”休めるダンシング”で急な上りも怖くない!~教えてハシケン先生#06

「もっとラクに走れるようになりたい」、「もっと速く走れるようになりたい」。スポーツバイクを楽しんでいる多くのサイクリストは、そんな思いを持っていることでしょう。これは、サイクルスポーツジャーナリストで、さらに国内トップクラスの強豪ヒルクライマーでもある “ハシケン先生”が、自転車がさらに楽しくなるように、乗り方のテクニックを紹介する連載企画です。

ポジションは前寄りに安定させる

シッティングよりも大きなパワーを出しやすく、傾斜が急な坂道をクリアするときや加速したいときに使うことが多いダンシング。前回の「ダンシングは“踏まずに乗せる”がポイント!」でも紹介しているように、ある一定時間続けるダンシングでは、筋力に任せたパワフルなフォームではなく、体重をペダルに上手に乗せながらバランスを取るフォームが理想的です。今回は、大きなパワーを発揮できるダンシングとは別に、筋肉を休められるダンシングを紹介します。

休めるラクなダンシングは、大きなパワーを発揮する通常のダンシングとは違い、パワーは大きくない代わりに、筋肉や心臓への負荷を軽減できます

休めるダンシングの基本スキルは、通常のダンシングと同じです。バイクの上で体幹を安定させて、体重をペダルに乗せる意識でペダリングをします。体幹を安定させるためには、頭とお尻の位置がブレないように身体の軸を意識することがポイントです。
そして、ペダルに乗せるタイミングは、クランクが時計の1~3時の位置をイメージしましょう。早めに踏み込む意識がスマートなダンシング習得のもうひとつのポイントです。

基本的な部分は同じですが、休めるダンシングのコツとしては、ハンドルとペダルに乗せている荷重のバランスを調整することです。ハンドルへの荷重を増やして、ペダルに乗せていた荷重を抜くことで、脚の筋肉への負荷を減らすことができます。パワーは出ませんが、ラクにペダリングをすることができます。

ハンドル荷重がいつも悪いわけではなく、目的に応じて体重移動をしてダンシングを使い分けることが大切なのです。

通常のダンシングと休めるダンシングの比較

通常のダンシング:ハンドルへの荷重よりもペダルへの荷重が大きい。
▲通常のダンシング:ハンドルへの荷重よりもペダルへの荷重が大きい。

休めるダンシング:ハンドルへの荷重を増やすことでペダルへの荷重を抜いている=脚の負担が減って休める。
▲休めるダンシング:ハンドルへの荷重を増やすことでペダルへの荷重を抜いている=脚の負担が減って休める。

ハンドルへの荷重が増える休めるダンシングでは、体幹を安定させましょう。ダンシング中に身体がフラフラしていると無駄にエネルギーを使ってしまい、脚への負荷を減らせません。

ポイントは、通常のダンシング同様に、バイクの上で身体のポジションを高い位置でキープすることです。下死点までペダルを踏んでしまうと、次のひと踏みは、脚の筋力で踏み込まなければなりません。無理に踏み込もうとした結果、身体の軸がブレてしまっている姿をイメージできるでしょう。

 身体の位置が下がると、脚の筋肉で力づくで踏み込むしかない。
▲ 身体の位置が下がると、脚の筋肉で力づくで踏み込むしかない。

休めるダンシングのコツがつかめたでしょうか。ヒルクライムが得意な人は、坂道の勾配や身体の疲れ具合によって、通常のダンシングと休めるダンシングを使い分けながら走っています。次のライドの際、休めるダンシングを使ってみましょう。

●バックナンバー
上りのペダリングのコツは空き缶つぶし? ~教えて!ハシケン先生#01
“上りやすい”フォームで走ろう!~教えて!ハシケン先生#02
ペダリングはタイミングが重要~教えて!ハシケン先生#03
ダンシングは“踏まずに乗せる”がポイント! ~教えて!ハシケン先生#04

橋本 謙司

WRITTEN BY橋本 謙司

自転車を専門にするフリーランスのスポーツジャーナリスト。自転車専門誌の編集部時代から、ライディングスキルなどのノウハウ企画を数多く手がけ、プロ選手やコーチ、週末サイクリストなど幅広い層のサイクリストたちと交流を深めてきた。自身も強豪ヒルクライマーとして、国内外のヒルクライムやロードレースに積極的に参加。「ツールド八ヶ岳」のチャンピオンクラス優勝、国内最大のヒルクライムレース「Mt.富士ヒルクライム」の一般の部で総合優勝など、国内ヒルクライムレースで優勝・入賞多数。http://www.hashikenbase.com

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