メルカリ新サービス・シェアサイクル「メルチャリ」は何が画期的なのか?

2月27日スタート、メルカリ新サービス「メルチャリ」事業説明会に行ってきた

 
メルカリ執行役員 兼 株式会社ソウゾウ代表取締役・松本龍祐氏
▲最初の登壇は株式会社メルカリ執行役員 兼 株式会社ソウゾウ代表取締役・松本龍祐氏

昨年9月、あのフリマアプリの「メルカリ」がシェアサイクル事業に参入すると発表してから早5か月。2018年初旬から都市部を皮切りに順次全国でスタートさせていくという公式アナウンス通り、いよいよこの2月27日から待望のシェアサイクルサービス「メルチャリ」を福岡でスタートする。

2017年頃から国内ではシェアサイクルラッシュが続いている。実際、メルカリがこの事業に参入すると発表した昨年、「DMM」も同時期に同様の事業に参入の意思を表明して大きな話題となった。

今までは「シェアサイクルは便利そうだがわかりにい」ものだった

シェアサイクルの先駆者としては、ここ数年、NTTドコモが都市部を中心にコミュニティポートと呼ばれる場所を確保、シェアサイクルを配置しているのをご存知の方も多いのではないだろうか。筆者は都内在住で、大田区や品川区・港区の公園、あるいは横浜を中心にポートを頻繁に見かけるようになっており「あぁいいな、いつか利用してみたいな」と思っていた・・・が、実際には指を加えて傍観していた。

というのも何度か借りようとポートに立ち寄ってみたものの、その看板の説明書きや会員登録や予約システムなどの操作が分かりにくく、パンフレットだけもらって結局また別の機会にしようと諦める・・・そんなもやもやした状態だった。

もちろん、活用している人を見かけるのだから、ちゃんと説明を読んで利用を開始してしまえば、実は簡単で素晴らしいシステムだろうけれど、私同様にその手順を踏むのが面倒で利用開始できない人は多かったのではないかと思う。

私たちユーザーが気になるところは、こういった「利用開始までのハードルが高かった今までのシェアサイクルと、この『メルチャリ』は何が違うの?」ということではないだろうか。

新シェアサイクルサービス「メルチャリ」の特徴

「メルチャリ」の特徴

今回、メルカリ新サービス「メルチャリ」事業説明会では、

  • 「メルカリ」IDを利用したサービス
  • スマホ内ですべてが完結
  • ユーザーが手軽に自転車を借りたいと思った時にすぐに携帯アプリでレンタルできる
  • 地域の空きスペースをポートとして活用

というシステムが紹介された。

「メルカリ」IDを使用したサービス

「メルチャリ」とは、アプリを使って街中にあるメルチャリ(=シェアサイクル)を必要なときにいつでも公共の場で使用できるサービス。通勤や観光のちょっとした距離を移動するときにアプリでレンタルして移動。メルチャリがあらゆる場所にあることで、ドアtoドアの移動が圧倒的に楽になることを目指すのがサービスの概要だ。なおこのアプリを利用するには、フリマアプリのメルカリのIDが必要となる。

スマホ内ですべてが完結

メルチャリの使い方
メルチャリはアプリでQRコードを読み自転車本体の鍵を開けるシステムを採用。このサービスの画期的な点は、すべてがスマートフォンで完結するというところだ。これならメンバーズカードを持つ必要もなく、面倒な手順はかなり軽減され利用者も増えるだろう。

個人宅や店舗などもポートに

また「メルチャリ」はシェア自転車置き場(=ポート)を使用するシステム。ポートは地域の民間企業に加えて個人宅、店舗の店先など、地域全体で空いているスペースを大小問わずに提供してもらう。大型商業施設や公共施設を中心にポートを設置してきた従来のシェアサイクルに比べてより「必要な場所から必要な場所へ」移動がしやすくなる。

地域全体の空きスペースを有効活用

ユーザーと共にサービスをつくる「助け合いのコミュティー」によって街にはより多くのポートが設置されるので、いつでもどこでも、乗りたい時にすぐ自転車を利用できることを目指していく、とのこと。その結果、設置場所が増えると将来的には好きな所で乗ることもはもちろん、好きな場所で乗り捨ても可能になるかもしれない。

「メルチャリ」運営会社はこう考えている

「メルチャリ」運営会社ソウゾウ代表の松本氏
「メルチャリ」運営会社ソウゾウ代表の松本氏はこう語った。

―――どうしてこのサービスを手がけるのか?
「これまでメルカリでは主に『物を中心に人が介入するもの』をアプリを通じてオンラインで手掛けてきました。

今回はオフライン=リアルな場でも、メルカリのサービスを提供していきたいと考え、シェアサイクル事業に参入しました。
今までは買って使って売る→無駄がなくなるという世界観でしたが、今回は自転車をみんなで利用する。個人の所有から共有へ。そしてみんなの移動が楽になると考えています」(松本氏)

福岡がデビュー地になった理由

―――なぜ、福岡がデビュー地なのか?
「まずは当社のカスタマーサポートの拠点が福岡にあることが第一に上げられます。それに加え福岡の都市機能がコンパクトに整っていて、なおかつ自転車移動に適したフラットな地形であること。
それによってまず自転車は電動でないものからスタートできたこと。
(ちなみに自転車は三段階変則ギア使用。後の記者からの質疑応答では電動ありきではなく、まずは通常の自転車を沢山確保することが最優先で、ゆくゆくは電動の導入も検討しているという)
中心街の機能がコンパクトにまとまっている分だけ、イベント開催時などでは混雑しがちな街の回遊性を高め、福岡市の交通をスムーズにし、経済やまちづくりなど地域の活性化に広く貢献することを期待しています」(松本氏)

続いての登壇では、株式会社ソウゾウ メルチャリプロダクト責任者井上雅意氏よりサービス詳細の説明が行われた。

株式会社ソウゾウ メルチャリプロダクト責任者井上雅意氏

個人がポートになる画期的な仕組み

「現在のメルチャリポートの提供に参画するパートナー企業は13社。2月27日時点でのポート数は50ヵ所で自転車数は400台。続いて、この夏頃までにはポートを200カ所に拡売し自転車は2000台に増やし、『いつでもどこでも』の実現をまずは福岡市で図ります。

この『いつでも使える共同運用』とは、個人が参加して一緒につくっていくサービス。個人や個人商店がスペースをメルチャリポートとして提供、また助け合いコミュニティで放置自転車の報告や自発的な移動など運営にサポーターとして参加したくなる仕組みをつくっていきます」(井上氏)

運営に協力すればメルカリポイントが貯まる

「運営や利用にはアプリを活用し、それによってマイルが積算されます。故障車があれば報告する→写真で報告→またマイルがたまるなど工夫を凝らしています。

通常のライドでもマイルは積算。いろんなお手伝いをすることでもっとマイルがたまる。インセンティブは基本的にメルカリで使えるメルカリポイントとなります。またオリジナルのグッズ提供なども進められています」(井上氏)

―――料金設定についてどう価格設定しているのか?
「まず短い時間でも使われると想定しており、バスで移動してバス降りて目的地まで行くというような短時間でも利用OKな15分を想定して価格を算出しています。
30分単位設定で乗っておつりが来ないのではなく利用料金は4円/分でクレジットカード払い、コンビニ払い、ATMに順次対応していきます。(つまり15分で60円となる)」(井上氏)

―――自転車利用の安全性は?
「自転車に内蔵されたGPSで常時自転車の駐輪場所を把握しています。メルカリのカスタマーサポートで培ったノウハウを生かし365日の監視、西鉄運輸(地域の民間企業)によるサポートトラックを運営し、突然の事故やトラブル時にも安心してサービスを受けることができます。またお客様の事故や怪我に対応するシェアサイクル専用の保険(損保ジャパン日本興亜株式会社および東京海上日動火災保険株式会社提供)を付保しており、万が一の場合国内初となる『示談交渉サービス』つきの賠償や、怪我を被った場合の補償も備えています」(井上氏)

今後は福岡以外にも提供エリアを更に拡大していく予定もあるという。

メルチャリの自転車
▲メルチャリの自転車
■20インチ
■3段階ギア
■日本製の非電動アシスト自転車
■鍵はコネクティッド・ロックの開発および、関連サービスを手掛ける株式会社tsumugのスマートロックを搭載し、後輪の上のQRコードで簡単に解錠することができる。

まとめると「メルチャリ」の画期的な点とは

「メルチャリ」事業説明会に出席したFRAMEの運営会社・自転車創業の社長中島大は、自身が旗振り役でシェアサイクルを活用するおでかけ新サービス「FRAME OUT」という新規事業を立ち上げるなど、国内外のシェアサイクルサービスに詳しい。
FRAMEの運営会社・自転車創業の社長中島

中島は今回の「メルチャリ」について、特に今までのシェアサイクルと異なる画期的な点は、
「C to Cのシェアリングエコノミーの設計思想があるところが、今までのシェアサイクルサービスと差別化されていますね。ポート提供者も一般個人から募っていること、運用保守もポイント獲得お小遣い稼ぎや自浄作用で個人にもうながすっていうところも新しい」

「加えて、その設計で本体のメルカリでは十分な実績をつくっていること。また実際のメルチャリ利用にはメルカリIDが必要になるので、その作法をしっているメルカリ既存ユーザーも一定数はメルチャリ使うってことも強みになる」とまとめた。
「乗り心地は老若男女に受け入れられそうな感じ」と中島
▲「乗り心地は老若男女に受け入れられそうな感じ」と中島

                                                                                                                                              

Rinko.S

WRITTEN BYRinko.S

”焦らずゆっくりマイペース” をモットーにトライアスロンを楽しむ水陸両用ライター。半径100km程度なら、いつでも自転車に乗って取材に駆けつけるバイタリティーを持ち、ご用命とあらば、山の中を走り、海の中を潜り、世界中を飛んで参ります。自慢できることは、面白そうなコト・モノを探し出す嗅覚が鋭いこと。Office Astro Writing代表、Blog:Rinko’s Diary

他の記事も読む

関連記事