ハンドルの交換 調整

プロに聞く!ロードバイク【ハンドル】の選び方:調整方法や交換のポイント、費用は?

【2021/07更新】ロードバイクにおいてハンドルは、左右のバランスをとり、自転車をコントロールする大事なパーツである。完成車についてきたハンドルをそのまま使っている人も多いのではないだろうか。しかしハンドルの調整や交換は、ポジションをより良くしたり快適性を向上させたりすることにつながる。今回はロードバイクのドロップハンドルに関するイロハを、カスタムショップ「VIKING the MAINTENANCE」の石橋徹也さんに伺った。

ドロップハンドルはポジションの自由度が高い

まずは下の写真を左右で見比べていただきたい。ハンドルの握り位置で姿勢が大きく変わっていることがわかるだろうか。

ポジションの違い
左の2枚は比較的リラックスした姿勢。右の2枚は深めの前傾で空気抵抗をおさえるポジション。

ドロップハンドルのどこを握ると、どのようなポジションになるか具体的に解説していこう。

ハンドルの各部名称
出典:ロードバイクのドロップハンドル 種類と正しい選び方を解説|VIKING the MAINTENANCE

  • フラット
    上体を起こすことができるので、前傾に疲れたときや、ヒルクライム後半などで酸素を多くとりこみたいときに有効なポジション。しかし、シフトブレーキレバーから遠いので、とっさのブレーキングは遅れる。下りでは握らないほうがいい。
  • ショルダー
    フラットとブラケットの間の部分。フラット同様、前傾に疲れたり巡航時に握りやすい。シフトブレーキレバーにも近いので、とっさのブレーキ判断にも対応できる。
  • ブラケット
    シフトブレーキレバーが取り付けられている部分。一番多く握る位置で、基本姿勢である。シフトチェンジやブレーキングもしやすい。
  • 下ハンドル(下ハン)
    前傾姿勢となり、加速時に一番力が入るポジション。防風時に握る部分でもある。

ハンドル交換のメリット

握る箇所が多くポジションの自由度が高いドロップハンドル。最適なハンドル選びについて、ここからはプロメカニックの石橋さんに教えてもらった。

「VIKING the MAINTENANCE」石橋さん
▲FRAMEではお馴染み「VIKING the MAINTENANCE」の石橋さん

>> 先にハンドルの調整&交換方法が知りたいならコチラから <<

―――― 実際にハンドル交換のオーダーは多いですか?

石橋さん(以下、石橋)「多いですよ。ハンドルを替えるということはポジションを変えたいという気持ちの表れなんです。肩が凝るとか痛くなるとか、ハンドル幅を狭くすればハンドリングが良くなるんじゃないかとか。ハンドルを替えるだけでいろいろ変わるので、そうした悩みを抱えている人が替えますね」

―――― 悩みの数だけ選択肢がありそうですね、具体的にはどういうアプローチがあるのでしょうか?

石橋「ハンドルも今はいろいろな種類がありますからね。アルミだとちょっと重量が気になるからカーボンで軽量化するとか、空気抵抗を抑えたいからエアロ形状のものでちょっと細くするだとか。単純に完成車についてきたハンドルをグレードアップさせたいという人だっていますよね」

「だけど、一番はやはり乗りやすさを追求する人が交換していると思います。見た目で格好良くしたいという目的も少なからずあるけど、ポジションを最適化したい人が多いです」

ドロップハンドルの選び方

ステム
ドロップハンドルは、文字通り左右の末端が落下してカーブを描くハンドル。ステムというパイプ状の部品でフレームと繋ぎ止められている

ポジションに直結したパーツであるだけに、乗り方に適したハンドル選びが重要だと言える。選び方のポイントは「サイズ」「形状」「素材」の3つだ。

①サイズ

ハンドルのサイズにはいくつか要素があり、主に「ハンドル全体の幅」「クランプ径」「リーチ幅」「ドロップの長さ」が挙げられる。

①-1:ハンドル幅

ハンドル幅は大きく分けて4サイズ(380、400、420、440mm)ある。幅の測り方(表記方法)はメーカーによって次の2つに分けられる。

※近年では下ハンを基準に測るのではなく、ショルダー部の幅でサイズ表記しているメーカーもある。

<ハンドル幅は肩幅を基準に選ぶ。狭いとクイックに、広いと直進安定性アップ>

―――― ハンドル幅を決める基準は何ですか?

石橋「基準は自分の肩幅です。計測するときは、ロードバイクの前傾姿勢をとった時の肩幅を測ると良いでしょう。肩幅の数値に近いハンドル幅を基準に選んでいきます」

―――― 基準は自分の肩幅なんですね。たとえばハンドル幅の「狭い/広い」ではどんな違いがありますか?

石橋「幅が狭いと空気抵抗は少なくなりますが、ハンドリングがクイックになります。安定した路面では関係ないのですが、道が荒れているときや下りなどでは簡単にハンドルが取られやすくなる。慣れてる人はいいんですが、ちょっとコントロールが難しくなりますね」

―――― 肩幅より幅が広いものを選ぶのはどうでしょうか?

石橋「幅が広いと直進安定性が良くなります。急に何かのギャップと出会った場合の対応力もありますね。ただし長時間乗ると肩の疲労は大きくなります」

①-2:クランプ径

クランプ径の違い
出典:ロードバイクのドロップハンドル 種類と正しい選び方を解説|VIKING the MAINTENANCE

次はハンドル中央部のサイズ、クランプ径をチェック。ロードバイクは26.0mmと31.8mmがメイン。しかし、なかには35mmという太めのハンドルもある。

―――― クランプ径で乗り味は変わりますか?

石橋「クランプ径が太いものも使いましたけど、あまり変わらなかったです。剛性感はあるのでしょうけど。しかもメジャーでない径だとステムも交換しないと装着できないわけです。だから、やっぱり31.8mmが多い。MTBでも使うし、ロードでもフラットでも基本のサイズです」

石橋「むしろクランプ径は自分のバイク・ステムに合ったサイズであるかをチェックしたいですね。特に通販やネットで買う場合はクランプ径を間違えないように注意しないといけません」

①-3:リーチ幅

リーチ幅
出典:ロードバイクのドロップハンドル 種類と正しい選び方を解説|VIKING the MAINTENANCE

リーチ幅とは、ハンドルのフラット部分から先端部分までの長さのこと。

―――― リーチ幅の長さはポジションにどう関係しますか?

石橋「最近のハンドルはリーチ幅がショートのものが多いです。ショートのほうがステムを長くできて、ステムが長いとハンドルは安定しますから。70mmとか、短いと68mmとかがあります。普通は70〜90mmぐらいまでですね」

―――― 逆にリーチ幅が長いとどう変わりますか?

石橋「ノーマルと異なってくる長さでいうと、100mmとか。リーチ幅が長いと、同じハンドル幅で比べたとき、より前傾姿勢がとれます。フラットを握ったときとブラケットを握ったときの状態の差が激しくなりますね。だから姿勢の変化が大きい。リーチ幅がショートになるとその分、姿勢の変化は少なくなりますよね。身体に近いからクイックなハンドリングになります」

①-4:ドロップ幅

ドロップ幅
出典:ロードバイクのドロップハンドル 種類と正しい選び方を解説|VIKING the MAINTENANCE

フラットから下ハンまでの落差を表すのがドロップ幅。

―――― ドロップ幅の違いはポジションにどう影響しますか?

石橋「通常のドロップ幅は120mmぐらいなんですが、140mmだとレース向き。落差が大きい=下ハンを握っても苦じゃない前屈の柔らかさがある人向けです。たとえロード上級者でも、身体が固いと140mmは辛いです。だったら120mmの方が楽。前傾も緩やかで、落差が少ないので初心者向けなんですが、上級者でも身体が固いなら120mmでいいと思います」

―――― 無理してドロップ幅を大きくする必要はないのですね。とはいえ下ハンはここぞという場面でしか使わない気がするのですが……

石橋「いや、ずっと下ハン握り続けるぐらいで考えたドロップ幅がいいと思いますよ。下ハンのほうが、絶対速いじゃないですか。空気抵抗も少なくて。その状態で長時間いれることに越したことはないわけです。下ハンをずっと握っていられるようなものを選ぶのがいいと思います」

②形状

ドロップハンドルには大きく分けて、「シャロー」「アナトミック」「アナトミックシャロー」の3つの形状がある。

ロードバイク ハンドル 種類 アナトミック シャロー

石橋「シャローとは、基本的に丸形ハンドル=丸ハンと呼ばれているものです。アナトミックは最近見ないですね。ショートリーチでドロップの深さがある。シマノのSTI系レバーにフィットしやすい形状です。アナトミックシャローがちょうど中間といったところ。最近はアナトミックシャローかシャローが多いですね

それぞれの特徴をまとめておこう。

  • シャロー
    昔からあるクラシカルタイプで、通称「丸ハン」と呼ばれる。リーチ幅が長く、ドロップ幅が深いものが多いので、下ハンを握ったときに深い前傾姿勢を取ることができる。スピードを重視する場合におすすめ。
  • アナトミック
    ひと昔前の主流で、下ハンに続く部分に直線がある。手に持った形に沿って波打ったタイプもあり、もがくときにしっかり握ることができる。ただし、シフトブレーキレバーまで少し距離ができてしまう。
  • アナトミックシャロー
    最近のハンドルはほとんどこの形状。リーチ幅が短く、ドロップが浅いものが多いので、比較的前傾が浅い。初心者の方や長距離を走る方におすすめの形状といえる。

③素材

素材は大きく分けてスチール、アルミ、カーボンの3つ。

  • スチール
    丈夫で長持ちするが、重いことから現在はあまり見かけない。

石橋「いまスチールはほとんどないです。競輪のハンドルぐらいじゃないですか。クロモリロードでもほとんど使いません。どうしても重いですからね」

  • アルミ
    一般的な素材で、完成車に装備されることが多い。比較的廉価で丈夫な割に軽い
  • カーボン
    軽量だが高価。ネットオークションなどで偽物も出回っているので注意が必要だ。

―――― アルミからカーボンのハンドルに替えたい人は多そうですよね、しなりや剛性の観点ではどうでしょうか?

石橋「しなりの大小は、品によって変わります。剛性感で言えば硬いハンドルもありますね、逆に柔らかすぎるのは不安でしょう。下ハン持って立ちこぎするときなんか、柔らかすぎると怖いですよ」

―――― カーボンといえば振動吸収性ですが、そのあたりは期待できますか?

石橋「実はハンドルに関しては、カーボン製だからといって振動吸収性はあまり感じられません。振動吸収性をとるなら、バーテープにお金をかけたほうがいいですね」

ドロップハンドル以外という選択肢も

石橋「シングルスピードの人はブルホーンにしたがりますよね。レバーがいらないじゃないですか。あと、ロードでもあえてフラットバーハンドルを使う人もいます。それから最近はDHバーをつける人も多くなりましたね」

ブルホーンバー

ブルホーンバーの「ブルホーン」は、英語で「牛の角」という意味。フラットハンドルとドロップハンドルの間のような形をしており、快適な姿勢を取りながら空気抵抗を減らすことができる。変速レバー(STI)を取り付けることはあまり考えられていないので、シングルギアのバイクに使われることが多い。

ブルホーンバーの詳細はこちらの記事をチェック!
乗りやすさを格段にアップ?!おすすめブルホーンバー6選

DHバー

DHバーは、トライアスロンなどでよく用いられる。空気抵抗を大幅に減らすことが可能で、スピードの向上につながる。

DHバーのイメージ

その他に、ステム一体型やトラック用ハンドル、ランドナー用のハの字型などがある。

ステム一体型ハンドル

ステム一体型のハンドルは、見た目、軽さ、空力性能のどれをとっても優れており、最高の一本を探している方におすすめだ。

なお、ステムを取り外すことはできないため、ステム長をよく確認してから購入するようにしていただきたい。

トラック競技向けハンドル

ランドナー用、ハの字型バー

ハンドル選びのおさらい

おすすめハンドルを紹介する前に、選び方のポイントをまとめておこう。


  1. サイズ(ハンドル幅、クランプ径、リーチ幅、ドロップ幅)は自分に合ったものか?
  2. ハンドルの形状は乗り方にあったものか?
  3. 素材はコスパ重視のアルミか、より軽量なカーボンか?

石橋「最初に決める項目はハンドル幅です。自分の肩幅=サイズで選ぶこと。そのあとでアルミかカーボンか素材を選ぶ流れです。通販やネットで買う場合は、クランプ径を間違えないように注意しないといけませんね」

おすすめハンドル7選

いよいよ具体的なおすすめハンドルを紹介する。

―――― 代表的なハンドルメーカーにはどのようなものがありますか?

石橋「日本なら日東。アルミメインのメーカーで、クラシック系の自転車に合いやすいですね。海外なら3T、トムソン、リッチー、デダ、イーストン、FSAといったところでしょうか」

―――― メーカー選びのポイントはありますか?

石橋「各メーカーに1個か2個はいいものがあるんですよ。どのメーカーがいいというのではなくて、メーカーの中で自分に最適なものを選ぶのが確実です。そのうえで、価格の幅やバリエーションが多いメーカーとしてFSA、デダ、日東、3Tあたりはおすすめできますね」

ここからは代表的なメーカーとおすすめモデルをセットで紹介していく。ハンドル選びの参考にしてほしい。

日東(NITTO)

1948年設立の金属チューブ加工を得意とする国内自転車パーツメーカー。競輪の開催初年度よりNJS規格のハンドルバー生産を開始した。

今ではロードレース用のアルミ合金製品が多いが、トラック競技用のスチール素材ハンドルも生産している。またカーボン製ハンドル、ブルホーン、ツーリング用ランドナーバー、シティサイクル用のハンドルも扱っており、国産にこだわるライダーに人気だ。

3T

1961年、イタリアのトリノで設立された自転車パーツブランド。それまで全盛だったスチール製のハンドルバーやステム、シートポストなどのパーツを、軽くて丈夫なアルミ合金で作り出した先駆的な存在だ。

最初に注目されたのは自転車ではなくスキー。1970年に発表された、新しいアルミで作ったストックはヨーロッパ全域に渡ってベストセラーとなる。その後、ブランドを有名としたのが1975年に発表された世界初の「Ergalバー」だ。このハンドルバーは長きに渡って賞賛されている。

THOMSON(トムソン)

1981年創業の自転車パーツブランド。コンピューター制御マシニング装置(CNC)における、豊富な技術と経験を持つアルミ部品メーカーである。航空機業界の大手2社の機体に使用される部品を任されるほどの高い信頼性、そして強度設計に基づいて作られるその製品は、いまではレース用ステムやシートポスト、ハンドルバーのベンチマークとなっている。同社がハンドルバーに必要だと考えるのは、強度と軽さのバランス。アルミ、カーボン、チタニウムという重さも特性も異なる素材を用いることで、より使う人のニーズに近いハンドルバーを提供している。

RITCHEY(リッチー)

フレームからハンドル、サドル、クランク、タイヤなど、多くの自転車用品を取り扱っている米国メーカー。創業者のトム・リッチーはゲイリー・フィッシャーともにMTBを開発したことで知られている。現在はアドベンチャーライド用の新設計ハンドルをラインナップに加えるなど、その時々のトレンドを汲んだ製品作りが得意だ。

過去の多くのツール優勝者が好んで使った丸ハンドルバーを現在主流のショートリーチ、シャロードロップ形状にした「クラシック・ネオ・クラシック」も人気が高い。

Deda(デダ)

高い剛性と軽量化を両立したハンドルバー、ステム、シートピラーなど、充実したラインナップを持つイタリアのパイプメーカー「DEDACCHAI」(デダチャイ)の自転車パーツブランド。

ステム一体型のハイエンドモデル「アラネラ」を始め、HR40カーボン製の超軽量コンパクト・アナトミックバー「スーパーレジェーラ」や、メッキ仕上げが美しいクラシックなデザインのトラックバー「ヴェロチタ」などのラインナップがある。

EASTON(イーストン)

1922年に創業された米国の総合スポーツ用品メーカー。自転車専門ブランドでないからといって決して片手間仕事ではなく、トップレーサー向けに最新の技術を惜しみなく使い、妥協のない製品作りに定評がある。

特にホイールが有名だが、オリジナルのハンドルもリリースしている。ラインナップにはカーボンによる超軽量なハイエンドモデル「E100」を始め、グラベルロードやアドベンチャーバイクに適した「EA70 AX」などがある。

FSA(エフエスエー)

スピード重視に生まれた新鋭パーツブランド。数多くのプロチームをサポートし、実戦から得られたフィードバックを基にさらなる進化を遂げている。

ラインナップにはハンドルとステムを一体型したハイエンドモデルのカーボン製「プラズマ・インテグレーテッド・コンパクト」を始め、日本人ライダーが適正なポジションを出しやすいコンパクト形状のカーボン製「SL-K」などがある。

交換はお店で!必要なものと費用

石橋さん

ハンドル交換は基本的にショップでやってもらうものと考えよう。自分でできなくもないが、ワイヤーまわりの設置は高い技術力が必要だからだ。

石橋「自転車はワイヤーがすべてですからね。ハンドルをつけてネジを締める、レバーをつけてネジを締めるというのは、ちゃんと注意すればまぁできる。だけどワイヤーを通して調整するっていうのは、注意力じゃなくて技術力の問題なんです。ブレーキシフターのケーブルをバラさなくともできる場合がありますが、ハンドルを替えるのであれば再調整は必要になります。『バラすのは簡単、戻すのは難しい』というわけ」

――――ショップでハンドル交換を頼む場合、一般的にどのくらいかかりますか?

石橋「もちろんお店によって値段は違います。作業工賃だけで言うと、5000円ほどでやってくれるところもあるかもしれないですが、普通は1万円ぐらいから。そこから高いか安いかになると思います」

―――― ハンドルの形状で費用に差が出ることはありますか?

石橋「ハンドルの中にワイヤーが入っているものがありますよね、インナー式のもの。あれなんかは全部抜かないとなりませんから、そうすると手間もかかる。ちょっと前ならサイズが違っても、外し方、付け方は基本的には同じだったのですが、最近はいろんな形状があって、素材もカーボンだったり、作業工程が細かくなっていますね。ハンドルの形状や作業のしやすさ、時間によって工賃は変わってきます」

―――― 交換にあたって何が必要ですか?

石橋「ハンドルと、それ以外はバーテープが必要です」

バーテープにも様々なものがあり、選ぶ際には迷うことだろう。詳しくはこちらの記事で紹介している。

ハンドルの調整方法|角度と高さ

最後に、ポジション調整のために角度や高さを変えたいという人のために、作業方法を紹介しておく。アヘッドステム(一般的にロードバイクに使われるステム)の調整方法で、必要なものは六角レンチのみ。

ハンドルの基本の位置は地面と水平だと覚えておこう。

ハンドルの角度を調整する

実際に石橋さんにハンドルの角度調整を見せてもらった。その手順を画像つきで紹介していこう。

1. クランプを緩める

クランプボルトの位置
▲ステムの前方にあるクランプボルトをゆるめると、ハンドルが可動になる

クランプボルト
▲ボルトは4本ある

クランプボルトをゆるめる
▲ボルトをゆるめる:均等にゆるめることを意識

2. ハンドル位置を決める

ハンドルが動くようになったら角度を調整していく。

ハンドルの角度合わせ
▲ハンドルを少しずつズラしながらピッタリの角度にあわせていく。基本は地面と水平に。

極端にあげた状態
▲参考1:角度を極端にあげた状態

極端に下げた例
▲参考2:角度を極端にさげた状態

ハンドルの高さを調整する

次はハンドルの高さの調整方法だ。ハンドルの高さはスペーサー* との順序を変えることで調整する。

*)スペーサー:ステムの支柱となるコラム部分に一緒にはめられているリング状のパーツ。ひとつひとつ高さが違う。

ステムの高さ
▲ステムの高さを調整することで、ハンドルの高さが決まる。写真はMTBだが、調整方法は同じ。

1. ヘッドキャップを取る

ヘッドキャップのボルトをゆるめる
▲レンチを使ってヘッドキャップ部分のボルトをゆるめる

キャップとスペーサーをとる
▲キャップとスペーサーをとる

2. ステムとハンドルを抜き、高さを調節する

ハンドルを引き抜く
▲ステムごとハンドルを引き抜く

高さ調節
▲それぞれ高さが違うスペーサーの並びと、ステムを入れる位置で高さを調節する

高さを下げた状態
▲ハンドルを下げたければスペーサーの下にステムを設置

高さを上げた状態
▲ハンドルを上げたければスペーサーの上にステムを設置

3. ヘッドキャップを締めて固定する

位置を決めたらヘッドキャップをボルトで締めて完成だ。

ボルトを締める

乗り方にマッチしたポジションを探してハンドルを選ぼう

―――― 最後に、ハンドル選びで重要なことはなんですか?

石橋「やはりポジションです。自分のポジションを出すためにハンドルを選ぶということ。レースでもロングライドでもヒルクライムでも、どの乗り方でも疲れにくいものを探すんです。怪我につながるような負担が起きにくいポジションにするためにハンドルを替えることが重要だと思います」

―――― なるほど、ポジションを中心に見据えてハンドル選びをするのが大事なんですね。

石橋「そうですね。いろいろな考え方があると思いますが、僕が思うのはどんなシチュエーション、例えば登りでも下りでも、全部ポジションの数値を同じにしてみる。そこで平均してベストなパフォーマンスができるか。登りだけ握りやすいハンドルでも、普通に走っていたら疲れるとか、そういうのはバランスが悪いですよね。全体的に見て、いろんな乗り方でマッチできるポジションになるハンドル選びををおすすめします」

ロード乗りにとって、「理想のポジション」は常についてまわる悩みである。それぞれの目的や乗り方に最適なポジションを出したいなら、プロのフィッターのもとフィッティングを受けてみるのもひとつの手だ。

ハンドル交換やフィッティングを通じて、より良い一台を作り上げていただきたい。

VIKING the MAINTENANCE

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WRITTEN BY増渕俊之

出版社勤務を経て、フリーランスの編集/ライター。編著に『これがデザイナーの道』『自転車ファンのためのiPhoneアプリガイド』『岡崎京子の仕事集』がある。現在、編集を手がけた岡崎京子の単行本『レアリティーズ』が発売中。

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