ボッシュがeBike用ユニット 2021年新製品を発表|ビジネス拡大に向けた新たな取り組み

全世界でより一層の注目を浴びるeBike(イーバイク)

新型コロナウイルスCOVID-19の感染拡大を受け、欧州を中心に世界中で「新しい生活様式」の移動手段として注目を浴びている自転車。その中でも片道10km以上の長距離の自転車通勤にも最適な、スポーツタイプの自転車に電動アシスト機能が追加された「スポーツタイプの電動アシスト自転車」である「eBike(イーバイク)」に世界中の注目が集まっている。

取り組み1:アジア太平洋地域本社を自転車産業の本場、台湾に設立

台湾、ベトナム、中国が世界のeBike生産の中心であり、中でも台湾は世界で稀を見る有数の自転車産業の集合地域である。そんな自転車産業とのさらなる連携を深める為に、2020年6月に台湾 台中市内にBosch eBike Systems (電動自転車システム事業部)のアジア太平洋地域本社を設立した。

アジア太平洋地域本社内にはテクニカルトレーニングセンターが併設されており、自転車産業のパートナー企業(自転車完成車企業、自転車組み立て企業、自転車部品企業)に対しても、迅速に密なサポートを提供する。また、新しいアジア太平洋地域本社は技術サポート&サービスだけでなく営業・マーケティング・商品企画・事業開発・品質管理機能を有し、既に市場参入しているオーストラリア、ニュージーランド、日本のeBikeビジネスのさらなる拡大と、台湾を中心とする自転車産業との技術的な連携を担う。

アジア太平洋地域本社を自転車産業の本場、台湾に設立

取り組み2:“遊び場の提供“ eBike専用マウンテンバイクコースのオープン

アメリカ発の世界最大規模のスポーツ自転車ブランド”TREK”を販売するトレック・ジャパン(兵庫県西宮市)と共に、スキー場「アップかんなべ」(兵庫県豊岡市)にあるマウンテンバイクフィールド「UP MTB PARK IN KANNABE」内に、西日本エリア最大のe M TB※1専用コース『Bosch Uphill Flow Volcano(ボッシュ アップヒル フロー ボルケーノ)』を6月27日( 土)にオープンした。

国土の7割が山岳地帯というマウンテンバイクに適した環境である日本において、1990年代から2000年代にかけてマウンテンバイクが大ブームとなった。他方で、同じ山道を利用するハイキングやトレイルランニング愛好家との折り合い、私有地での走行等、ブーム故の課題に直面し、マウンテンバイクは2018年度のスポーツ自転車の新車販売台数の1割程度※2にまで落ち込んだ。

他方で、プロマウンテンバイクライダー阿藤寛氏の「安全にMTBを楽しめ、子供たちにMTB文化を伝える場を作りたい」という願いに賛同した584人からのクラウドファウンディングにより得た539万5,500円の資金調達にて、MTBコース「UP MTB PARK IN KANNABE」が2019年7月にオープンした。

上記に賛同したBosch eBike Systemsとトレックジャパンは、日本に新しいマウンテンバイク文化を築き上げていく為に、阿藤氏監修のeMTB専用コースを2020年6月末にオープンした。本コースでは、ボッシュ製ドライブユニット(モーター)「Performance Line CX 」を搭載し、79万円(税抜き)と高額ながらも発売後2週間で完売した最新機種Trek「Rail 9.7」のレンタルを実施している。

*1:山道を走るMTB(マウンテンバイク)タイプのeBike
*2:出典:一般財団法人自転車産業振興協会 自転車国内販売動向調査年間総括2018
UP MTB KANNABE: http://www.kannabe.co.jp/up-mtb-park

『Bosch Uphill Flow Volcano(ボッシュ アップヒル フロー ボルケーノ)』

取り組み3:本場欧州に引けを取らない製品ラインナップの拡充

2021年モデルとして以下6製品が追加され、2020年10月末頃から自転車販売店で販売予定(価格未定)。

世界同時発売、国内eBike最大※3、最大トルク85Nm ドライブユニット「Performance Line CX」

:昨年モデルPerformance Line CXより最大トルクが10Nm増加
*3:2020年7月8日時点 ボッシュ調べ

【商品説明】

2021年モデル Performance Line CXは最大トルクが2020年モデルから10Nm増え、国内eBikeで最大の85Nmとなる。また、増加したパワーをライダーの意のままに操る為に、トレイル(山野の未舗装路)でのテクニカルな走行に適したアシストモード「eMTBモード」に対して、「ライダーの踏力に対するドライブユニットの反応速度向上」と、「さらなる加速感をもたらす“Extended Boost(エクステンデッド ブースト)”」チューニングが施された。Extended Boost は、ライダーが路面状況に対して高めのギアを使用し、岩や木の根といった障害物を高速で走り越えながら 走行する際に、瞬間的にモーターアシストを高める(ブースト)事で、ライダーへの違和感を抑えつつも、トレイルでの走破性を高めるアシストセッティングである。
(*3:2020年 7 月 8 日時点 ボッシュ調べ)

【発売時期】

2021年モデル Performance Line CX は今夏発売の 2021年モデル eBikeより順次、搭載予定(搭載モデル詳細は、各自転車メーカーからの発表による)。

走行距離に応じた容量別バッテリーラインナップの拡大

PowerTube 625(パワーチューブ625:容量約625[Wh])
:フレーム内蔵タイプバッテリー、1充電当たり208Km(Ecoモード)

PowerPack500(パワーパック500:容量約500[Wh])
:フレーム外付けタイプバッテリー、1充電当たり167Km(Ecoモード)

PowerPack400(パワーパック400:容量約400[Wh])
:フレーム外付けタイプバッテリー、1充電当たり133Km(Ecoモード)

【商品説明】

本場欧州で展開する複数あるバッテリーラインナップの一部である3タイプのみが日本国内で販売されていたが、2021年モデルより1充電当たり208Km(Eco モード/Active Line Plus)の航続距離を有するフレーム内蔵タイプバッテリー PowerTube 625(パワーチューブ 625:容量約 625[Wh])を筆頭に、フレーム外付けタイプバッテリーPowerPack500(パワーパック 500:容量約:500[Wh]、1充電当たり 208Km(Eco モード/Active Line Plus), PowerPack400(パワーパック 400:容量約 400[Wh]、1充電当たり 135Km(Eco モード/Active Line Plus))が追加され、 PowerPack300/400/500, PowerTube400/500/625 の合計6タイプのバッテリーラインナップとなる。

【互換性】

フレーム外付けタイプの PowerPackシリーズは全て取り付け互換性がある為、 現在使用しているPowerPack300 から、PowerPack400/500に交換して使うことができる。

PowerTube625 はバッテリー全長がPowerTube400/500 よりも長い為に、取り付け互換性はない。ただし、PowerTube500を標準搭載の一部のeBikeは PowerTube625との互換性をフレーム側に持たせてある為、該当eBikeはPowerTube500からPowerTube625に交換可能である。

【発売時期】

2020年10月末頃から自転車販売店で販売予定(価格未定)。

2本のバッテリー搭載で航続距離拡大「DualBattery(デュアルバッテリー)」

2本のバッテリーを同時使し、1充電当たりの航続距離375Km(Ecoモード)達成
(Performance Line CX、PowerTube625とPowerPack500使用の場合)

【商品説明】

2021年モデルより、バッテリーを2個同時に使用する事で1充電あたりの航続距離を伸ばすシステム「DualBattery」対応となる。これにより最大で1充電当たりの航続距離が188km(Turbo モード)~375Km(Eco モード)となる。
*Performance Line CX、PowerTube625+PowerPack500 合計約 1125[Wh]の場合

【互換性】

PowerPack300, PowerTube400はデュアルバッテリーシステム非対応の為、上記2種類を除くバッテリー同士を好きな組み合わせで使用可能である。
サブバッテリーをフレームに搭載キットは一部自転車メーカーから販売予定。

【発売時期】

デュアルバッテリー用ケーブルセット(ボッシュ製品)は、2020年10月末頃から 自転車販売店で販売予定(価格未定)。

スマートフォンとの連携機能を有する小型カラーディスプレイ「Kiox」

ボッシュ製スマートフォン用アプリケーション「eBike Connect app」に走行データを連動させる事ができる。また、1.9インチカラーディスプレイに速度、バッテリー残量や時刻だけでなく、ライダーがペダルを漕ぐ力「出力W(ワット)」や、「心拍数bpm※4」が表示可能である。(*4:別売りのBluetooth対応心拍計使用の場合)

【商品説明】

2019年に欧州で先行販売された「Kiox(キオックス)」が 2021年モデルより国内導入される。環境に合わせた自動調光機能を有する1.9インチ高解像度のカラーディスプレイには、速度、バッテリー残量や時刻といった基本情報だけでなく、ライダーがペダルを漕いでいる力「出力 W(ワット)」や、Bluetooth 接続の心拍計(別売り)との連動による心拍等が表示可能である。また、オフロード走行による画面破損に強いガラスを採用。ディスプレイは裏面の磁石によりeBike本体側と固定されており、eBike本体からワンタッチ着脱可能。また、既存の Intuvia ディスプレイ同様 に、Kioxを経由して、eBike 用バッテリーからスマートフォン等の充電が可能である。

Bluetooth 経由でスマートフォンと連動する事で、ボッシュ製スマートフォン用アプリケーション「eBike Connect app」に走行データを連動させる事ができる。これにより、走行後にライドの軌跡やトレーニング状態の確認が可能となる。

【互換性】

既存のディスプレイ「Intuvia(イントゥービア)」、「Purion(ピューリオン)」と取り付け互換性がある為、既存ディスプレイから Kiox に交換が可能である。

【発売時期】

2020年10月末頃から自転車販売店様で販売予定(価格未定)。


スマートフォンとの連携機能を有する小型カ ラーディスプレイ「Kiox」

スマートフォンとの連携機能を有する小型カ ラーディスプレイ「Kiox」

Bosch eBike

LINK: Bosch eBike Systems

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WRITTEN BYFRAME編集部

FRAME編集部はロードバイク、MTB、ミニベロ、トライアスリートなど、全員が自転車乗りのメンバーで構成されています。メンテナンスなど役立つ情報から、サイクリングのおすすめのスポット情報、ロードレースの観戦まで、自転車をもっと楽しくするライフスタイル情報をお届けします。 https://jitensha-hoken.jp/blog/

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