、勇気を持って人を信じ、嘘をつくのをやめましょう。この悲しみの連鎖を、断ち切るために…( ー`дー´)キリッ
嘘ももしかしたら方便かもしれない
というわけで、「どうしてこんなに嘘をつかれるのだろう…」と人間不信になりかけていた皆さん、安心してください!みな騙し騙され一人前の自転車乗りになっていくのです、多分。
一方で「嘘をつかれても誰かと一緒だからこそ、乗り越えられる壁がある」というご意見もツイッターにコメントでいただきました。達成すればツラい登りもライドのスパイスとして素敵な思い出になります。先輩ライダーの「あと少し」は愛が詰まっていると思ってこれからも自転車ライフを楽しんでいきたいですね。
Illustrations by ながた
参考文献
・足立京一(2009)「嘘をつく人と騙される人のパーソナリティに関する研究」『大阪信愛女学院短期大学紀要』 第43集