獲得標高3000m!? 大パノラマのライドイン阿蘇にチャレンジ!

こんにちは、デザイナーのayumiです。
常々公言していますが登りは得意ではない平坦派の私、なんとライドイン阿蘇の阿蘇一周チャレンジコース、距離140km,獲得標高3,000mに挑戦してきました。
実は今年に入るまで獲得標高2,000mも挑戦した事がありませんでしたし、2,000mも数回チャレンジしたのみ。それがいきなり3,000mコースをクリアできるのか!?
ゴールまでの道のりを大絶景の写真とともに振り返ります。

ライドイン阿蘇とは?

ライドイン阿蘇はモンベルのジャパンエコトラックの一貫、今年で3回目を迎えるファンライドイベントです。アップダウンだらけのコースが3種用意されており、私が選んだのは1番ハードな阿蘇一周チャレンジコース。
阿蘇山、そして外輪山を含んだ5つの峠が待ち受けていました。

スタート前

スタートは道の駅 あそ望の郷くぎのから。
会場のある阿蘇はこの時期寒暖差が激しく、夜明け頃は気温がかなり低くブルブルと震えておりました。

スタートには老若男女様々な人たちが並びます。女性の方もちらほらいらっしゃいました。
みなさん走り慣れていそうな雰囲気。大丈夫か私…。

夜明け前の集合です。

参加者の中にはなんと中学生も参加していました!!

ゴール後の1枚。無事Cコース完走です!すごい!
ゴール後の1枚。無事Cコース完走です!すごい!

開会式を終えたらグループ毎にスタート。大会スタッフの方が手を振りながら送り出してくれます。 「超ハード!阿蘇一周チャレンジコース!山越え行ってらっしゃ〜い!」

めっちゃ煽るじゃん…!

目指せ阿蘇山!

快調に走りだす面々。まずは阿蘇山を目指して阿蘇パノラマラインを登ります。
そう、開始1.5km地点からいきなり20km近くの登りに入るんです。斜度は6%程度とキツくはないのでお話しながら息が上がらないように登っていきます。
レースではないので急ぎすぎず、かと言ってゆっくりすぎると制限時間に間に合いません!

しかし、しかし!

なんだこの絶景はーーーー!!!!

ちょうど景色がひらけたタイミングで朝日が昇り、ゴールデンアワーが訪れます。
山肌が朝焼けに染まり、ススキがキラキラと光り、遠くの山々は朝靄で幻想的に霞み…こんなの止まらないわけにはいかないじゃないですか!!!

「わー!あー!すごーい!」

感嘆の声を上げながら自転車を降りて写真をパシャパシャ。

「え、みんななんでこの景色を前に止まらないんですか?」

そうなんです、みなさん絶景をスルーして黙々と登っていきます。制限時間があるので結構急ぎ足なんですよね。

しかしこの景色、まだまだ序の口でした。

もうため息しかでません…!
噴煙を吹き上げる活火山でありながらヨーロッパの牧草地のような静けさもあり…雄大な景色にただただ感動していました。

そしてトンネルを抜けると、今度は目の前で阿蘇山が噴煙を上げています!

え、もうここまで上がってきたのー!?
スタートの道の駅から見えていたココですね。

道の駅あそ望の郷から見た阿蘇山

山頂付近は美しい山並をバックに草原が広がっていました。ここで乗馬体験もできるのだとか。

こんなロケーションで乗馬ができるなんて…!

第一エイドは優しいおやつ

山頂に着くとお待ちかねの第一エイド。
「これから長いダウンヒルになるので身体をあっためて!」
と配られたのは甘酒です。
米麹でスッキリ飲みやすく、甘さと暖かさが冷えた身体にしみます。

甘酒の他にもあっさりお豆腐の味がしっかりした豆乳ムースと爽やかな甘さの柚子蜂蜜などのおやつが振舞われました。

しっかり補給をとったら、次は長いダウンヒルです。ダウンヒルでは身体がどんどん冷えて行きますが、ここでも景色が良すぎて進まない!

途中には阿蘇名産の赤牛。こんな絶景の中で放牧されていたら美味しくなるのも分かります!

ダウンヒル途中の景色では、平地を挟んで阿蘇山をぐるっと囲う外輪山の淵がよく分かりました。「カルデラ」という言葉は知っていても、実際に目の前にするとその異質さに圧倒されます。

流れて行く火山灰を頭上に見上げながらのダウンヒル。

チェックポイント&第2エイドで熱々だご汁

ダウンヒルを終えてチェックポイントの道の駅阿蘇についた頃には身体がすっかり冷えてしまいました!寒い!
どのくらい冷えたかと言うと、振る舞われた熱々のだご汁がなかなか食べられないくらい。

口が冷えすぎると熱いもの食べられないのをはじめて知りました。
一緒に振る舞われた新米おにぎりと高菜で口を慣らしてからゆっくりいただきます。

だご汁は熊本の郷土料理の一つ。小麦粉を練った団子をお野菜たっぷりの味噌汁に入れた料理です。ほうとうのように細長かったりすいとんのように丸くちぎってあったり、各家庭によってお団子の形が違うそうです。

ススキに覆われた箱石峠

次は10km未満の中距離の山越えになります。阿蘇の外輪山を登る感じですね。
向かう途中では阿蘇山からの火山灰が流れていて、気付くと口の中がジャリジャリしてしまいました。事前に注意を頂いていたので持参していたマスクでガード。

足元にも灰が積もっていたのでつい下を向いて走ってしまいましたが、ふと顔をあげると、山肌を一面のススキが覆っていました!!

少し進むと、今度は迷路のように吸い込まれそうな不思議な造形の山々。

箱石峠も斜度は緩めで、景色を見ながら楽しく登れました。

振り返ると湾曲した道の向こうに阿蘇山が見えます。自転車と一緒に写真を撮るには1番良いポイントでした!

第3エイドはカレーと名水

次のチェックポイントは高森湧水トンネル公園。
ここではカレーをいただきました。ホロホロの牛肉が入って甘口でおいしいー! 阿蘇の名水「白川水源」のお水も一緒ににいただきました。ボトルにもお水を補給し準備はバッチリ。

大きな山を2つ越え、おおよそ半分走ったなというところで、獲得標高をチェック。
あれ、おかしいなまだ1,200mくらいしか上がってないぞ?

3つ目の峠は林道!?高森峠

エイドを出てすぐに3つ目の峠へ。峠へ向かう道はどんどん細くなり、落ち葉が積もり車の全く通らない道に入っていきます。

「え、これ道ですか」
公園の中じゃないですよw」

なんてやりとりをしてしまうほど人気のない山道。こちらはこれまでとはまた違う静かな雰囲気と紅葉がきれいな山道でした。

登った先では美しいつづらが見下ろせます。つづらを囲うように桜の木が連なっているので、春には桜がきれいなんだそうですよ!

第4エイドは2回目のだご汁!

3つ目の峠を下ってすぐに、今度は道の駅そよ風パークでエイドです。

いただいたのはまた「だご汁」!
またと思いましたがまたで良い!だご汁美味しい!疲れが出てきたところに塩分が沁みます!
デザートに手作りのマドレーヌもありました。しっとりしていて美味しい!

駆け抜けろ平坦路!

次の区間は細かなアップダウンのあるもののほぼほぼ平坦路。のどかな田園地帯と時折現れる清流を横目にあっとう間に通り過ぎてしまいました。

次のエイド通潤橋付近の山都町では、唐突に現れる大きなオブジェにびっくりして足を止めてしまいました!
「八朔祭り」という伝統のお祭りで五穀豊穣を願って作られる「大造り物」というもので、町中いたるところに飾られています。 飾られていると言っても高さは最大5mほどにもなる大きさで、展示用の小屋の中から大きな存在感を放っていました。
竹や杉などで作られているそうなんですが、その精度の高さに驚かされます。

第5エイドは通潤橋を見ながらあま〜いフルーツ

次のエイドは道の駅 通潤橋でフルーツの盛り合わせ! 食べきれるかなというほどたっぷり盛っていただきましたが、どれも甘みがたっぷりでペロッと食べてしまいました。

イチゴもオレンジもパイナップルも、フルーツトマトもとにかく甘い!

エイドからは紅葉が彩る通潤橋が見れました。江戸時代に作られた高さ20mにもなる日本最大級の石造りのアーチ水路橋です。

ここでもう一度走行距離と獲得標高を確認。距離はやっと100kmに辿りつこうというところですが、獲得標高はまだ2,000mに届かず。ということはまだ1,000m以上残ってますね。どういうことですか。

脚を削るかみましき阿蘇観光サザンルート

お次は小ぶりな4つ目の峠。5つ目の峠と一つにまとめて見えますが、しっかりと別の峠でした。特筆すべきポイントのない地味な峠ですが地味に脚を削ります。

ライドイン阿蘇ではスタッフさん達がコースを巡回していて、トラブルがないか見ながら参加者に声をかけてくれていました。終盤の心が折れそうになるタイミングだったのでありがたいですね!

最後のエイドでは絶品のぜんざい

最後のエイドは吉無田高原緑の村。
暖かくなった日中を過ぎ日が落ち始めた頃で、スタッフさんの絶妙な気遣いで暑すぎず冷たすぎずの丁度良い温度のぜんざいが振る舞われました。 もちもちの白玉はもちろん、ごろごろとしっかり形の残ったあずきが美味しい!皮から出るほんのりとした苦味の風味が良く、いくらでも食べられそうでした。

実はこのエイドで脱落する人もチラホラいました。
ここまで来てゴールできないのは辛い!自分の脚の疲労具合を確認します。実は少し前まで膝の痛みが出やすく不調が続いていたのですが、今日は絶好調。多少疲れが出て来たものの、まだいける!最後まで行くぞー!

5つ目、最後の坂は強敵「地蔵峠」。

最後の坂に入るまでは、「全体的に急斜度はなく6%くらいの緩い坂ばかりなので、脚力に自信がなくてもいけるコースなのでは?」と少し思っていました。最後の山に入るまでは。

入り口でいきなりでましたよ。10%の看板。

じわじわと斜度が上がって行きます。
5つ目の山のよくないところは、登ったり下ったりを繰り返すところ。
やっと登りきった?と思わせて、下らせて、また登らせます。 斜度看板をいくつ見たことか…。

序盤こそ景色は良かったのもの、途中からは山の中に突入し景色は晴れず、終わりの見えない坂に心が折れそうになります。下らせて登らせるスタイルの道に「やめてよ!!」と文句を言いながら登ります。流石に脚にも疲労が出てきてスピードも出ません。

スピードが出ないので一緒に走っていた方とも離れしばし一人旅。黙々と登ります。

「頂上まだ…?」「いつ終わるの…?」

実はこの時、道中写真を撮りすぎたために制限時間が迫ってきてしまいました。

「回収されたらどうしよう…」

横を車が通る度にビクビクしていました。
不安と戦いながら登りつつも、黙々と登るうちについについに最後の峠を登り切りました!!
時間はなくとも登りきった後の絶景にはやはり脚を止めてしまいます。

山頂では、中央に阿蘇山、左にすすき畑、右に紅葉と、視界に収まらない大パノラマの絶景が待っていました。

ここからのダウンヒルは最高のご褒美。(一瞬登りもありましたが!)
阿蘇山を横目に紅葉とススキの彩る道を下っていきます。

急ぎ足で会場まで走り、時間は少しオーバーしてしまいましたが無事完走です!

ゴール後には赤牛の串焼きが待っていました!

ライドイン阿蘇を振り返って

獲得標高3,000登ったぞ!私頑張った!と感じたのは実は数日経ってから。
感想直後はとにかく目の前に広がった絶景と、去年よりグレードアップしたというエイドの美味しさと、スタッフさんの温かさとで「楽しかった」という思いで満たされていました。
獲得標高3,000mというだけで敬遠してしまう方がほとんどだと思いますが、途中までは本当に斜度は緩くチャレンジしやすい道です。
最後の地蔵峠は気合で乗り切りましょう。参加して後悔のない絶景が待っています。

今回3回目の開催となるライドイン阿蘇、毎年違う時期に開催されているので来年はどんな景色が待っているのか楽しみですね。

提供:mont-bell
写真:すーさんさんささん

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BYAyumi

FRAME姉妹サービス「RoadQuest」のデザイナー。ポタリングしたりレースにでてみたり、全力で"チャリ充"しています。

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