FRAMEが「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2020」に初参戦!栄冠を手にしたバイクは!?

「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー実行委員会」が主催する「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー2020」にFRAME代表として参加した。今年で3年目を迎えたこの選考会では、9名の選考委員が事前にノミネートされた10台を採点し、2020年のベストモデルを決定する。評価は、走行性能をはじめロードバイクに求められるあらゆる要素を総合して行われた。『2020 年を代表するモデルはこれだ』がコンセプトとなる。

進化し続ける「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー」

「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー」は、その年を代表するロードバイクを選出するアワードである。3回目を迎え、このアワードが徐々に自転車業界に注目され始めている。

今回の選考試乗会は 10 月 29 日(火) に千葉県成田市の下総運動公園サイクルコースで行われた。 会場に集結した選考委員は昨年までの7人に対し、9人に増えた。さまざまなバックボーンを持つ選考委員が採点することで、多くの評価軸が生まれ、総合的にもっともすぐれた一台を選ぶことにつげるのが狙いだ。

また、より多くのメディアで展開しようという試みで、選考委員としてFRAME(フレイム)やCyclist(サイクリスト)といった自転車メディアのメンバーも参加した。

 

(左)選考委員の9人、(右)選考試乗会の様子(選考委員長の岩田さん(上)と筆者(下))
(左)選考委員の9人、(右)選考試乗会の様子(選考委員長の岩田さん(上)と筆者(下))

ノミネートされた10台のロードバイクはこれだ!

2020年モデルのなかで、フルモデルチェンジしたモデルを対象とし、あらかじめ各選考委員がそれぞれ10モデルに投票した。その結果選ばれたのが、以下に紹介する10ベストバイシクルだ。すべて、各メーカーの最新の技術を集結した1台となっている。

BH G8 DISK(BH・G8ディスク アルテグラDI2 )

先進のテクノロジーを採用するBHの誇るフラッグシップ
先進のテクノロジーを採用するBHの誇るフラッグシップ

SPEC.

  • 価格:69万8000円(完成車/税抜)
  • フレーム:グローバルコンセプト G8 ディス ク ACR カーボンモノコック
  • フォーク:完全一体型テーパー、フルカーボン 1.5″、ACR
  • コンポーネント:シマノ・アルテグラ DI2
  • ホイール:オリジナル・EVO 50 ディスクスルーアクスル
  • タイヤ:ハッチンソン・イプ シロン
  • サイズ:XS、S、M、L
  • 実測重量 ( ペダルレス ): 7.56kg ( XS )

CANNONDALE SUPER-SIX EVO HI-MOD DISC (キャノンデール・スーパーシックスエボ ハイモッドディスク )

キャノンデールの技術力を結集した究極のオールラウンダー
キャノンデールの技術力を結集した究極のオールラウンダー

SPEC.

  • 価格:105万円(完成車/税抜)
  • フレーム:オールニューブレイズテックハイ モッドカーボン
  • フォーク:オールニューブ レイズテックハイモッドカーボン SAVE
  • コ ンポーネント:シマノ・デュラエース DI2
  •  ホイール:ホログラム 45SL ノットカーボン
  • タイヤ:ヴィットリア・コルサ
  • サイズ: 48、51、54、56、58
  • 実測重量(ペダルレ ス ): 7.3 kg ( 51 ) [ デュラエース DI2 ]

CANYON ULTIMATE CF EVO DISC (キャニオン・ アルティメットCFエボディスク10.0LTD )

 

ディスクブレーキを装備して目指した究極の軽量ロードバイク
ディスクブレーキを装備して目指した究極の軽量ロードバイク

SPEC.

  • 価格:91万1000円(完成車/税抜) ※配送料&梱包料別
  • フレーム:キャニオンアルティメット CF エボカーボン
  • フォーク:キャニオン FK0072CFディスク
  •  コンポーネント:スラム・レッドeタップ AXS
  • ホイール:DT スイス PRC 1100 ダイカット 25Y
  • タイヤ:コンチネンタル・グランプリTT
  •  サイズ:2XS 、XS 、S 、M、L、XL、2XL
  • 実測重量(ペダルレス): 6.07 kg(XS)

COLNAGO V3-RS (コルナゴ・V3-RS ディスク )

先進のテクノロジーを惜しみなく盛り込みあらゆるハードな走りに対応
先進のテクノロジーを惜しみなく盛り込みあらゆるハードな走りに対応

SPEC.

  • 価格:56万円(フレームセット/税抜)
  • フレーム:カーボンモノコック
  • フォーク: HHM-HM カーボン
  • コンポーネント:カンパニョーロ・レコード
  • ホイール:カンパニョーロ・ボーラ WTO45
  • タイヤ: チャレンジ・クリテリウム
  • サイズ:420S、450S、 480S、500S、520S、540S、560S 、580S
  • 実測重量(ペダルレス):7.22 kg(480S) ※ 試乗車スペック

DE ROSA MERAK (デローザ・メラク )

新しいブランドロゴとともに現代のロードシーンに再臨した名作
新しいブランドロゴとともに現代のロードシーンに再臨した名作

SPEC.

  • 価格:67万円(完成車/税抜)
  • フレーム:カーボン
  • フォーク:カーボン
  • コンポーネント:カンパニョーロ・コーラス ディスク
  • ホイール:カンパニョーロ・シャマルウルトラディスク
  • タイヤ:ミシュラン・パワーレース
  • サイズ:43、46、48、50、 52、54、56
  • 実測重量(ペダルレス):7.37 kg ( 52 ) ※ 試乗車用スペック

ORBEA ORCA M10i LTD-D (オルベア・オルカM10i LTD-D )

オールラウンダーとしての立ち位置を変えずにエアロと軽さを手に入れた
オールラウンダーとしての立ち位置を変えずにエアロと軽さを手に入れた

SPEC.

  • 価格:111万9000円(税抜)
  • フレーム:カーボンモノコック
  • フォーク: カーボン
  • コンポーネント:シマノ・デュラ エース DI2
  • ホイール:マヴィック・キシリウムカーボン
  • タイヤ:マヴィック・イクシオンプロ
  • サイズ:47、49、51、53、55、 57 、60
  • 実測重量 ( ペダルレス ): 7.26 kg ( 53 )

PINARELLO DOGMA F12DISK (ピナレロ・ドグマF12ディスク )

偉大過ぎる前作を超えたレーシングバイク。その実力を知らぬ者はいない
偉大過ぎる前作を超えたレーシングバイク。その実力を知らぬ者はいない

SPEC.

  • 価格:137万円(完成車/税抜)
  • フレーム:トレカ T1100 1K ドリームカーボ ンウィズ ナノアロイテクノロジー
  • フォーク:オンダ F12 T トレカ T1100G 1K ナノアロイウィズフォークフラップ
  • コンポーネン ト:シマノ・デュラエース DI2
  • ホイール: フルクラム・レーシングスピード 40
  • タイヤ:ピレリ・P ゼロベロ 4S
  • サイズ:42、44、46.5、47、50、51.5、53、54、55、56、 57.5、59.5、62
  • 実測重量(ペダルレス): 7.57 kg(470) ※ 試乗車スペック

SPECIALIZED S-WORKS ROUBAIX (スペシャライズド・Sワークス ルーベ )

エンデュランスロードの枠を超えた新時代のロードバイク
エンデュランスロードの枠を超えた新時代のロードバイク

SPEC.

  • 価格:126万5000円(税込)
  • フレーム:ファクト 11R カーボン
  • フォーク:ファクト 11R カーボン、フーチャーショック2.0 ウィズ ダンパー
  • コンポーネン ト:スラム・レッド e タップ AXS
  • ホイール: ロヴァール・CLX32 ディスク
  • タイヤ:スペシャライズド・ターボコットン
  • サイズ: 44、49、52、54、56、58
  • 実測重量(ペダルレス ): 7.31 kg ( 54 ) )[ eタップ仕様 ]

TREK DOMANE SLR9 (トレック・ドマーネSLR9 )

速さと快適さを両立したトレック史上最強のマルチパーパスバイク
速さと快適さを両立したトレック史上最強のマルチパーパスバイク

SPEC.

  • 価格:112万6000円(完成車/税抜)
  • フレーム:700 シリーズ OCLV カーボン
  • フォーク:ドマーネ SLR カーボン
  • コンポーネント:シマノ・デュラエース DI2
  • ホイール:ボントレガー・アイオロス XXX 4 カーボン
  • タイヤ:ボントレガー・R4 クラシックス
  • サイズ:47、50、52、54、56、58、 60
  • 実測重量(ペダルレス):7.86 kg(52) [ プロジェクトワン仕様]

WILIER TRIESTINA ZERO SLR(ウィリエール・ゼロSLR )

勝利をつかみ取るためのスペックが随所にちりばめられた純レーシングバイク
勝利をつかみ取るためのスペックが随所にちりばめられた純レーシングバイク

SPEC.

  • 価格:84万円(完成車/税抜)
  • フレーム:HUS-MOD カーボン、三菱 65T カーボン、L.C.P
  • フォーク:カーボン
  • コンポーネント:シマノ・アルテグラ DI2
  • ホイール:シマノ・RS770
  • タイヤ:アリ スン・ビテスC2ウルトラ
  • サイズ:XS、S、M、 L 、 XL
  • 実測重量 ( ペダルレス ): 7.24 kg ( S )

多様な評価軸をもつ9名の選考委員の採点結果はいかに!?

10台の候補に名を連ねるだけで、その評価はトップレベル、それをさらに採点するのは非常に難しかった。 各選考委員は10点*の持ち点をどのように分配したのか。そのすべての結果をここに公開する。

*) 1モデルへの配点は最高3点とした。

総合結果はこちら

各選考委員による忖度なしの本音の採点の結果、各ブランドのプライドをかけた激戦を制したのは キャノンデール・スーパーシックスエボだった。今回ノミネートされた10台のうち、すべての選考委員からの得点を集めたのは、この1台だけだ。

総合結果1

総合結果2

ここからは、総合得点10点以上を獲得したバイクと、選考委員によるインプレッションを見ていこう。

第6位 ピナレロ・ドグマF12 (10点)

山口博久 (バイシクルクラブ副編集長)
山口博久 (バイシクルクラブ副編集長)

高い剛性感が際立つレーシングバイク

レーシングバイクらしく、高い剛性が際立つバイクだ。ただ、レーシングバイクとして考えると、路面からの情報を素直に伝えてくれる扱いやすいバイクだといえる。具体的にはフォーク先で少し振動を吸収しながらも、それをスポイルすることなく伝えてくれるが、いっぽうで大きな衝撃がきたときにはうまく吸収して逃がしてくれる。腰が浮いている感じがなく、しっかり接地感がある。さらにハンドリングはピナレロらしく、倒すとスパッと曲がっていけるので、きびきびと走ってくれる。

第4位 キャニオン・ アルティメットCFエボ (11点)

岩田淳雄 (バイシクルクラブ編集長 )
岩田淳雄 (バイシクルクラブ編集長 )

ラグジュアリー感やプレミアム感よりも機材感が強い

6.07 kg(実測)の軽さは伊達じゃない。走り出してすぐに軽さを感じる。「やっぱこれだろ! 」 という感じ。全体的にラグジュアリー感やプレミアム感よりも、「機材」感が強い。ドイツブランドらしい、数値による割り切りがそうさせるのだろうか。超軽量バイクにありがちなパリパリした走行感は、なくはないが少なめだ。ただの軽量モデルではなく、空力にも配慮したモデルということで、その効果はわからないとしても、おじさんライダーを喜ばせるファクターであることは間違いない。

第4位トレック・ドマーネ(11点)

難波賢二 (自転車ジャーナリスト )
難波賢二 (自転車ジャーナリスト )

トレックらしいユーティリティの革新もポイント

テクノロジーを駆使して超快適なのに走りは真面目。初代ドマーネから変わらないポイントだが、エアロも組み込んで、ある意味丸形シートマストを採用した最初のマドン的なバイクとなっている。とにかく超がつくほどに快適。レーシングバイクとしてこれが正解なのかどうかはわからないが、パリ~ルーベ以外ではあまり使わない予定とも聞くし、もちろん自分はツールに出るわけでもないので、快適で速くて気持ちいいに越したことはない。ユーティリティ革新もトレックらしいと言える。

第3位 オルベア・オルカM10i LTD-D (12点)

鈴木雷太 (バイシクルクラブ インプレッションライダー )
鈴木雷太 (バイシクルクラブ インプレッションライダー )

前へ前へと勝手に転がって いくようなバイク

とにかく前に前に転がっていくバイクだ。バイクの縦剛性も高いが、ピンッと張った細い芯がフレーム上下に入っているような感覚。高い重心を保ちやすく、ダンシングではねじれる前にフォークを介してハブに荷重が伝わって、前に勝手に転がっているようだ。快適性は高くはないが不快ではない。ハンドリングもピンピンしているがニュートラルで、ライダーのコントロール次第といった感じだ。バリバリ走りたいライダーにはものすごい武器になるバイク。

 

浅野真則 (自転車ライター)
浅野真則 (自転車ライター)

追加料金なしでカラーオーダーができる

最新のオールラウンド系レーシングロードのトレンドに乗り、ディスクブレーキ化に加え、空力性能と軽量化の両立を実現。上りをそつなくこなす軽快な走りと高速巡航性能を高い次元で兼ね備えている。とはいえライバルを圧倒するほどのアドバンテージがあるわけではない。このバイクの評価すべきポイントはフレームデザインと完成車のコンポーネ ントやパーツを選べるカスタムシステム「マイオー」を追加料金なしで利用できる点にある。自分好みのバイクが作れるのは魅力だ。

第2位 スペシャライズド・Sワークス ルーベ (14点)

管 洋介 (バイシクルクラブ インプレッションライダー )
管 洋介 (バイシクルクラブ インプレッションライダー )

衝撃吸収だけではないフューチャーショックのメリット

コラム部に採用された新型フューチャーショックの動きは、剛性バランスを一切崩さずに極めてスムーズな動きで振動を減衰。さらに深いコーナリングにおける横Gでは、ライダーのプレッシャーを絶妙なタイミングで軽減し、重心をバイクに預けることができる。バイク側がこのバランスを整えてくれることで、よりテクニカルにコーナーを楽しめる。そしてしなやかなリアのトラクションを利用した駆動の軽やかさは、振動吸収性のメリットを超えた走行性能の高さを印象づけた。

 

ハシケン (バイシクルクラブ インプレッションライダー )
ハシケン (バイシクルクラブ インプレッションライダー )

プロ機材ながらホビーレーサーにも恩恵がある

ディスクブレーキロードは路面とのコンタクトがソリッドになる傾向があるなかで、ルーベは極めてしなやかな走りを実現。路面からの突き上げに対する油圧ダンパー機構であるフューチャーショックの効果だけではない。ペダリングに対する反応は明快で高剛性ながら、推進力を得やすいバランスのよさが際立っている。そして操縦性はレーシーで、ダンシングは軽やかだ。生粋のプロ機材ながら、長時間乗り続けても疲れにくい、ホビーレーサーが恩恵を授かれる一台だ。

第1位 キャノンデール・スーパーシックスエボ (16点)

田村明寛 (「フレイム」ディレクター)
田村明寛 (「フレイム」ディレクター)

ハンドルなどのメンテナンス性の高さもポイントとなる

すべての点で完成度が高い。この一言につきる。山岳から平坦まですべてのシーンで信頼できる一台として、プロ選手たちを勝利に導 いてきた実績をもつバイクであることに納得だ。今回のモデルチェンジでは、エアロ性能と快適性の向上が大きい。ホイールセンサーや、パワーメ ーターが標準装備されているのもうれしい点。細かいかもしれないが、ハンドル角度の微調整が可能であったり、高さも自由に変えられたりとメンテナンス性が高いのもポイントが高い。

 

松尾修作 (産経デジタル「サイクリスト」)
松尾修作 (産経デジタル「サイクリスト」)

乗り手に負担をかけずに 速さにつなげる高性能

軽さと速さ、振動吸収性を高いレベルで両立していた。推進力にキレがあり、上り、平地問わずにペダルを踏みたくなる衝動に駆られる。乗り心地が抜群で、コンフォート系のバイクかと思わせるほどだ。激しいライディングに対しても、拍子抜けするほどバイクがニュートラルに対応する。ハンドルまわりやシートポスト、ホイールを含めてトータルパ ッケージで仕上げられた結果だ。乗り手に負担をかけず速さにつなげる性能はこれからのスタンダードになるだろう。

総括

9名の選考委員による、真剣な試乗会。集合した段階では、和やかな雰囲気に満たされていたが、試乗が始まった瞬間からその会場は厳粛なムードに取って代わった。この「日本バイシクル・オブ・ザ・イヤー」が日本の自転車ファンや自転車業界に注目され始めていることを実感し、恥じない採点をしなければという思いを、選考委員全員が持っていたためだろう。

私も含め9人の選考委員にとって、完成度の高い10台に対して順位をつけるのは簡単ではなかったと思う。実際、何度も何度もバイクにまたがり制限時間ギリギリまで試乗を繰り返している選考委員が何人もいた。間違いなく言えるのは、みな真剣に、忖度なく採点をしていたということだ。

結果的は、頭一つ抜けた形でキャノンデールのスーパーシックスエボが2020年のイヤーバイクの栄冠に輝いた。

 

2020年のイヤーバイクの栄冠に輝いた「スーパーシックスエボ」
2020年のイヤーバイクの栄冠に輝いた「スーパーシックスエボ」

スーパーシックスエボは、軽量高剛性というこれまでのアイデンティティーに加え、エアロ性能、さらには快適性にも目を向けたモデル。真のオールラウンダー、真のロードバイクとは何かということを世に問う意欲作だといえる。 トータルバランスのよさが、得点を集めた理由だろう。


取材協力:BICYCLE CLUB

田村明寛

WRITTEN BY田村明寛

FRAME編集部メンバー。1990年兵庫県生まれ。スポーツバイクとの出会いは、大学生の頃。パンク修理も知らない時にクロスバイクで九州を一周したのは今となってはいい思い出。 現在の愛車はKUOTAのKOUGAR。人里離れた大自然の中を走るのが好き。

他の記事も読む

関連記事