名古屋市・福岡県・鹿児島県で自転車保険の加入を義務付ける条例が平成29年10月から施行されます。

名古屋市の自転車保険加入に関する条例文を一部抜粋すると、

(定義) …
(9) 自転車損害賠償保険等 自転車の利用に係る交通事故により生じた他人 の生命又は身体の被害に係る損害を填補することを約する保険又は共済を いう。

(自転車損害賠償保険等の加入)
第14 条 自転車利用者(未成年者及び事業活動のために自転車を利用する者を 除く。)は、自転車損害賠償保険等に加入しなければならない。ただし、当 該自転車利用者以外の者が、当該自転車の利用に係る自転車損害賠償保険等 に加入している場合は、この限りでない。

と、自転車で事故を起こして相手を死傷させてしまった際に補償される保険への加入が義務付けられます

つまり、自転車に乗る人全員が「自転車保険」に加入しましょうという条例です。※未加入でも罰則はありません。

また、同時に自転車に乗る際のヘルメットの着用も義務づけられます。

自転車保険加入義務の対象者

  • 自転車利用者※未成年者の場合はその保護者
  • 事業で従業員に自転車を利用させる場合、その事業者

名古屋市では、市内に居住する者はもちろん、旅行などの滞在者、市内を通過する者も対象者となり、該当エリアでなくても通勤や通学者で対象になるケースは出てくることになります。

ヘルメット着用義務対象者

  • 名古屋市:高齢者
  • 福岡県:高齢者、児童(小学生)
  • 鹿児島県:全般、同乗する幼児

自転車事故は増加傾向にある

名古屋市は、都道府県別の交通事故の死者数は全国1位とワーストを記録。

福岡県は、自動車同士の事故は過去5年で減少傾向にありますが、自転車と歩行者の事故は10%増加。道路交通法の改正による自転車の取り締まりが強化されています。

また、自転車事故で被害者を死傷させてしまった場合の高額な損害賠償を命じられる判決が目立ちます。以上のような事例が背景となり、自転車保険への加入は、事故の加害者となったときの経済的な救済を目的にしていることがうかがえます。

高額賠償となった事例

未成年でも加害事故となってしまった場合、刑事上の責任、民事上の責任は発生し、保護者が賠償責任を負う場合があります。

賠償額:約2000万円の事例

男子生徒の傘差し運転により、歩行者の女性と正面衝突。前方不注意が原因の死亡事故。

賠償額:約1600〜1870万円の事例

児童が自転車走行中に一旦停止無視や信号がない交差点で相手がたと衝突して負傷させる。

賠償額:約9500万円の事例

児童が坂道を走行中、散歩中の歩行者と正面衝突。被害者が意識不明で寝たきりに。

神戸では自転車保険加入率が60%越えに

神戸では、2015年4月に全国で初となる自転車保険を義務づける条例が施行されました。施行した年の保険加入率は24.3%。翌年には60.0%まで大幅に上昇しており、今年2017年の加入率は、全体で64.7%とさらなる上昇の結果となりました(2017年6月下旬のアンケート)。

兵庫県は県交通安全協会などが県民を対象にした「ひょうごのけんみん自転車保険」を独自に展開。条例の浸透により一定の効果がありましたが、20代、70代の加入率はまだまだ低いのが現状です。

各自治体は、100%加入を目標に、保険加入状況のチェックシートを展開。また市民用の保険を用意するなどPRに努めています。

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