自転車旅が大好きなモデル兼トラベルライターの山下晃和(やましたあきかず)さんが、キャンプをしながらの自転車旅(バイク&キャンプといいます)の楽しみ方を伝える連載企画です。

ポイントは2泊3日。
この泊数を無理なく旅することができるようになれば、国内でも海外でも、長期間の旅でも問題なく楽しめるようになるという。とはいうものの、「どんな自転車が必要?」「必要なギアは?」「外で寝るの怖い(笑)」などなど、越えなきゃいけないハードルはいくつかあります。それらを初心者でもひとつずつクリアしていけるように、山下さんにはその旅のレシピを教えてもらう予定です。それではよろしくお願いします!

キャンプで使うならサスペンションなしでも問題なし


前々回前回とロードバイクでキャンプをする方法を紹介をしましたが、今回はMTB(マウンテンバイク)の詳細について書きたいと思います。

私が使っているMTBはベルギーのブランド、THOMPSON(トンプソン)のX9Rというモデルです。THOMPSONならではの強靭なフレームがウリで、それはMTBにも踏襲しています。ヨーロッパではMTBのクロスカントリーレースの人気があり、サスペンションがフロントのみについている「ハードテイル」というモデルが多くなっています。

クロスカントリー用はサスペンションが前だけなので、その分軽量になります(私が乗っているモデルはかなり古いので、フレーム自体はやや重たいのですが・・・)。キャンプツーリングメインとして乗るのであれば、このハードテイルか、そもそもサスペンションがないモデルでもいいかと思います。

こちらがトンプソンのハードテイル。MTBのホイールは、26インチ、27.5インチ、29インチとありますがどれも大丈夫です。私のX9Rは29インチですが、自分の身体のサイズに合ったフレームとタイヤ選びをしてください。

▲こちらがトンプソンのハードテイル。MTBのホイールは、26インチ、27.5インチ、29インチとありますがどれも大丈夫です。私のX9Rは29インチですが、自分の身体のサイズに合ったフレームとタイヤ選びをしてください。



バイクパッキングはアラスカで生まれたカルチャー


バイクパッキングという言葉はご存知でしょうか?ここ最近では、日本でも使われるようになり、広がってきているように思います。これは、MTBなどの山を走る自転車にキャンプ道具や調理器具などを積んで、凸凹のトレイルを走りながら旅をする新しいスタイルで、アラスカのレベレイトデザインというブランドがバイクパッキング用の大型サドルバッグを製作して、それを付けて走行したことから始まったのではないかと言われてます。

この辺の定義は、発祥が日本ではないため曖昧ですが、詳しい歴史は、北澤肯さんの著書「バイクパッキングBOOK」(山と渓谷社)をご覧になってください。

北澤肯さんの著書「バイクパッキングBOOK」(山と渓谷社)
そもそもアメリカには「バックパッキング」というキャンプ道具をバックパックに背負って、ログトレイルを歩くというカルチャーがありました。それとバイク(自転車)を掛け合わせたのが始まりで、荷物を積むというよりは、その行動や旅そのもののことをバイクパッキングと言います。

MTBの良さはトレイルライドができるということ。ロードバイクでは土や砂利の道では、滑って転倒してしまいますが、タイヤがゴツゴツで太くてサスペンションがあるMTBであれば、山を縦横無尽に走ることができます。

▲MTBの良さはトレイルライドができるということ。ロードバイクでは土や砂利の道では、滑って転倒してしまいますが、タイヤがゴツゴツで太くてサスペンションがあるMTBであれば、山を縦横無尽に走ることができます。



道を選ばず走れるのがMTBの魅力


ロードバイクのキャンプツーリングでは舗装路が中心の旅になるのに対して、MTBは未舗装路も舗装路も走ることもできるので、ルートの自由度がグッと高まります。

さらに、キャンプ場は、芝生や砂利や土の地面が多いのでギリギリまで走っていける点もオススメできます。私は持っていないのですが、ここ最近人気が出てきているグラベルロードはその中間的な立ち位置で、ディスクブレーキを搭載しているので制動力もあり、キャリアを付けられるダボがあれば、積載の自由度も高いため、あらゆる楽しみ方ができ、海外に比べて舗装率が高い日本の地の利に適した非常に魅力的な旅の乗り物と言えるでしょう。

THOMPSONにも今年からラインナップに入ったR9300というグラベルロードです。フロントタイヤがスルーアクスルというMTBでは主流になっている太めで頑丈な棒になっていて、クイックリリース同様、簡単に輪行ができます。こちらはリアキャリアが付けられるダボが開いているので、ロングツーリング仕様にもできます。

▲THOMPSONにも今年からラインナップに入ったR9300というグラベルロードです。フロントタイヤがスルーアクスルというMTBでは主流になっている太めで頑丈な棒になっていて、クイックリリース同様、簡単に輪行ができます。こちらはリアキャリアが付けられるダボが開いているので、ロングツーリング仕様にもできます。



「タイヤが太い」はそれだけでメリット


そもそもロードバイクよりもタイヤが太いということは、大きな荷物を積載してもパンクの可能性を少なくしますし、不整地でのハンドリングも安定させます。つまり大型のフロントバッグやサドルバッグを装着したり、場合によってはバックパックを背負っても、キャリアを付けてパニアバッグを引っかけても左右のブレが少なく、走りやすいわけです。また、前述のとおり、全体がヘビーウエイトになってもディスクブレーキは簡単にストップできます。

こちらはオルトリーブの大型フロントバッグであるハンドルバーパックMです。MTBであればロードバイクに比べてハンドル幅もあるので、装着も簡単です。

▲こちらはオルトリーブの大型フロントバッグであるハンドルバーパックMです。MTBであればロードバイクに比べてハンドル幅もあるので、装着も簡単です。



ハンドル周りには“長いもの”をセット


私のMTBは、フロントサスペンション付きのため、フロントキャリアの取り付けが難しく、大型のフロントバッグを使わざるをえません。使用しているのはドイツのブランドであるオルトリーブのハンドルバーパックMというモデルです。

非常に防水性能が高く、左右から中の荷物を出すことができ、その入り口は3つ折りで折り返すことで、雨水の侵入を防ぎます。表面の生地も強くなっているので、ハードなトレイルライドにも耐えられます。オルトリーブのサドルバッグと一緒でドローコードというゴムの紐が付いていますが、ここにはUNIFLAMEの焚き火台を装着しています。

焚き火台の土台のアルミ製のポールが長いため後ろのバッグに入らなかったためです。ここには長いものを積めるので、他にテントのポールや、長めのインフレーターなども装着できます。

バーエンドをつけてライド中の姿勢を変える


ハンドルバーの一番端っこにこちらのバーエンドというものを装着しています。本来は上りのときに引き手が使えるからという理由もあると思いますが、私は長い距離を漕ぐときに姿勢を変えられるように付けました。

▲ハンドルバーの一番端っこにこちらのバーエンドというものを装着しています。本来は上りのときに引き手が使えるからという理由もあると思いますが、私は長い距離を漕ぐときに姿勢を変えられるように付けました。


トレイルライドだけでなく、バイクパッキングや長い旅にも使えるようにハンドルバーエンドが付いています。ロングツーリングになったときに、手が疲れないようにするためです。ツーリングバイクに付いているドロップハンドルの良さは、疲れたときに姿勢を変えられるから付いているのですが、それに近い効果があります。また、トレイルで転倒したときにハンドル一点に当たるよりは、衝撃を逃がす効果もあります。

次回も引き続き私のMTBについてご紹介します。

●バックナンバー「バイク&キャンプのレシピ」
第1回 まずは旅に出てみよう!
第2回 テント、寝袋、マット。まずは三種の寝具をそろえるべし!
第3回 自転車旅に最適なテントとは?
第4回 ちゃんと眠れる自転車旅向けの寝袋とは?
第5回 キャンプツーリングに向いている自転車とは?
第6回 ロードバイクでキャンプは難しい?
第7回 自転車旅に最適なタイヤとは?
第8回 いろんなバイクで旅する方法
第9回 ロードバイクでキャンプに行く方法その1
第10回 ロードバイクでキャンプに行く方法その2

人気の峠をRoadQuestでみる

都民の森

都民の森:都内サイクリストの聖地!初心者ヒルクライマーの登竜門

ヤビツ峠

ヤビツ峠:一度は訪れるべき、関東ヒルクライマーの聖地

大垂水峠

大垂水峠:初心者向けのほどよく緩い峠!ただし大型車には注意

白石峠

白石峠:関東ヒルクライマーで賑わう、埼玉県の有名な峠。ハードな上りを制覇せよ!