STRAVAより2021年「Year in Sport」が発表! 世界195ヶ国、9,200万人のアスリートのデータを分析

アスリートのためのソーシャルネットワークサービスを提供するSTRAVA,Inc.(本社:カリフォルニア州サンフランシスコ)は、世界195ヶ国、9,500万人以上のアスリートがStrava上に投稿した過去1年間*1のアクティビティの記録を集計し分析した「Year in Sport 2021」を発表した。

「Year in Sport 2021」の発表会には、FRAME編集部のメンバーも参加した。今年もコロナ禍の影響で思ったように活動できなかった人も大勢いる一方で、小椋裕介選手が第76回びわ湖毎日マラソン大会にてStravaのフルマラソン記録を更新したアクティビティなど、様々な記録がStravaにアップロードされた。週に3,700万件、過去12ヶ月間で合計18億件にも達したアクティビティのまとめを見てみよう。

また、今年のStrava界におけるビッグニュースにはグループチャレンジ機能追加・マップ機能刷新などのビッグアップデート(5月)、東京オリンピックのロードレースで世界のトップアスリートが記録を残したこと(7月)などが挙げられる。こちらも合わせてチェックしておきたいところ。

Stravaとは?
Stravaは180人の従業員を抱え、大半がサンフランシスコ、その他はコロラド州デンバー、ニューハンプシャー州ハノーバー、イギリスのブリストルに拠点を構えている。
主ビジネスは、アスリートのための先進的なサブスクリプションサービスの提供。Stravaのモバイルアプリとウェブサイトは、コネクテッドフィットネスの中心となるプラットフォームとして、195カ国以上から9,200万人以上のアスリートが集まるソーシャル・ネットワークサイトであり、日本国内の利用者も2018年の国内ローンチから2.5倍以上増加している。住んでいる場所、好きなスポーツ、使用しているデバイスに関わらず、すべてのアスリートはStravaで繋がることができる。

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Strava Summitに加入して、トレーニングからパフォーマンス分析まで、アクティビティに役立つ追加機能を楽しむことができる。詳細については、www.strava.com/summitを参照していただきたい。

発表概要

2021年は、2020年に引き続き、COVID-19パンデミックの影響により困難な状況が繰り返され、継続した。一方で、Stravaに記録されたアクティビティの数、アスリートひとりひとりが達成した目標の数は、今年も伸び続けている。Stravaにおける世界のアクティビティ率は記録を更新し続け、週に3,700万以上のアクティビティがアップロードして公開され、過去12ヶ月間で合計18億に上った。

安全に配慮しながらスポーツイベントを再開する動きが世界各地で見られ、アスリートたちも、その動きを止めることはなかった。挑戦を続ける世界のアスリートのアクティビティの傾向や習慣、日本独自のアクティビティの傾向が、Stravaに記録されたデータから見ることができる。

Strava共同創設者 & CEO マイケル・ホーヴァス:
「世界中のアスリートコミュニティは、今年もパンデミックによる混乱と制限に耐えなければなりませんでした。そのような中、アスリートには、常につながっていたい、お互いにアクティブでいたいという根強い願いが見られました。地球上のすべての国のアスリートが、ラン、ライド、ランチタイムの散歩などを記録し、共有しています。そしてお互いを励まし合った結果が、この1年で飛び交った96億のKudosに表れています。
Stravaでは、すべての努力が記録されます。汗をかく人がコミュニティとつながり、活動できる新しい場所を見つけ、自分の目標を設定し、クラブを作り、仲間に挑戦する。私たちは、そのためのプラットフォームを提供できることを何よりも嬉しく思っています。そして私たちは、気候変動や環境保護、人種差別、スポーツにおける公平性と包括性といった、Stravaやそのコミュニティにとって重要なテーマに目を向け、ポジティブな影響を与えていくことに尽力します」

*1 Year in Sports 2021は2020年10月1日〜2021年9月30日のデータを元に作成されている。本リリースにはYear in Sports 2021を基に、一部期間異なるアクティビティのデータを含んでいる。

コロナ禍で起こったスポーツ人気は止まらない

昨年、パンデミック初期にロックダウンが行われた地域をはじめ、日本国内でも屋外のアクティビティの減少が見られた期間があったが、世界的な傾向としてStravaのアクティビティは前例がないほど増加した。その傾向は2021年も継続し、全世界のアクティビティは年間で38%増加、アクティビティのアップロード数は2020年10月から12ケ月間で18億件にも上っている。

コロナ禍でのスポーツ人気

新たなStravaアスリートのモチベーションは高い

2020年にStravaに参加し、今年に入って5k、ハーフマラソンなどの自己ベストを更新したランナーは昨年の1.8倍になった。距離が延びるほど、自己ベストを記録したアスリートの割合が高く、50kでは2.7倍に上る。日本国内では、大規模なマラソンの大会等の中止や延期が継続した中だったが、50kでは2.9倍と、世界と比較してもウルトラディスタンスで自己ベスト更新の割合が高い傾向が見られた。レースの開催が限られた中でも、モチベーションを持って記録を更新したアスリートが多くいたことが考えられる。

モチベーション

世界的に増加したウォーキング、日本では?

世界的な傾向として、屋外でのウォーキングが2.0倍、ハイキングが1.7倍と徒歩のアクティビティ増加が顕著にみられた。Stravaで記録された全アクティビティにおけるウォーキングの割合は15%を占めるとともに、ウォーキングはあらゆる年齢層で人気を集め、50歳以上でウォーキングをアップロードしたアスリートは50%を越え、18〜29歳でも35%を越えている。また、1週間の平均ウォーキング時間を見ると週に約2時間半〜4時間を記録しており、近所を軽く散歩する程度以上に歩いている

ウォーキングをする人の3分の2はランニングやサイクリングもしていることから、クロス・アクティビティとして歩くことを取り入れているアスリートは増えているのかもしれない。サイクリストやランナーでウォーキングもする人は、しない人に比べて、半年後も運動している確率が16.1%高いという傾向も見られた。

日本国内でも、屋外でのウォーキングは1.5倍、ハイキングは1.4倍に増加。ウォーキングのアクティビティは昨年から継続して増えている。全体のアクティビティに占める割合は7%と他の国ほどは高い割合ではないが、ウォーキングを記録する日本のアスリートの約4分の3はランニングやサイクリングも行っている。ウォーキングだけを記録するアスリートとともに、アクティブ志向のアスリートがパンデミックの中で少しでも身体を動かす方法として、ウォーキングをより積極的に行っているのかもしれない。

アクティビティ増加(全世界)
アクティビティ数の増加(全世界)
アクティビティ数の増加(日本)
アクティビティ数の増加(日本)

日本で最もアクティブだった日、そうでなかった日

2020年10月1日〜2021年9月30日の期間、日本国内で最もアクティブだった日5月23日(日)だった。日本では例年、5月、6月、9月の週末はアクティビティが盛んになる傾向にある。今年の5月は、主要都市で緊急事態宣言が発令されていた期間ではあったが、雨の続いた日の晴れ間となり、東京都心では8日ぶりに日照時間が7時間を超えるなど天候に恵まれ、安全に配慮しながらアスリートがアクティビティを行った人が集中したのではないかと考えられる。一方で、最もアクティブでなかった日は台風14号の影響により各地で天候が荒れた、2020年10月8日(木)だった。

アクティブだった・でなかった日
ランナーとサイクリストの間にも違いがあり、興味深い

気候変動とアクティビティ

天候はアクティビティに影響する大きな要因である一方で、屋内アクティビティが増加する傾向が見られた日もあった。2021年の8月13日(金)〜15日(日)にかけて、大雨による洪水が発生した長野県では、屋外アクティビティがマイナス61%に減少した中、屋内アクティビティは56%増加した。悪天候の中でも、動くことを諦めないアスリートがいたことが考えられる。しかし、異常気象による屋内アクティビティへの影響予測は難しく、屋外アクティビティと同様に減少する場合もある。パンデミックのみでなく、猛暑や酷暑、台風、山火事、大気汚染などにもアスリートたちは立ち向かっていかなければならず、気候変動とアクティビティの関係は、今後も考えて行かなければならない大きな課題だ。

気候変動に立ち向かう

また、Stravaでは、世界最大のアクティブトランスポートデータのStrava Metroから見える気候変動対策への自転車移動の可能性についてのレポートも発表している。自転車による移動を、車で移動した際のCO2排出量に置き換えると、アクティブトランスポートが気候変動対策に貢献する可能性が見えてくる*。例えば東京のアクティブトランスポートを当てはめると、2019年は約1,678トン、2020年は約2,045トンのCO2排出量に相当する。2021年の9月時点では、CO2排出量約1,607トン分の移動がアクティブトランスポートに費やされ、昨年の同期間を上回っている。

さらに、日本の三大都市(東名阪)で見ると、今年は9月時点で合計約2,202トンのCO2排出量がアクティブトランスポートによって削減できたと仮定できる。

*アメリカ合衆国環境保護庁による予測モデルを基にしたCO2排出量

リアルイベントの再会とオンラインコミュニティの繁栄

リアルイベントが徐々に再開する一方で、Strava内のクラブの参加者総数は昨年の大幅な増加から更に37%アップしている。また、Strava内のチャレンジの参加者も倍増し、2019年から4倍に増えている。コミュニティやつながりをオンラインに求めるアスリートが、かつてないほど増加しており、リアルイベントの開催が難しいなかで、引き続きオンラインコミュニティが繁栄している傾向が見られる。

オンラインコミュニティの繁栄

2020年10月1日〜2021年9月30日の公開アクティビティの総計(日本)

公開アクティビティの総計(日本)

まとめ

今回の発表会で取り上げられていた主なトピックは以下の通り。

  • スポーツ人気は続く
  • ウォーキングの歩み
  • 気候変動に立ち向かう
  • オンラインコミュニティの繁栄
  • 総合データ

また、Stravaに記録される世界最大規模のアクティブトランスポートデータを匿名化して集計・集約したデータセットであるStrava Metroの無料提供開始が1周年を迎えたことについても話題となった。このデータは自転車道の整備などといった行政にも関わるとのことで、今後に注目したい。

StravaではこれからもStravaやアスリートのコミュニティができることを続けていくということで、期待が高まる。

LINK:STRAVA

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WRITTEN BYFRAME編集部

FRAME編集部はロードバイク、MTB、ミニベロ、トライアスリートなど、全員が自転車乗りのメンバーで構成されています。メンテナンスなど役立つ情報から、サイクリングのおすすめのスポット情報、ロードレースの観戦まで、自転車をもっと楽しくするライフスタイル情報をお届けします。 https://jitensha-hoken.jp/blog/

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