
秋~冬のサイクルウェアの選び方|気温別3パターンから応用テクを伝授!
暑かった夏も終わり、ライドに最適な季節がやってきました。朝晩の時間帯や山の上などは、もう半袖ジャージでは涼しく感じることも。さてウェア選びのポイントは?
シーズンオフの真冬だって、コツをおさえたウェア選びで快適ライドを実現。
今回は秋~冬に向けてのサイクルウェアをどう選べばよいかご紹介します。
目次
秋~冬のサイクルウェアの選び方
半袖ジャージでは寒く感じる季節。特に朝晩や高所は気温が低くなるので、ウェア選びが悩ましいですね。
自転車のウェアリングの基本は「重ね着(レイヤリング)」です。
レイヤリングとは?
レイヤリングとは、重ね着のこと。
サイクルウェアの場合の一例を挙げると、
- トップス
- アンダーウェア
- ジャージ
- アームカバー
- ベスト
- ウィンドブレーカー
- アンダー
- サイクルパンツ
- レッグカバー
- ソックス
- オーバーシューズ
このように、ジャケット一着で寒さをカバーするのではなく、重ね着で空気の層を作ることにより、暖かさを維持します。
サイクリングの途中で暑くなった場合も、ひとつずつアイテムを脱ぎ外しすることで、細かな体感温度の調整が可能になります。

冬仕様のアイテムをそろえておく
夏は速乾性のある素材を選ぶように、保温性のあるメリノウール製などの〝冬に適した素材〟を選ぶことで、真冬のライドも快適になります。
アームカバーやレッグカバーも、夏はUV対応のもの、冬は裏起毛タイプと使い分ければ、気温差に幅広く対応できます。
▲内側が起毛素材となっているアームウォーマ
PEARL IZUMI 408 サイクルウェア アームウォーマ[メンズ]
▲レッグウォーマ
PEARL IZUMI 418 サイクルウェア レッグウォーマ[メンズ]
気温別!アイテム選びのコツ3パターン
気候、気温にあわせたアイテム選びのコツを覚えておけば、どんなシチュエーションでも応用できます。
「ちょっと肌寒いとき」「気温差の激しいライド」「スタート~ゴールまでずっと寒いとき」この3ステップでポイントを学んでいきましょう。
大事なのは〝ライド前のしっかりシミュレーション〟 &〝必要最低限のアイテムチョイス〟の2つです!
Case 1:15℃前後、長袖ジャージを着るほどではない場合
半袖ジャージでも、下に着るアンダーウェアの素材や、アームカバー、レッグカバーの選択で温度調整をすることができます。半袖ジャージでは少し肌寒いけれど、長袖ジャージにするほどではない気温のときはプラスアイテムで調整しましょう。
アンダーウェア、カバーで工夫
夏用のアンダーウェアは薄く、防臭速乾性のある素材が使用されています。そこをメリノウールに変えれば、汗冷えを防ぐ効果があるので、涼しい季節の着用におすすめです。
mont-bell モンベル スーパーメリノウール L.W. UネックTシャツ Women’s BK M
サイクルウェアにも定評があるモンベルのアンダーウェアをチェック!
→「冬の自転車乗り用アンダーウェア「mont-bell(モンベル)」のインナーの特徴とおすすめポイント」
また、アームカバーやレッグカバーも、夏用のUV対策用のものから、冬の防寒用の裏起毛や、ウール素材のものまであるので、気温に合わせて選択することで、快適なライドをすることができます。
暑くなってきたらアームカバーを下げれば良いので、 中途半端な気温のときは長袖ジャージよりおすすめ。
ちょっと羽織るのに便利! ベスト&ウィンブレ
長袖ジャージを着るほどではないものの半袖は少し寒いとき、また峠からの下りがちょっと寒いかなという場合は、ベストやウィンドブレーカーが活躍します。
(リオン・ド・カペルミュール) Lion de KAPELMUUR サイクリング ウインドベスト 千鳥フリクション ブラック×ピンクライン liwv003 <メンズ><レディース> liwv003 ブラック×ピンクライン M
現役メカニックがおすすめするウィンブレはコチラから
→「機能的でおしゃれなウィンドブレーカーおすすめ10選」
ウィンドブレーカーで寒い場合は、多少蒸れやすいですが、レインウェアを着るのも手。
mont-bell(モンベル) サイクル レインジャケット オレンジレッド Sサイズ 1130409
Case 2:気温差が激しいヒルクライムやロングライド
平地から高度の高い山を登ったり、早朝から夜まで走ったりする気温差があるライドの場合は、レイヤリングを最大限に活かします。
厚手のウェアでは暖かすぎる、薄手のものだと寒すぎて対応できないといった、両極端なコーデは避けましょう。
例えば、9月に開催された「乗鞍センチュリーチャリティーライド」に参加したときのウェアを挙げてみます。
- スタート:標高1,500m地点。早朝の気温は17℃
- 乗鞍エコーラインを登って山頂:標高2,700m、約7℃
- 下って飛騨から野麦峠:一番高い標高1,500m
乗鞍山頂からの下りが一番寒く、強風も考えられます。気温3℃でも対応できるウェアが推奨されました。
対して、低地の登り区間は暑くなります。ずっと同じウェアというわけにはいきません。
下りの防寒用として、5℃以下に対応する冬用ウェアを持っていければ問題はありませんが、防寒に優れる分、なにしろかさばります。
防寒着が必須であっても、荷物はなるべく軽く少なくが原則。この時に選んだウェアは以下の通りです。(赤字は下り用の防寒着)
- ウールの半袖ウェア、ウールのアームカバー
- ウールの半袖アンダーウェア
- ベスト、ウィンドブレーカー、ネックカバー
- 夏用UVフルフィンガーグローブ、冬用グローブ
- 10℃対応ウィンドブレークタイツ
- ウールソックス
▲ポリエステル&ウール製のラファのブルベジャージ
画像出典:Rapha

▲裏起毛で10℃対応のパールイズミ ウィンドブレーク ライト タイツ
画像出典:パールイズミ
ライド中の気温差があるけれど、あまり荷物を持って行けない場合は、首回りを手ぬぐいなどで覆うのも防寒に役立ちます。
なお、指先の防寒はブレーキ操作などに密接に関わりますので、十分注意して防寒の用意をしてください。
手足の防寒に役立つTips満載の記事はコチラから
→「ベテランサイクリストが伝授する手足の冷え対策9点」
Case 3:スタート-ゴールまで5℃以下
スタートからゴールまで終始5℃以下の気温の場合は、冬用のアイテムでそろえます。
トップスにはウィンドブレーク機能を備えたジャケットか、ジャケット+ウィンドブレーカーのセットをチョイス。
ボトムスはウィンドブレーク仕様のビブタイツなどを着用すればよいでしょう。
▲暖かさと動きやすさを兼ね備えた「ウィンドブレーク」生地。アクティブに走ってもムレや汗冷えがなく快適なアウタージャケット
(パールイズミ) PEARL IZUMI W7500BL ウィンドブレークジャケット W7500BL 14 ホワイト M
長袖ジャージと冬用ジャケットのおすすめはコチラからチェック!
→「冬の防寒に!おすすめサイクルジャージ・ジャケット16選」
▲下半身前面に撥水性のある防風素材を採用した冬用のビブショーツ
KAPELMUUR(カペルミュール) ウインドシールド ビブロングタイツ ダブルライン ブラック L
このビブタイツ、女性はトイレに時間がかかるので敬遠されがちでずが、上にも1枚増えるので、冬はタイツよりも暖かいです。おなかの冷え対策にも効果があります。
最近は着脱のしやすいビブタイツも出ていますので、寒いところのライドが多い方はウェア選びの候補の一つに加えてみてはいかがでしょうか。
ここにさらに、冬用のグローブ、ソックス、シューズカバーをプラスしていきましょう。
▲保温性がありながらゴワつかない「コルティナ ベントブロック ミディアムグローブ」
▲蒸れにくく保温性のあるメリノウール素材を使用した5本指ソックス「TRR-32G」
R×L SOCKS(アールエル ソックス) TRR32G 1011 ブラック×チャコール M
▲爪先や足の防寒対策に、防風用シューズカバー
[ルコックスポルティフ] シューズカバー 起毛なし QCAMGX03 ブラック L
シューズカバーってどう選んだらいい?こちらも要チェック!
→「ロードバイクのおすすめシューズカバー5つと上手な選び方」
寒さ対策の基本はレイヤリングで空気の層を作ることですが、一方、すき間を作らないことも重要です。例えばタイツの丈が短めだと、ソックスとの間にすき間が。そんなときはソックスを長いタイプにする必要がありますね。
またタイツの丈は、メーカーによって差があるので、できれば試着してからの購入がオススメ。海外製のアイテムの方が長めに作られているようですが、国産のパールイズミにも、トールサイズという通常よりも4cmほど長めの丈のラインナップがあります。
冬に大活躍するアイテムを紹介した記事はコチラ(実際に使って選んでます!)
→「現役サイクリストおすすめ!冬の自転車ウェア・防寒アイテム24個」
おわりに
ひとくちに冬用サイクルウェアと言っても、気温や走る場所によって、その選択はさまざま。一番大事なのは、快適にライドができること。体感気温を調整しながら走れるように、ウェアを脱ぎ着しながら調整できるのがベストです。
タイツの厚さや、インナーとジャケットを調整しながら、最適なウェアリングを見つけてくださいね。
