サイクルスポーツジャーナリストで、さらに国内トップクラスの強豪ヒルクライマーでもある “ハシケン先生”が、自転車がさらに楽しくなるように、乗り方のテクニックを紹介する連載企画です。今回からは週末サイクリストにオススメな、自転車を使わなくても日常生活の中で簡単に鍛えられる「ながらエクササイズ」を紹介します。

なぜサイクリストにとって体幹が大切なの?


「体幹を意識して走ろう」、「体幹を使えると走りが変わる」。ロードバイクを始めてから、耳にタコができるほど聞いた言葉かもしれません。自転車はサドルに座ってペダルを踏めば、誰でも気持ち良いスピードを感じられます。しかし、ある一定の速度まで達すると、スピード維持が難しくなってしまいます。また、長時間走っているとカラダのあらゆる部位にストレスを感じやすくもなります。このように、ロードバイクに乗っていると感じる壁や悩み。それを解消して、快適に速く走るための鍵が“体幹”なのです。

体幹は、胴回りから胸にかけた胴全体のことを指しています。腹筋だけではありません。ではなぜ、体幹を意識したり強化することが大切なのでしょうか?

ペダリングでしっかりと効率的に力を伝えるためには、サドルの上で上体を安定させる必要があります。この安定を保つためには、カラダの中心である体幹で支える意識が大切なのです。
また初心者は、ハンドルにもたれかかって腕だけで支えたり、逆にサドルにどっしりと腰を下ろしがちです。そうすると、時間が経つにつれて腕や腰、お尻に痛みや疲労が出やすくなります。体幹で支えることを意識するとフォームが安定し、腕や腰、お尻への負担を分散でき、より楽に力強いペダリングができるようになるのです。

「体幹を鍛えましょう」と言われても、地味でつまらないからなかなか取り組めない。実際に走っているほうが楽しいというのは当たり前ですね。ならば、わざわざ体幹を鍛える時間を作るのではなく、普段の生活の中に体幹トレーニングを取り入れましょう。苦しいトレーニングではないので、不思議なことに一度習慣化させてしまえば続けることができます

デスクワーク中でも体幹を鍛えられる!


今回紹介する「ながらエクササイズ」は2つ。ひとつ目が、座っているときの姿勢を意識したエクササイズです。デスクワーク中に、お腹まわりの筋肉で上体を垂直に保つことで、体幹の安定を感じることができます。背中を反り返すのではなく、頭の上から引っ張られている感覚をイメージしましょう。日々の生活の中で意識し続けることで、バイクの上でも体幹を使えるようになるのです。

お腹まわりの体幹の力が抜けてしまうと、骨盤が前傾し背中へのストレスも増す。

▲お腹まわりの体幹の力が抜けてしまうと、骨盤が後傾し(写真右)背中へのストレスも増す。



テレビを見ながら体幹を引き締めよう


もうひとつが、自宅の壁などを使って行う体幹エクササイズです。まず、両足を肩幅ほどに開いて安定させます。そして、壁に斜めにもたれかかるように肘を伸ばしたまま両手を壁につきましょう。この姿勢から腕立て伏せの要領で肘を曲げ、伸ばします。この時にお腹に力を入れることがポイントです。お腹周りに力を入れながら行うことで、骨盤から頭の先まで真っ直ぐな一本の軸が通った感覚をつかめるはずです。逆に、お腹周りの力が抜けたまま取り組むと、背中が反ってしまい腰に負担がかかるので注意しましょう。夕飯後など、テレビを観ながら壁に手をついてやってみましょう。

かかとから頭の先までが一直線になるように、体幹を引き締める意識で安定を作ろう。

▲かかとから頭の先までが一直線になるように、体幹を引き締める意識で安定を作ろう。


次回も、日常生活の中で簡単に鍛えられる「ながらエクササイズ」を紹介します。お楽しみに!

●バックナンバー「教えてハシケン先生」
第1回 上りのペダリングのコツは空き缶つぶし?
第2回 “上りやすい”フォームで走ろう!
第3回 ペダリングはタイミングが重要
第4回 ダンシングは“踏まずに乗せる”がポイント!
第5回 キツい坂道を楽に走るための呼吸法
第6回 “休めるダンシング”で急な上り坂も怖くない!
第7回 ラクに上れる!シフトチェンジの基本テクニック
第8回 腰が痛いと思ったら・・・1分ストレッチで筋肉をほぐす
第9回 首・肩のコリは30秒ストレッチで解消
第10回 お尻の痛みを解消する3つの方法
第11回 ひざ痛を予防するフォームとセッティング

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