「最近自転車のブレーキをかけると、うるさい音がする」

ブレーキの利きが悪くなってきたかも?」

長く同じ自転車に乗っていると、少なからず不調は発生するものです。ブレーキ音が気になるときも、それはブレーキに不具合が生じているサインである可能性が高いといえるでしょう。

自転車の走行を制御するブレーキに不具合があることで、最悪の場合、事故につながるケースも。そうなる前に必ず点検をしましょう。

今回は、電動自転車のブレーキ音がうるさい原因や、ブレーキ音が気になるときの基本的な解消方法について解説します。

自転車のブレーキ音がうるさい原因は?

まずは、自転車のブレーキ音が気になるときに考えられる原因を3つ見ていきましょう。

ブレーキシューの摩耗

ブレーキシューとは、タイヤのリム(金属部分)を挟んで、前輪にブレーキをかけるためのパーツです。

ブレーキシューをよく見ると溝があることが分かります。その溝が減り、ブレーキシューの金属部分がリムに当たるようになると、ブレーキをかけるたびにキーキーと金属音が鳴ります。

リム部分の汚れ

リムとはホイールの骨格部分のこと。ブレーキシューで挟まれる部分にあたるので、砂・泥などの汚れ以外にも、ブレーキシューの摩擦による汚れもつきやすい部分です。

汚れを放置しているとブレーキの利きが悪くなる原因にもなり、気になるブレーキ音を発する原因にも直結します。

ローラーブレーキのグリス切れ

ローラーブレーキを採用している自転車は、“グリス切れ”が原因となってブレーキ音がうるさくなることも考えられます。

グリスとは、いわゆる潤滑剤のこと。基油に増ちょう剤や添加物を合わせて粘度の高い液体に仕上げられているのが特徴です。

電動自転車に使われるブレーキの種類は?

シティサイクルからスポーツバイクまで、自転車の種類がさまざま挙げられるように、ブレーキにも多くの種類が存在しています。ブレーキの種類によって、ブレーキ音が気になる際の対処法も異なります。

電動自転車には、前輪にリムブレーキ、後輪にローラーブレーキが使われるのが一般的です。ここでは、リムブレーキとローラーブレーキ、それぞれの特徴を紹介します。

リムブレーキ

一般的なシティサイクルからスポーツバイクまで幅広く使われることが多い「リムブレーキ」。リムブレーキの中にも複数種類があり、電動自転車には「ダブルピポットタイプ」と呼ばれるリムブレーキが多く使われています。

ブレーキシューでリムを挟んでブレーキをかける仕組みはどれも変わらず、音鳴り対策にはブレーキシューやリムのメンテナンスが重要です。

ローラーブレーキ

電動自転車の後輪に採用されることの多い「ローラーブレーキ」。ローラーブレーキは音鳴りが少ないといわれていますが、まったく音鳴りが発生しないわけではありません。

ローラーブレーキ内部にはグリスが充填されているものの、前述の通りグリスが切れると“ギーギー”と鈍い音が鳴る原因になります。

またグリス切れだけでなく、ローラーブレーキ本体の故障が音鳴りの原因になることもあります。いずれにせよ、電動自転車の後輪から異音がした場合は、速やかに点検・整備をするのがおすすめです。

気になるブレーキ音は放置すると危険!

「ブレーキがうるさい原因はなんとなく分かったけど、走行には支障がないから放置してても問題ないよね?」

こんな風に思った方は要注意です。

“ブレーキをかけるたび異音がする”ということは、なんらかの不具合が発生していると考えられるため、危険な状態であるといえるでしょう。

また普段は走行に問題がないように思えても、子供や荷物をのせて車体が重たくなっているときや雨の日など滑りやすい道路を走行する際に、突然ブレーキの不調が表れることもあります。

そのため、少しでも気になったらまずは点検をするのが理想です。

「ちょっと音が気になるけど自転車店に持っていくほどではないかも?」と悩むこともあるかもしれません。そんなとき、自分で点検する方法を知っておくと安心できるでしょう。

電動自転車のブレーキ音の解消方法

それでは、電動自転車のブレーキ音が気になるときに点検しておきたい3ヶ所を紹介します。比較的簡単に点検できるので、ぜひ試してみてください。

【前輪】リムをきれいにする

まずは前輪のリム部分を掃除してみましょう。

専用のパーツクリーナーを柔らかいタオルにつけて、リムを拭いていくだけです。

かなり汚れが付着しているケースも多いため、ゴム手袋や軍手などで手元を保護することをおすすめします。

【前輪】ブレーキシューを点検する

続いて、ブレーキシューの点検をしてみましょう。ブレーキシューの摩耗だけでなくリムの当たり具合(角度)が原因となって音鳴りが発生することもあります。

まずブレーキシューの角度を見て、曲がっている場合は音鳴りが発生しない位置に調整します。リムにぴったりとくっつくような形ではなく、“ハの字”になるように調整すると良いでしょう。

角度を確認した後は、ブレーキシューの摩耗の度合いを確認していきます。

ブレーキシューの溝が無くなるほどに摩耗している場合は、ブレーキシューの交換が必要です。交換は1,000円程度でできるため、専門店に依頼するのがおすすめです。

ブレーキシューにはさまざまな種類があるので、自分で交換する際は自分の自転車に対応するものかどうか、必ず確認しましょう。

【後輪】ローラーブレーキにグリスを注入する

ローラーブレーキ(後輪)の音鳴りが気になる場合は、ローラーブレーキ内部にグリスを注入してみましょう。

シマノ製(※)の「ローラーブレーキグリス」を使用するのがおすすめです。

注入方法については、グリスに取扱い説明書が添付してあるので、そちらを参考にしてみてください。おおまかな作業の流れは以下の通りです。

  1. グリス注入口にはめ込まれているゴム製のキャップ(グリス穴キャップ)を、マイナスドライバーなどで取る。(キャップは失くさないように注意)
  2. チューブを12mm以上注入口に差し込み、ゆっくりと車輪を回転させながらグリスを注入していく。(注入量の目安:5g)
  3. 注入後、グリス穴キャップを閉める。

(※)シマノとは・・・自転車業界において、世界トップシェアを誇る企業。安心の国産自転車パーツを多数手がけている。

上記に挙げた3ヶ所を点検した後、それでも音が消えない場合や変わらずブレーキの利きが悪い場合には、自転車専門店に修理を依頼することをおすすめします。

ブレーキの点検・修理を依頼した場合の費用相場

「自分でも点検できることは分かったけど、やっぱり自転車をいじるのは難しいし、ちょっと面倒……」

そんなときは無理をせず、専門店に点検・修理を依頼しましょう。

とはいえ、ブレーキ修理や点検を自転車専門店に依頼すると、いくらぐらい費用がかかるのか気になりますよね。

おおよその費用目安を以下の表にまとめました。

修理箇所基本工賃部品代
ブレーキ調整(前後)500円~700円
ブレーキシュー交換500円500円~1,500円
キャリパー(リム)ブレーキ交換1,000円~2,000円2,000円~3,500円
ローラーブレーキ交換3,000円~5,000円3,000円

基本的な料金体系は「基本工賃+部品代」で成り立っています。

修理箇所にもよりますが、ブレーキ修理は数千円で済むケースが一般的です。

自分で修理するときの注意点

簡単な作業であれば自分で修理することも可能ですが、修理をする際は説明書や公式サイトに書かれた手順などを確認のうえ、正しく行いましょう。

また最も危険な行為だといわれているのが、「CRC 5-56」のような潤滑油をブレーキに使用すること。前輪も後輪も摩擦の力でブレーキがかかるため、油をかけて滑らせてしまうと摩擦力が低下し、まったくブレーキがかからなくなる恐れがあります。

一度付着した油分は完全に取り除くのが難しいとされているため、最悪の場合、油が付着したパーツは全交換が必要となりかねません。グリスやパーツクリーナーは、必ず専用品を使用しましょう。

まとめ:ブレーキの点検をして安全に自転車に乗ろう

電動自転車のブレーキの音鳴りについて、考えられる原因と対策を解説しました。

点検箇所を知っておくだけで、自分の自転車がどんな状態なのか気付けるきっかけにもなります。ブレーキ音が気になる=何かしらの不調が生じているサインでもあるので、放置せずに必ず点検をしましょう。

自分でもブレーキ修理をすることは可能ですが、よく分からないまま自己判断で行うのはNGです。簡単な点検や整備で気になるブレーキ音が解消しない場合は、迷わず自転車店に点検や修理を依頼することをおすすめします。

定期的にブレーキの点検を行い、安全な自転車ライフを送りましょう。