自転車との相性はバツグン! ライド×自家焙煎でコーヒーを淹れる その1 ~2泊3日「バイク&キャンプ」のレシピ#15

自転車旅が大好きなモデル兼トラベルライターの山下晃和(やましたあきかず)さんが、キャンプをしながらの自転車旅(バイク&キャンプといいます)の楽しみ方を伝える連載企画です。

ポイントは2泊3日。
この泊数を無理なく旅することができるようになれば、国内でも海外でも、長期間の旅でも問題なく楽しめるようになるという。とはいうものの、「どんな自転車が必要?」「必要なギアは?」「外で寝るの怖い(笑)」などなど、越えなきゃいけないハードルはいくつかあります。それらを初心者でもひとつずつクリアしていけるように、山下さんにはその旅のレシピを教えてもらう予定です。それではよろしくお願いします!

いつもの河原もカフェになる?

ロードバイクで河川敷のサイクリングロードを走って、お気に入りのカフェに立ち寄り帰って来る。そんな休日を過ごす人も多いと思います。

自転車とコーヒーって本当に相性がいいですよね。

でもそのライドにコーヒーセットを持って行ったら、普段の休憩場所がたちまちカフェになると思いませんか?カフェセットを持っていくだけで、ライドの魅力が何倍にも増すと思います。自由なとき、自由な場所でコーヒーを楽しめるのです。

またソロもいいですが、パーティーでも楽しんむことができます。味はちょっと薄くなりますが、最大3杯~4杯分くらいは出せるので、仲間にふるまってあげると外カフェもさらに楽しくなるでしょう。

BIKE&CAMPでいうところの「キャンプの部分」がなくても、コーヒーを淹れる道具をそろえて、外カフェすることは、将来的にキャンプをしたい!と思っている人の第一歩になると考えました。今回はアウトドアでコーヒーを楽しんでみたいサイクリストの方に基本のキから書いていきます。ただし火が使えるところをしっかり選んでカフェを楽しんでください!

必要なギアは主にこの4つ

必要なギアは主にこの4つ
まず外でコーヒーを淹れるための道具は基本的にはこの4つ。プラスしてストーブ(バーナー)やお湯を入れるクッカー(鍋みたいなもの)があれば十分です。

左上のポーレックス社のミルは、コーヒー豆を挽くためのもの。ステンレス製で筒のようになっていて、中に白いセラミック製の刃を内蔵。上部にハンドルを装着してグルグル回すと上部に入れたコーヒー豆が、下部の受け皿部分へ粉になって出てきます。

そもそもコーヒー豆を「粉」で持って行く場合は、このミルは必要ありません。ですが、家でも使えるものですし、あって困るものでもないので、僕は外カフェを楽しみたい人全員にオススメしたいです。前述のとおり内刃セラミック製なのでサビもなく、耐久性もあり、10年、20年使えるヤツです。焙煎まではやらないという人も、これだけはぜひお買い求めください。

右下のドリッパー(赤いヤツですね)はバネ状のものもありますが、風に弱いため、キャンプの時はシリコン製かプラスチック製のものが良いと思います。さらに、シリコン製のほうが折り畳めるので自転車には良いかもしれません。サドルバッグやバックパックに入れる際は緩衝材としての役割もあります。左下の紙はドリップ用のペーパーです。これは100円ショップなどでも売っています。

右上のかわいいオレンジ色のカップはアメリカ製のDINEX(ダイネックス)というブランドのもの
右上のかわいいオレンジ色のカップはアメリカ製のDINEX(ダイネックス)というブランドのものです。普通のマグカップは自転車の振動で割れてしまったり、ホットドリンクがすぐ冷めてしまったりするのですが、こちらは見た目がキュートなだけでなく、軽量、頑丈というところがキャンパーたちにも人気です。
登山などで持って行く銀色のシェラカップでも良いのですが、こちらは中に保温保冷素材が入っているので、温かい飲み物や冷たい飲み物が長く楽しめるのです。外カフェにはもってこいです。
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ポーレックス社のミル
ポーレックス社についてくわしく書きます。鹿児島県霧島市に自社工場があり、すべて日本で製造されています。セラミック刃をはじめ、調理器具のスペシャリスト。このコンパクトなミルは、もう一つ小さい1人用サイズと写真の2~3人用サイズのものがあります。世界中のカフェで販売されているほど人気です。アメリカのポートランドで、僕が大好きなカフェに置いてあったときは感動しました。写真のようにミルは本体とハンドル部分が取り外せるようになっているので、持ち運びも便利です。
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今回はちょっとこだわって、焙煎からやってみます

今回はちょっとこだわって、焙煎からやってみます
上記の4つのギアで最低限できるのですが、今回はせっかくなのでコーヒーの焙煎からやってみたいと思います。

豆を挽いて、コーヒーを淹れるのは外でも家の中でもできますが、「コーヒーを生豆から焙煎する」となると、じつは圧倒的に外の方が快適です。コーヒーを焙煎すると、たくさんのチャフ(生豆の外側に付いている薄い皮)が落ちて、下が粉っぽくなってしまうからです。外でやれば、自然に還るので、とてもやりやすいのです(もちろん、地面が汚れ過ぎた場合は掃除してくださいね)。

用意するものは、左の生豆、右上のシングルバーナー、そして右下のユニフレームのコーヒーロースターです。

コーヒーは生豆(きまめ)の状態のものを購入しなくてはなりません
順番に説明しますと、コーヒーは生豆(きまめ)の状態のものを購入しなくてはなりません。お店やカフェで売っている茶色い豆の状態は、すでに焙煎してあるものなので、薄い黄緑色をした生豆を買います。

日本で、これらが売っている店舗が少ないので、見つけるのはけっこう大変かもしれません。ですが、もしお近くにお店がなければ、インターネットで買うのが手っ取り早いです。僕は昨年エチオピアへ国際ボランティアに行った際に、大量に買ってきたので、今回はそれを使用しました。エチオピア産のコーヒー豆は酸味と苦みのバランスが非常に良く、現地で買うと安いのですが、日本で買うと3倍くらいの価格になってしまいます。

エチオピアでは、お祭りやちょっとした集まりがあるとコーヒーがふるまわれます。
エチオピアでは、このようにお祭りや、ちょっとした集まりがあるとコーヒーがふるまわれます。日本でいう「お茶を出す」と同じような感覚です。右下にあるお香とお茶碗のようなカップにコーヒーが注がれます。自宅でコーヒーを焙煎することもあるそうです。さすが一大産地だけあって、コーヒー文化が根づいているのです。

話が逸れましたが、コーヒー豆の味は好みがあるので、アフリカ産、中米、南米産、アジア産といろいろと試して楽しむのもいいと思います。コーヒーベルトと言われる赤道に近い国しか生産していないので、日本では沖縄くらいしか栽培するのが難しいとされています。そういったコーヒーの歴史や産地を調べるのも面白いでしょう。大手のカフェでも世界各地の豆を出しているところもあるので、お店の人に聞いて、味わってから購入するのもありです。

以前もご紹介したシングルバーナー
次に、以前もご紹介したシングルバーナーです。ガス缶(OD缶)に装着してゴトクの上で様々な料理が作れます。新富士バーナーという愛知県にある火器、アウトドアギアメーカーのSOTOシリーズを利用していますが、お湯を沸かすだけであれば、この他にJETBOIL(ジェットボイル)というメーカーもオススメです。かなり早く沸騰させることができます。
今回は焙煎もするので、SOTOのウィンドマスターというモデルを使っています。

非常にコンパクト、軽量。マイクロファイバータオルなどの中に入れれば、振動などを気にせずに収納できるので、自転車向けだと思います。

ユニフレームから出ていたコーヒーロースター
新潟県燕市にある国産ブランド、ユニフレームは、火器、アウトドア、キャンプ用のファニチャーなどを出しています。以前、焚き火台をご紹介しました。

そのユニフレームから出ていたコーヒーロースター(今はインターネットで販売していますが、ホームページには載っていませんでした)は、家で使うこともできますが、アウトドア、キャンピングの際に使えるような工夫があります。

持ち手を折り畳めるので網の丸部分まで小さくなります。最初から生豆を入れていくと時短にもなるでしょう。今回の荷物の中では1番の大物ですが、サドルバッグの後方に入れられるので安心です。専用のメッシュバッグも付属しています。

取っ手が2段階に伸びるため、シングルバーナーだけでなく、焚き火でも焙煎できるようになっています。
取っ手が2段階に伸びるため、シングルバーナーだけでなく、焚き火でも焙煎できるようになっています。上面の網目が荒くなっているのは、チャフを落とすため。下面は火が通りやすいように目が細かいメッシュになっています。柄が繋がっていないので、素手でも熱くないのも有難いです。ただし、焚き火でロースターを使う時は、革グローブを使用することオススメします。

キャンプのときは、子供も、大人も焙煎が楽しめます。もちろん、キャンプでなくても、家族ライドでも、カップルライドでも、マスツーリングでも仲間と囲うアウトドアコーヒーは格別です。

ロースターの価格も3000円以下なので、お手頃だと思います。前述の通り、自宅のガスコンロでもちゃんとコーヒーを焙煎できますので。

次回はその焙煎の方法を説明します。

●バックナンバー「バイク&キャンプのレシピ」
第1回 まずは旅に出てみよう!
第2回 テント、寝袋、マット。まずは三種の寝具をそろえるべし!
第3回 自転車旅に最適なテントとは?
第4回 ちゃんと眠れる自転車旅向けの寝袋とは?
第5回 キャンプツーリングに向いている自転車とは?
第6回 ロードバイクでキャンプは難しい?
第7回 自転車旅に最適なタイヤとは?
第8回 いろんなバイクで旅する方法
第9回 ロードバイクでキャンプに行く方法その1
第10回 ロードバイクでキャンプに行く方法その2
第11回 MTBでキャンプをするための最低限の知識 その1
第12回 MTBでキャンプをするための最低限の知識 その2
第13回 自転車キャンプを快適にするアイテム その1
第14回 自転車キャンプを快適にするアイテム その2

山下晃和

WRITTEN BY山下晃和

タイクーンモデルエージェンシー所属ファッションモデル。また海外40か国以上を旅してまわるトラベルライターとしても活躍。自転車だけでなく、放浪バックパッカー、モーターサイクル、登山、トレイルラン、パックラフトなどの旅も得意としている。JACC(日本アドベンチャーサイクリストクラブ)の評議員、自転車とキャンプのフェスティバル「BIKE&CAMP」主宰、メーカー、企業の旅プロダクトのアドバイザリーなども務める。著書「自転車ロングツーリング入門(実業之日本社)」 http://www.akikazoo.net

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