中古自転車 盗難 イメージ

買ったバイクが盗難車だった!? 最悪の事態を回避するための方法

近年ではネットオークションに加えフリマアプリなど、中古市場がグンと身近になりました。気軽にお買い得な自転車を探せる反面、可能性として決してゼロではないのが「盗難車」を買ってしまうということ。
もし自分が買った中古自転車が盗難車とわかったら、さあ何から対応する?逆に、盗難された大事な愛車を中古市場で発見したら……?

今回はそんな中古売買における盗難車への対処法について、“日本で一番自転車乗りの権利を考える“事務局長・内海潤さんにアドバイスを頂きました。

中古自転車が盗難車でないか確認する方法

例えばオークションで目当ての自転車が出品されている。やっと出会えた商品だったとしても、何も考えずに落札するのは危険だ。まずはその自転車が盗難車でないことをしっかりと確認しておきたい。

▲「見つけた!即落!」は危険。中古自転車の売買は、衣類や雑貨のそれとはワケが違う

正式に「譲渡自転車」となるよう、出品者が対応しないといけないことは2つ。防犯登録の抹消手続きと、譲渡証明書の作成だ。
それを見分けるには、商品説明に以下の記載があるか確認しよう。

  • 防犯登録の抹消手続き(手続き控えがある)
  • 譲渡証明書を作成する(旧所有者の住所、氏名、連絡先が分かれば書式は自由)
  • 旧防犯登録カード

これらが確認できれば、まずは安心ととらえて良いということだ。(なお抹消手続きが済んでいれば、旧防犯登録カードはなくてもOK)

上記の確認をせず、前所有者の防犯登録情報のまま中古自転車に乗っていると、あなた自身が盗難したのでは?という疑いを晴らすことが非常に困難となる

▲画面越しの相手が窃盗犯である可能性を断つ

中古自転車が盗難車!?疑ったときにやること

落札・購入前に盗難車でないことを確実にしておくのがベストだが、譲渡手続きの存在を知らずに購入してしまったときはどうすれば良いのだろう。

自転車に手続き書類が添付されているか確認する

まず、届いた自転車に「譲渡証明書」「旧防犯登録カード」「防犯登録抹消手続き控え」がきちんと添付されているか確認しよう。これらが確認できない場合は、盗難自転車である可能性がゼロではないのだ。
また自転車本体に必要書類を添えて送ると言っていたのにも関わらず、それらが無かった場合も、出品者に連絡して送ってくれるよう依頼する。万が一、発送する気配が無ければ盗難車の可能性を疑い、「警察に連絡するがいいか」と出品者に再度、確認をしてもらいたい。

▲関連書類は一式そろえたものを必ず送ってもらうこと

旧オーナーから連絡があったとき

次に、旧所有者が偶然見つけて返して欲しいと連絡があったら、これから書くことを実行して欲しい。

  1. 譲渡証明書(作成したのが泥棒の可能性がある)と自転車本体を持って警察署(交番)へ行き、事情を話す
  2. 旧所有者(盗まれた人)と話し合って落札金額を支払ってもらう
  3. 旧所有者が近県在住であればクルマで取りに来てもらう
    (自転車を着払いで返送することも可能だが、梱包が大変で料金も高い)

落札者は盗難自転車だと知らなかった「善意の第三者」として速やかに手続きをすること。催促されるまで乗っていようなどと考えたら、善意の第三者とはみなされず共犯者扱いされる場合もある。せっかく落札した自転車を返さないといけなくなるのは辛いが、代金は旧所有者に出してもらうから懐は痛まない。

旧所有者が「新しい自転車を買ったので、もう要らない」と言えば、権利放棄なので新所有者として防犯登録できるが、その前に抹消手続きと譲渡証明書の作成をお願いしよう。

愛車をオークションで見つけたら

もしあなたがこのケースで旧所有者となり、盗まれた自転車がオークションに出品されていたら、やるべきことは次の通り。

  1. 警察署(交番)に行って事情を話し、被害届を作成してもらう
  2. まだ落札されてない場合は自分で落札し、自転車を取り戻した後で警察へ連絡する。指示によりオークション会社へ連絡して出品者情報を提供してもらう
    →犯人が逮捕されたら落札代金を支払ってもらう
  3. もし別の人に落札されていた場合、先方が善意の第三者であれば相談して対価を支払って(落札金額など)返してもらう。ただし2年間で時効が成立する。先方が古物商や営業質屋だった場合は1年間に限り、無償で引渡しを求めることができる。
    →警察へ連絡して犯人を捕まえてもらい、支払った金額を犯人から払ってもらう

愛車がオークションに出品されていたら、と考えただけでもゾッとする。そうならないよう、普段からツーロック・アースロックを心がけたい。

▲駐輪して良い場所に、2つ以上のカギ(ツーロック)&地球とつながっている木や鉄柱への施錠(アースロック)は鉄則

中古自転車を買うときの心得

ここまで読んでくれた読者の皆さんは防犯登録の抹消手続きが済んでいない自転車を買うことはないと思うが、中古自転車を買う上で知っておいてもらいたいことがある。

出品者を見極め、納得いくまで質問を

まず大前提として、中古自転車は信頼できる出品者から買うこと。例えば顔見知りであれば、後々苦情を伝えることもできるが、原則として買ってしまってから文句は言えないと心得よう。その上で多少の不具合には目をつぶる覚悟を持とう。それができないなら中古自転車なんて手を出すべきではない。高くても新車を買った方が幸せだ。

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▲ほんの小さな傷ひとつ許せないなら、おとなしく新車を買おう

筆者も昔マウンテンバイクをオークションで落札したことがあるが、届いてすぐにヘッドショック部分に不具合があると気付いた。一応稼働するのだが異音もする。段差を越えるたびガコッと音が出るのだ。
オークションには「顔の見えない相手から現物を見ないで買う」というリスクがある。乗っていていい気分はしないし、しばらく我慢して乗っていたが、結局乗らなくなってしまった。今でも車庫の隅に置いてあるが、見るたびに後悔の念にかられる。
新車で買えば30万円は下らないのが6万円くらいだったから納得はしているが、旧所有者もそこに不満があったのか、あるいは金に困ったのか、「何かワケがあって手放す」ということを念頭に置いて考えた方がいい。できれば手放す理由も聞いておきたいところだ。
小さなことでも、不明点があれば積極的に質問しよう。的を射た回答が返ってこなければ、どんなに欲しくても諦めた方がいい。きちんとした出品者なら必ず返事はくれるし、大事にしていたなら手放すのが惜しいという雰囲気も感じられるはず。早いところ処分したいという焦りが感じられたら辞めた方がいい。

このあたりはネット上のやりとりがメインなので限界はあるが、何も訊かずにハイハイと買ってしまったら後悔してもしきれない。とにかく後手に回ると文句は言えないから、先んじて必要な手を打っておく。
譲渡証明書の作成や防犯登録の抹消なども後から頼んで拒否されてはタマラナイ。顔が見えない分、嫌がられても依頼しておかないと損するのは買った方なのだ。よくよく注意されたい。

自転車が届いたら

防犯登録の抹消手続きが済んでいて整備もされた自転車が届いたら、早速サイクリングへ行きたい気持ちを抑えて、先に防犯登録所(自転車販売店など)へ自転車本体と各種書類を持って登録しに行こう。防犯登録カード(お客様控)をもらったら、カードを紛失した際に備えてスマホで写真を撮ることを忘れないで。また有効期限は県によって異なるので登録時に確認してもらいたい。

自分が自転車を手放すときには

まず防犯登録の抹消を

 防犯登録は現時点で都道府県ごとの管理になっており、名義変更もできないので、譲渡する際は旧所有者が登録を抹消してから新所有者が改めて登録し直す必要がある。オークションなどに出品する際は防犯登録が抹消済みであることを明記すれば安心して落札してもらえるだろうし、友人などに直接譲る場合でも抹消手続きを怠ると友人が窃盗犯として容疑をかけられる恐れもあるので、あとで恨まれないよう面倒でもやっておこう。

登録シールが貼られていなければ、警官に所有を証明するのは困難
防犯登録ステッカーを剥がしただけで抹消とはならないので、自転車販売店に自転車本体と防犯登録カード(お客様控)、身分証明書を持参して手続きするが費用はかからない(※1)。防犯登録カードと身分証明書があれば自転車本体は不要と書いてあるホームページを見かけるけれど、少なくとも東京都では自転車本体(に刻印された車体番号(※2))がないと受け付けてくれないので、必ず自転車に乗って販売店へ行って欲しい。

※1)都道府県によっては有料の県もある(¥100程度)(2018年6月現在)
※2)フレームナンバー、シリアルナンバーとも言い、本体に刻印されている

このときもしカード自体を紛失してしまっていても、スマホで撮影した写真が残っていれば大丈夫。カードにある車体番号、モデル名、車体の色が目の前にある自転車と合致して、旧所有者の氏名や住所が、免許証など身分証明書と符合すれば、万が一カードを失くしてもスムーズに抹消手続きができるので覚えておこう。

抹消手続きだけではもったいない

わざわざ抹消手続きだけのために自転車店に行くのはナンセンスだ。いくばくかの費用を払えばオークションへ出品する際に「自転車店で整備済み」と書ける
普段から自分で整備している人なら別だが、買ってからチェーンに油をさしたことすらない人は絶対に整備してもらって欲しい。自転車は機械モノなので定期的な点検と整備が欠かせない。本来の性能を発揮してもらうには注油や増し締めをはじめとする整備が必要だし、きちんと整備された自転車は基本的に駆動系が無音でスムーズに回るものだ。
自転車の気持ちよさは風を切って走る爽快感が大きいが、それはキーキー異音がしたり、回転部分が渋くなって漕いでもなかなか進まなかったり、といったトラブルがないのが前提だ。
もちろんオークションは3N(ノーリターン、ノーキャンセル、ノークレーム)だけれども、お互いに気持ちのいい取引をしてもらいたいので(特に自転車の場合は中古で買うのがリスクだということもあって)、顔が見えない分、できるだけ安心感のある条件で譲渡が成立すると素晴らしいと思う。

「譲渡証明書」の作成は必須

抹消手続きを済ませて自転車も整備した。さあ安心して新所有者へ譲渡を、と行きたいところだが、それだけでは書類が足りない。旧所有者が合意の上で手放した自転車だという譲渡証明書が必要となる。「そんなの自転車を買った際にもらわなかったぞ」と心配しなくてもいい。各県の防犯登録団体がホームページからダウンロードできるよう用意してくれているので安心してもらいたい。実は県ごとに「これでなきゃダメ」と決まったフォーマットがあるワケでもない。ちなみに東京都の書式はコチラ

重要なのは旧所有者の個人情報と捺印および旧防犯登録番号で、これが抹消されているか確認できること。旧防犯登録カードも自転車と共に譲渡しよう。
ここまでして、やっと盗んだ自転車ではないと証明できるワケだ。新所有者はこれらの書類を持って自転車店(防犯登録所)へ行けば、晴れて自分の物だと証明できるようになる。

譲渡手続きを知って盗難車を避ける

中古自転車を購入し、最終的に自分の所有物にするためのステップと、そのために必要な書類が頭に入っていれば、購入前に必ず確認することが出来る。
まだまだ走れる自転車を、乗り手が代わっても乗り続けることこそ、サステナブルな時代にふさわしい。出番のこない自転車は不幸だが、長く乗り継がれる自転車は実に幸せ者だ。
盗難車を買ってしまわないように、余計なトラブルにならないように、安心のための手続きはしっかりと把握しておいてほしい。

監修:サイクルアシスト オオバ 大場忠徳

WRITTEN BY内海潤

NPO法人 自転車活用推進研究会 事務局長 東京サイクルデザイン専門学校の非常勤講師として次世代の自転車人を育てる一方、イベントや講演会などを通じて自転車の楽しさや正しい活用を訴える活動を続けている。テレビへの出演多数。共著書に「これが男の痩せ方だ!」がある。別名「日本で一番自転車乗りの権利を考えている*事務局長」(*FRAME編集部見解)

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