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自転車事故に備えるには自動車保険や火災保険の特約で十分?!自転車向け保険の賢い選び方

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今年のうちに自転車保険を検討しておこう

2015年も残りわずかとなり年の瀬が迫ってきました。「年の瀬」という言葉の由来は、ツケ払いが主流だった江戸時代に、たまった支払いなどお金の問題をきちんと清算し、気持ちよく新年を迎える風習から来ています。ずるずると後回しにしてしまいがちなお金の悩みの1つに、自転車保険もあるのではないでしょうか。

自転車事故に備える方法としては、保険が最も有効です。起こる確率は低いけれども、起きてしまったら大きな損害に繋がることは、保険でカバーすべきです。発生確率が少ないので、わずかな保険料で大きな補償が得られるからです。

自転車事故に対応できる保険の種類が多いため、どれを選ぶべきか迷ってしまいますが、保険について一緒におさらいしていきましょう。

自転車事故には高額賠償に対応できる保険を選ぶ

自転車事故のリスクは、人にケガをさせたり物を壊してしまった時の賠償責任、自分自身のケガなど、大きく2つに分けることができます。特に備えるべきは、加害者側となってしまった場合です。

今年の10月から自転車保険の加入が義務付けられた兵庫県ですが、小学5年生男児が歩行中の女性と自転車で正面衝突し、意識不明となってしまった事故に対して、9521万円の賠償額が請求された神戸地方裁判所の判決に衝撃を受けた保護者の方も多いのではないでしょうか。

自転車と歩行者の事故では、歩行者が弱者であり、自転車側の責任が追及され、相手に重大なケガを負わせてしまうと、多額の賠償金を支払わなくてはなりません。

そのため、限度額は1億円以上で示談交渉サービスが付いていることが保険選びの1つの基準となるでしょう。

示談交渉サービスも万能ではない

示談交渉サービスは、必ず付けておきたいところですが、すべての事故に対応できるわけではありません。

自転車で停車中に車に追突され、10日間の入院を余儀なくされたお客様の事例では、自転車側の過失は0となります。弁護士法により、過失が0の被害者に対して保険会社が代理で示談交渉を行うことが禁止されているのです。

「体を動かすことも考えることも辛い状況にも関わらず、相手が無保険状態だった為、加害者が直接病室に来て交渉することが苦痛でたまらない」というご相談を受けたのですが、弁護士費用特約付きの自転車保険に加入していたら、安心して弁護士に交渉を任せることができたでしょう。保険料の支払に無理がなければ、示談交渉サービスだけでなく、弁護士費用特約も検討してみる価値はあります。

自転車事故に保険で備える方法は大きく3通り

自転車事故に備える方法は、次の3つがありますが、カバーできる内容に差があるので、注意が必要です。

1) 自転車保険
2) 加入済み保険の個人賠償特約(自動車・火災など)
3) クレジットカードのオプション保険

気軽に加害者と被害者側のどちらにも手厚く対応できるのは、やはり自転車保険でしょう。火災保険の特約では、加害時の賠償責任の補償はありますが、自分自身のケガには対応できません。どこまで保険で備えるべきなのか、家族構成やライフスタイルに応じて考える必要があります。

JCBやイオンなどのクレジットカードのオプション保険には、月130円〜560円とワンコイン程度で個人賠償がセットできますが、クレジットカードに加入している必要があります。普段愛用しているカードであれば問題ありませんが、カードを解約してしまった時には補償も無くなってしまう点には、気をつけなければいけません。必要な時に保険に加入していなかったということにならないように。

自転車保険より火災保険や自動車保険の特約の方がお得なケースは限定的

自転車保険についてインターネットで検索してみると、「割高」とか「不要」だと書かれている記事を目にするかもしれません。火災保険や自動車保険の特約で加入した方が、年間の保険料を節約できると唱えるファイナンシャルプランナーが多いのも事実です。はたして、本当にそうなのか深堀りしてみました。

朝日火災ホームアシスト 富士火災 未来住まいる セコム 安心マイホーム保険 損保ジャパン日本興亜 THEすまいの保険 東京海上日動 トータルアシスト 三井住友海上 GKすまいの保険 セゾン じぶんで選べる火災保険
個人賠償 責任 1億円 1億円 1億円 1億円 1億円 1億円 1億円
示談交渉 サービス
特約保険料 920円 1100円 1190円 1260円 1,360円 2000〜3000円 890円

マイホーム派の方が加入している火災保険の個人賠償特約料は、年間1000円程度の保険会社が多く、かなりリーズナブルになっています。加害時にのみ備えたいのであれば、火災保険の特約を第一候補にしてみてもいいですね。

一方、賃貸派の方は、契約時に不動産会社が薦める火災保険にそのまま加入した方も多いのではないでしょうか。その場合、個人賠償特約が付いていますが、支払限度額が1000万円、示談交渉サービス無しと自転車事故の備えとしては、不十分な内容なので、補償の追加が必要になってきます。

SBI損保 チューリッヒ ソニー損保 イーデザイン損保 三井ダイレクト損保 おとなの自動車保険 損保ジャパン日本興亜 アクサダイレクト
個人賠償責任 1億円 1億円 5000万円 無制限 無制限 3000万円
示談交渉サ ービス
死亡・後遺障害 1000万円
入院一時金 5万円
特約保険料 3650円 2430円 3600円程度 1620円 2100円程度 3500円程度
特約名称 自転車事故補償特約 個人賠償責任特約 日常事故解決費用特約 個人賠償責任特約 個人賠償責任特約 生活賠償責任補償特約(ファミリープラス)
特約追加 マイページ/電話 マイページ/電話 契約・更新時のみ マイページ/電話 電話 マイページ/電話

自動車保険の特約で備えたくても、個人賠償特約が用意されていなかったり、示談交渉サービスのない保険もありました。自動車保険に示談交渉サービスが付いていたとしても、自転車事故の加害者となった時には話は別です。示談交渉サービス付きの個人賠償責任特約でなければ、自転車事故に対応できません。

自転車乗車中に自動車と事故に遭ってしまったら、車外まで範囲を拡大した人身傷害特約で補償することもできますが、特約料はまた別になります。

参考までに、セゾンのおとなの自動車保険で試算してみると、個人賠償責任特約1500円、人身傷害特約2000円、弁護士費用特約1500円で合計特約料はおよそ5000円。割安感はありますが、事故の相手が車の時のケガしか対応していないというぬけ穴があります。

加入中の自動車保険によっては、自転車保険へ加入する方が必要な安心を確実に手に入れることができるのではないでしょうか。

自転車保険が向いているのはイマドキタイプ人?

自転車事故の80%以上は、東京都を始めとする都市部で発生しています。自転車専用レーンも少なく、道路幅の狭い都会では、自転車が歩道を走行する傾向にあり、歩行者との事故の危険性も高くなります。

神戸市だけでなく、自転車保険加入を促す自治体は今後も増えていく見込みです。東京都・埼玉県・京都府・愛媛県は保険加入を努力義務化、大阪市・名古屋市・横浜市・千葉市・滋賀県では保険加入を求める条例を準備中です。今のところ、保険未加入でも罰則義務はありませんが、法律が整う前に加入おきたいところです。

都市部に暮らす方は、マイカーもマイホームも持たない堅実な人が多く見受けられます。賃貸マンションに住み、自転車で移動することが多く、カーシェアやブランドレンタルを活用するような自分基準の新しい価値観を持つ人こそ、自転車保険で事故に備えることが適しているかもしれません。

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