自転車はいくら注意していても、事故を起こすリスクが伴います。実際に平成25年には、自転車乗用中に12万1,040件もの事故が起きました。自分が事故を起こしてしまうだけでなく、巻き込まれてしまうケースも考えられるでしょう。そのため「自分は大丈夫」と軽く考えるのではなく、いつでも起こり得ることとして捉えておくことが大切です。
そのためには、事故が起きる原因を知っておくと良いでしょう。判例などを交えながら、自転車事故の原因や実態についてご紹介します。
交通事故の原因と実態
自転車事故にはさまざまなケースがあります。中でも多いのは自動車との事故であり、全体の80%を占めています。自転車以上に高速で移動する自動車との事故は、命に関わる可能性も高いでしょう。出会い頭や右左折時の衝突による事故が多く、走行位置や走行速度、視界などへの注意が必要といえそうです。
例えば自転車が車道を走る際には、左側走行が原則です。しかし実際には、右側を走行する自転車が多く見られるでしょう。もし右側を走っていると曲がり角などで認識されにくく、気付かずに出てきた自動車と衝突事故に繋がるかもしれません。このような交通ルール違反が、やはり事故を引き起こす原因となっているようです。
自転車側に非があって引き起こる加害事故。その原因として一番多いのは、安全確認を怠るといった安全運転義務違反です。その他、一時停止で止まらなかったり、信号を無視したり。身近に感じられるのは、歩道を走行する自転車ではないでしょうか。歩道では歩行者優先が原則であり、無理な走行は歩行者との接触などを起こします。
しかしこうした原因は、交通ルールの順守によって大半が避けられるでしょう。基本的に車道(左側)を走る、夜間はライトを点灯する、交通表記を守るといった注意が、事故防止に役立ちます。
事故に遭ってしまったら?
交通事故のリスクを真剣に受け止めるには、実際に事故を起こしてしまった場合を想像してみると良いでしょう。
もし加害者として事故を起こしてしまえば、場合により大きな個人賠償が発生してしまいます。実際に、過去には加害事故によって最高9500万円もの個人賠償が発生したという判例もあるのです。
さらに被害者として事故に遭っても、入院や通院、あるいは手術などの医療費がかかるでしょう。自転車が破損すれば、修理や買い直しが必要になるかもしれません。こうした金銭面でのリスクは、普段の走行に注意する他にも、備えとして自転車保険に加入するといった方法が考えられます。
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実体験からの工夫
私も以前、突然飛び出してきた歩行者を避けて転倒し、怪我をしたことがあります。
参考:自転車事故に遭って再認識!予期せぬ危険と備えの大切さ
交通ルールは順守していたものの、それでも事故は起きるものだと痛感しました。そうした経験を基に、自転車走行では次のようなことに注意し、取り組んでいます。
- メガネを掛けて視野を良くする
- 誰も見えなくても曲がり角の手前でベルを鳴らして存在を知らせる
- 夜はライトの他に背面へ反射材もしくはライトを付ける
- 右左折や停止など手信号を使う など
また子供にも普段から交通ルールに則った走行を促すと共に、見本となるよう前を走って示しています。よく子供を乗せた自転車が信号無視したり、車道を横切ったりしている姿を見ます。しかし子供は親を真似るものですから、普段から正しい自転車走行を見せておくことが大切でしょう。
ワンポイント:手信号とは?
右左折や停止などの際、手を使って後方の自転車・自動車に知らせる方法です。具体的には、次のような手信号があります。
- 右折:右手を脇に向けて伸ばす
- 左折:左手を脇に向けて伸ばす ※右手を伸ばして肘を曲げ、逆L字にする方法もあります
- 停止:手を斜めしたに伸ばして手の平を後ろに向ける
後ろに自転車がいる場合には、手信号に加えて「曲がります」「止まります」など声を出すことも有効です。
まとめ
交通事故がどうやって起きるのか、その原因がよくご理解頂けたことでしょう。原因が分かれば、それに応じた対策が可能です。例えば車道に出た場合に左に寄ったり、交差点に差し掛かった際に減速したりと、事故が起きないよう日々気を付けておきたいものです。