山岳ロングライダーが語る、自転車ライト最高峰「CATEYE Volt 1700」の魅力

暗くて道路状況が確認しにくい夜や峠道は、安全面がとっても心配。そこで重要になるのがライト(前照灯)です。道交法上取り付けなければならないという側面もありますが、夜道の不安さを一度経験すれば、その必要性は強く感じられるでしょう。

今回は、オーバーナイトライドで山岳越えも経験した筆者が、最高峰の性能を持つライト「CATEYE Volt 1700」をご紹介します。

CATEYE Volt 1700の2つの大きな特徴


CATEYE Volt 1700(以下、Volt 1700)は、自転車用のライトです。ライトにはいろんな製品がありますが、Volt 1700ならではの特徴は、圧倒的な明るさと長時間稼働させられるのふたつ。

特徴1. ひたすら明るい


ライトでまず見るべきポイントは「行く先をどれだけ明るく照らせるか」です。

道路上には凹凸や穴、急カーブなどがあり、薄暗い夜間はこれらにうっかり突っ込んでしまいやすく、トラブルが発生しやすいからです。

10m先の対象物もはっきりと映す明るさ

この点、Volt 1700はかなりの明るさを誇ります。ざっくり写真でお見せしましょう。

▲無灯火時。

▲Volt 1700のもっとも明るいモードで照らしたところ。明るすぎて色飛びした。

この2枚の写真は、同一の設定をした同一のカメラで、ほぼ同じ場所から撮影しています。

手前の灯篭にまず目が行くかと思いますが、重要なのはむしろ背景。無灯火時の写真ではわからなかった、地面がはっきり見えています。また、10mほど先にブロック塀があって、その奥に車が停まっているのも見えるでしょう。

明るいと危険予測が可能

高速×暗がりというシーンでは危険の認識が難しくなる割に、対処までの猶予は日中同様。

Volt 1700の明るさはまさに暗闇を切り裂く勢い。特に街灯がほとんどない郊外や、高速ダウンヒルでその威力を発揮します。もちろん、遠くの対向車にも自分の存在を伝えるという仕事も十分に果たしてくれます。

特徴2. 実稼働時間が〜15時間と長い

Volt 1700は大容量のバッテリーを搭載しています。もっとも明るいモード(ハイモード)での稼働時間は公称2時間。一見、それほど長いようには思われませんが、ここまでの明るさを要する場所はそれほど多くありません。

ハイモードで運用するのは、高速走行になり道路状況の認識が非常にシビアな下りくらいです。

▲ハイモード:約1700lmで2時間稼働

▲ミドルモード:約500lmで約5時間稼働

▲ローモード:約200lmで約15時間稼働

実際にはより消費電力の少ないロー/ミドルで運用することが多いので、それより長い時間使える場合がほとんどだと思います。筆者の場合だと、4〜5時間ほど使えるケースが多いです。

都市部や幹線道路ではほぼローかミディアムで運用していますし、ヒルクライムもそこまでスピードが出ないのでミドルでも十分に周囲の状況を把握できます。

夜に冒険したいならこの水準のアイテムが必要

▲正面側から見たVolt 1700。隣にあるのはデイリーユースに向くCATEYE Volt 400。Volt 1700はかなり大きい。

ただ、Volt 1700は定価26000円(税抜)。割と本気でお高いです。はっきり言って、Volt 1700は街乗りや通勤などにはオーバースペック。デイリーに使うなら、もっと廉価な製品で十分です。

では、どんな人のためのものなのか? それは反対から考えると見えてきます。明るい前照灯なしでナイトライドをしていいのでしょうか?

筆者の場合、Noでした。どう考えてもやるべきじゃないと思いました。でも、夜にしかできない体験が確かにあり、自転車に乗る以上は、ふだんできないことをしたいと思っていました。

ライトがあれば非日常的な体験と感動が待っている

▲塩尻峠の頂上。ここから夜の大下りが始まる。

結果として、夜中に出発して200〜300km走るといったライドもVolt 1700一本でいけることが多いです。

たとえば、未明に東京都内を出発して夜までに長野の塩尻まで、複数の峠を越えて行く(約225km)、なんてライドもこれ一本でOK。

夜20時に出発して朝まで走り続けるようなブルベやオールナイト走行の場合は、さすがにサブが必要になりますが、夏場なら追加で一灯あればいけるでしょう。

▲山梨県・ほったらし温泉から見る、笛吹市の夜景。

たとえば、有名な山梨県笛吹市の夜景を見ることができたのは、Volt 1700のお陰です。この夜景を見て帰るには、街灯がほぼない山道を夜に登り、下る必要がありました。

▲長野県・諏訪湖の夜景。

長野県の塩尻峠に夜に登れば、諏訪湖の夜景を眺めることができます。こんな時間に高所にいる以上、暗闇の中でのダウンヒルは避けられません。

暗闇の中を走るのは、明らかに危険なことです。そうしたことを無策に行って事故を起こしたりするのは、望ましいことではないでしょう。

しかし、夜に心踊る冒険のようなライドをするなら、このレベルの製品を使って安全を確保しなければならないでしょう。無事にライドを終えて、日常に帰らなければなりませんから。そして、そのための必要十分な性能がVolt 1700にはあると思います。

ナイトライドについての記事はこちら
昼より快適で絶景も⁉︎ ナイトライドの魅力と装備・注意点

ナイトライドだけでなくブルベや超山岳コースでも有用

▲Volt 1700のバッテリーは交換可能。予備のバッテリーを持っておけばさらに長時間使える。

たとえば、ブルベなどの超ロングライドにチャレンジしたい人には、その実稼働時間の長さが魅力的に映るのではないでしょうか。

また、獲得標高数千mに及ぶ超山岳コースにチャレンジしたいというヒルクライマーにもおすすめできるでしょう。

そうしたコースでは、思いがけず時間がかかって日没を迎えてしまうことがあります。その際には、圧倒的な明るさでダウンヒルをある程度安全にできることには大きな価値があります。ヒルクライムでよく出会う、薄暗い峠道やトンネルでもとても頼もしいはず。

完全無欠の製品ではない

ここまでわりとベタ褒めしてきましたが、不満ゼロの製品というわけではありません。特に、「充電しながら点灯できない」という仕様は、CATEYEの前照灯全般に共通する弱点。換装用バッテリーも販売されていますが、モバイルバッテリーで給電できたほうがどう考えても嬉しいです。

ほかにも、重量が256gもある、充電にかかる時間が5〜15時間と非常に長いという点も気になることがありますが、これは明るさを実現するためのトレードオフであり、致し方ない点かなと。

まとめ:チャレンジングなサイクリストにおすすめ

不満はあっても、根幹となる機能面が優秀なため、Volt 1700は大がかりなナイトライドやロングライド、ヒルクライムに挑もうというチャレンジングなサイクリストなら費用対効果を感じやすい製品ではないかと思います。気になった方は、夜が絡むライドでその威力を試してみてください。

やざわ すみひこ

WRITTEN BYやざわ すみひこ

都内近郊の峠に週末繰り出すヒルクライム・ロングライド好き。長期休暇で自転車旅に出て日本国内を走りまわる。

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