熊本県の阿蘇は、九州でも有数の観光地。カルデラという火山活動によってできた鍋型の地形で、周囲360度を山々に囲まれ、平坦部には広大な草原が広がっているという独特で雄大な景色が特徴的です。その中を自転車で走る気持ち良さはかなりのもの。

今回は、そんな阿蘇でおすすめの観光スポットを紹介します。



阿蘇中央部・内輪山編


飛行機から見た阿蘇中心部。
▲飛行機から見た阿蘇中心部。

カルデラの中心部にある山々は「内輪山」と呼ばれます。内輪山には、根子岳(ねこだけ)、高岳、中岳、杵島岳(きしまだけ)、烏帽子岳の五峰があり、まとめて阿蘇五岳(あそごがく)と呼ばれています。内輪山では、阿蘇独自の地形を間近で見ることができるため、ぜひとも立ち寄りたいところです。

阿蘇パノラマライン


阿蘇パノラマラインを南側から上ったときに見える、烏帽子岳。
▲阿蘇パノラマラインを南側から上ったときに見える、烏帽子岳。

南北に内輪山を走る道路です。南側は上掲写真のように険しい雰囲気。標高500m強から1,100m強まで上るヒルクライムを堪能できますよ。『劇場版 弱虫ペダル』で採用されたコースの一部でもあり、ハードな上りの中で総北高校や箱根学園メンバーの幻を目撃できちゃうかも?

ちなみに、後述するようにレンタサイクルを貸し出している施設もあるので、山は車で観光してサイクリングは平野部で、というプランも可能です。



阿蘇パノラマライン
阿蘇パノラマライン
阿蘇パノラマライン

中岳


自転車で行ける最高標高点(標高1,142m)。
▲自転車で行ける最高標高点(標高1,142m)。

阿蘇パノラマラインを上りきったところが、中岳。そこからさらにロープウェイで上って山頂まで行き、火口を見学でき…ました。取材時(2018年3月)は火山活動活発化のために立ち入り禁止に。



中岳山頂の様子。 撮影:コルナゴ部長
▲中岳山頂の様子。 撮影:コルナゴ部長

火口の様子。 撮影:コルナゴ部長
▲火口の様子。 撮影:コルナゴ部長

しかし、火口のダイナミックな景色はすばらしく、立ち入れるなら足を運んでおきたいものです。

草千里ヶ浜


草千里ヶ浜
草千里ヶ浜は、中岳から少し下ったところにある草原で、中には池があり、奥には烏帽子岳が鎮座しているという美しい場所です。もともとは烏帽子岳の火口だったそうですが、今は馬がいるなど、穏やかな雰囲気です。大きなレストハウスもあり、景色を眺めつつ休憩するのにも最適。





米塚


「スコリア丘」と呼ばれる地形。阿蘇では米塚と称する。
▲「スコリア丘」と呼ばれる地形。阿蘇では米塚と称する。 出典:Miya.m, Wikipedia, CC BY-SA 3.0

米塚とは、阿蘇パノラマライン北側(阿蘇市街側)で見ることができる、火山活動によって形成された円錐台形の小山のこと。木々が生い茂るのを防ぐなどのために山を焼く「野焼き」が毎年行われるため、非常に見晴らしがよく、外輪山までも見渡せます。
ちなみに、野焼きが済んだゴールデンウィーク後の阿蘇は、この写真のように一面美しい緑色に染まります。



阿蘇北部編


外輪山
内輪山を360度ぐるりと取り囲む山々を「外輪山」と呼びます。外輪山北部は台地となっており、その上には広大な牧草地が広がっています。その中には阿蘇市街を見下ろせる展望台がいくつもあり、特に北部と西部は道幅の広いスカイラインが伸びる、自転車ツーリングにうってつけの場所になっています。

大観峰


大観峰の雲海。
▲大観峰の雲海。 撮影:コルナゴ部長

外輪山最高峰であり、内輪山はもちろんほかの外輪山も一望できる絶景スポット。いちばんのポイントは、なかなか見ることのできない「雲海」を見られる絶好の場所であるということ。朝日に照らされた雲の海は感動的な美しさ。
阿蘇で雲海を見るライドについては、こちらの記事にまとめていますので、ぜひ併せてご覧ください。



ミルクロード


ミルクロード
外輪山のうえを東西に走るスカイライン。広い空に広がる雲が最高に気持ちいいですよ。

沿道には牧場が多く、牛や馬がのどかに過ごしている様子でなごめます。
沿道には牧場が多く、牛や馬がのどかに過ごしている様子でなごめます。

ラピュタの道


ラピュタの道
かの有名な「ラピュタの道」もこのミルクロード沿道にありますが、残念ながら熊本地震で激しく崩落し、立ち入り禁止になっています。自然災害の爪痕が未だに残っているという、阿蘇の厳しい現状を強く感じられる場所かもしれません。



復興は難しいと言われていますが、在りし日の美しい姿をまた見たいと思わざるをえません。



阿蘇市街編


阿蘇駅&道の駅阿蘇


豊肥本線の熊本~阿蘇間は地震の被害のため、現在も一部全線運行停止中。
▲豊肥本線の熊本~阿蘇間は地震の被害のため、現在も一部全線運行停止中。輪行で阿蘇入りする場合は、大分側からのみになります。

レトロな雰囲気の豊肥本線・阿蘇駅は撮影スポットとしてグッド。

すぐ隣にある道の駅阿蘇
すぐ隣にある道の駅阿蘇には、たくさんの土産物や地場の食べ物が並んでいて、阿蘇パノラマラインを走る際には起点/終点として最適。サイクルラックも完備されていますよ。



門前町商店街


門前町商店街
阿蘇のメインストリート。食事処や土産物屋が軒を並べ、阿蘇の信仰の中心・阿蘇神社もあります。市街地からでも内輪山や外輪山は見えるので、ご当地グルメをたのしみつつゆるポタするのもまた一興。



鉄板焼まーぼー


あか牛ガーリックライス(1,350円)
▲あか牛ガーリックライス(1,350円)

地元の名産あか牛のステーキを目の前の鉄板で焼いてくれるお店。人気の「あか牛ガーリックライス」は、お米とにんにくをタレで炒め、卵とあか牛のステーキを大胆に載せた人気メニュー。たんぱく質と炭水化物というシンプルな組み合わせは、ライド後のご馳走でいただくと最高です。つけあわせの里芋の味噌汁もほんのり甘くて絶品。


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ひめ路


高菜めし定食(1380円)
▲高菜めし定食(1380円)

だご汁定食(1180円)
▲だご汁定食(1180円)

阿蘇の郷土料理をいただけるお店。メインの郷土料理に加えて、地元の野菜や山菜を使った小鉢料理も充実していてボリューミー。だご汁は特大の器に野菜たっぷり、団子もたっぷり。優しくどこか懐かしい味で、疲れた心と身体を癒してくれます。


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内牧温泉


内牧温泉
▲出典:阿蘇ユネスコジオパーク

阿蘇市北西部にある温泉街です。ライドの汗はやはり温泉で流したいものですね。宿泊してよし、立ち寄り湯を利用するもよし。名物のあか牛料理や馬刺しを振る舞うお店もあり、グルメにも事欠きません。内輪山にも外輪山にもアクセスできるのも便利です。

蘇山郷

名門旅館「蘇山郷」
内牧温泉の中でもおすすめなのが、名門旅館「蘇山郷」。なんとサイクルラックが設置され、サイクリストの受け入れ体制は万全。

大浴場の前には『弱ペダ』コーナーが完備
しかも、このお宿は『劇場版 弱虫ペダルで総北高校が泊まった宿のモデル。坂道くんたちが泊まった部屋に泊まれてしまうというドリームスポットだったりもします。大浴場の前には『弱ペダ』コーナーが完備。それを抜きにしても、格調高く居心地がいいので非常におすすめです。

詳細は、別途記事にまとめますので、お楽しみに!



めしのやまいち


あか牛ステーキ丼(1,350円)
▲あか牛ステーキ丼(1,350円)

肉肉しいステーキ、甘辛いタレ。一度箸をつけると無言でご飯をかきこんでしまうこと間違いなし。お漬物がセルフで食べ放題なのもうれしいポイントです。テーブル席、お座敷の2種類の席があり、きれいでゆったりと広い店内でお食事が楽しめます。


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お食事処 炉里庵


馬刺し(1500円)
▲馬刺し(1500円)

枝豆のオリーブオイル焼き(580円)
▲枝豆のオリーブオイル焼き(580円)

外観は喫茶店のようですが、メニュー数豊富な居酒屋です。内牧温泉エリアは17時前に閉まるお店が多いのですが、ここは25時頃まで開いているので仲間とわいわいお酒を楽しみたいという人にはちょうどよいでしょう。飲み物の種類も豊富で地酒もそろっています。


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南阿蘇&東部編


南阿蘇&東部編
内輪山の南側は阿蘇市街のある北側に比べて人家がまばらで交通量も控えめなため、のんびり走るにはもってこいです。平野を走りつつ、内輪山の威容を楽しめます。

ちきゅうや


650gのハーブ鶏のからあげ(850円)
▲650gのハーブ鶏のからあげ(850円)

ちきゅうや

目の前の大きな窓から阿蘇五岳の絶景をながめが最高のアットホームのお店。名物はなんといっても659gの鶏のからあげ。ふっくらサクサクで中はジューシー。腹ペコサイクリストの胃袋を満たしてくれます。ごはん、味噌汁、デザートもついて850円と価格も良心的。


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道の駅あそ望の郷くぎの


道の駅あそ望の郷くぎの
阿蘇南部を走るにあたって、ベースとして活用できる道の駅。サイクルラックもあり。車中泊OKな駐車スペース(有料)もありますよ。



モンベル 南阿蘇店


モンベル 南阿蘇店
道の駅あそ望の郷くぎの敷地内にあるモンベル 南阿蘇店は、サイクルギアの取り扱いが豊富です。各種ウェアはもちろん、工具やパーツ、BCAA入りの補給食もあり。困ったら訪れてみるといいでしょう。

また、レンタサイクルも用意されています。ロードバイク、クロスバイク、マウンテンバイクと一通りの車種が揃っているので、車でモンベルまで来て自転車はレンタル、というプランもアリ。



高森湧水トンネル公園


高森湧水トンネル公園
旧国鉄のトンネルとして工事が進められていましたが、水が湧き出したため水源・観光地として利用されることになったという変わった来歴をもつトンネルです。内部にはインスタレーションが設置されており、幻想的な雰囲気。入場料は、大人300円、子ども100円です。



上色見熊野座神社


上色見熊野座神社
阿蘇南東にある小さな神社なのです。参道には100基近くの灯篭が並び、パワースポット感満点。

神殿後方には穿戸岩(うげといわ)という大風穴が。
神殿後方には穿戸岩(うげといわ)という大風穴が。阿蘇大明神に仕える鬼八法師が岩壁を蹴破ってできたとされています。



箱石峠


箱石峠
内輪山東側にある峠道で、ヨーロッパめいた美しい展望を誇ります。北側(阿蘇市街地側)から上るのがおすすめです。



やまなみハイウェイ編


やまなみハイウェイ
『劇場版 弱虫ペダル』でコースの一部に採用されたアップダウンのある快走路。広大な牧草地を突っ切るように走れるので、本当に爽快です。県道11号線を直進すれば、ゴールとなった牧ノ戸峠にたどり着きます(牧ノ戸峠は大分県です)。

黒川温泉


黒川温泉
やまなみハイウェイを途中で外れたところにある温泉街です。瀟洒な雰囲気が魅力的です。カフェやパティスリー、土産物屋なども多数。大観峰などにもアクセスできる位置なので、ここに宿をとってもいいでしょう。県道442号線旧小国街道に入って数キロのところにあります。



パティスリー 麓 (ロク)


大きなチョコケーキ黒川のゴツゴツ(600円)
▲大きなチョコケーキ黒川のゴツゴツ(600円)

大きないちごと餡子、クリームがつまった苺大福(450円)
▲大きないちごと餡子、クリームがつまった苺大福(450円)

黒川温泉の中心にある小さなパティスリー。かわいいケーキや和菓子、焼き菓子やプリンなど、種類も豊富。イートインスペース(3~4席)もあり、山道を走った後の休憩場所におすすめです。


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『劇場版 弱虫ペダル』の火の国やまなみレースのコース



スタート:熊本城〜
阿蘇パノラマライン 42km地点〜70km(阿蘇駅)
内牧温泉(蘇山郷)通過 約76km地点
大観峰登り 約76km〜約84km地点
ミルクロード 約84km地点〜約92km地点
やまなみハイウェイ 約92km地点〜約110kmでゴール

火の国やまなみレースコース

サイクルラック多数、見どころ満載となれば…


サイクルラック多数、見どころ満載
市街の飲食店から、道の駅、各観光スポットに至るまで、阿蘇には数多くのサイクルラックが設置されているのも非常に嬉しいところです。もちろん、これまでに紹介してきたように見どころも多数。

その一方で、熊本地震の被害の影響で通行止になっている道路や鉄道区間が多く、熊本駅や熊本空港から阿蘇まで行くには自走かレンタカーの手配が必要になる場合が多いでしょう。準備には少々手間がかかります。

しかし、阿蘇の豊かな自然とサイクリストへの配慮は、それを補って余りある魅力です。ぜひ長期の休みなどに行ってみるにはとてもいい土地だと感じました。ゴールデンウィークや夏休みにいかがでしょうか?

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