自転車好きにはたまらない!オランダで起業した私の自転車生活

はじめまして。私は2015年4月からオランダのデンハーグに移住し、事業を展開している神戸真理(かんべ・まり)です。

私がオランダでの事業展開を実現できているのは、100年以上前に締結された日蘭通商航海条約が有効であるおかげ。日本国籍を持つ人であればオランダで起業・滞在する際に特権が認められ、私の場合は当条約を活用することで居住許可を得ました。

現在展開しているビジネスは、現地での経験やネットワークを活かして居住許可の代行取得、住まいや店舗探し、コンサルティング、販売促進など、オランダ進出予定の企業や移住を考えている日本人を全面サポートするというもの。その他、ライター業や文化交流の一環として現地人との書道ワークショップにも取り組んでいます。

(参考)
25歳でオランダ起業した私が準備したことのすべて(Lifehacker)

そんな私が、住んでいるからこそ分かるオランダの自転車事情について、これからFRAMEで連載していきます。

2
(現地の大学生たちと行った書道体験ワークショップ。)

私が現在住んでいるオランダでは、交通手段として自転車を使用することが一般的で人気です。通勤、通学、買い物などの短距離移動で日常的に用いられ、レジャーの際にも自転車がよく使われます。

hollandtradeandinvest.com誌によると、国民一人につき平均1.1台と世界最大の自転車保有率を誇るほどの自転車大国(※1)。

そんなオランダにて現在自転車と密接に関わる暮らしをしている私ですが、移住前のつい最近までは自転車とほとんど関わりを持たない生活を送っていました。

私の自転車歴

小学生の頃に親からマウンテンバイクをプレゼントでもらって以来、週末には家族や友人らと自転車で山や河川周りへサイクリングによく出かけていました。しかし高校入学後、大好きだった愛用自転車が盗まれてしまい、主な交通手段が電車や車へと変わってからは、通勤通学・余暇共に自転車とはめっきり関わらない生活に一遍。

しかしオランダに住み始めてからは、どこまでも整備された安全な自転車道や、自転車に密着した生活を送る現地の人々に影響を受け、交通費節約にもなることから、自転車購入を検討し始めました。

移住3ヶ月後には近所のセカンドショップで自転車を約100ユーロで購入し、今ではすっかり自転車生活を楽しんでいます。

s_3
(私がオランダで一番好きな場所、古都デルフトにて。)

オランダでの自転車生活

交通費がかからずどんな場所へも安全に行き来できる自転車は、オランダで生活をする上で無くてはならない相棒のような存在。

国土の四分の一が海抜より低く、高い山が一切無いオランダの道路は、どこまでも平坦なので快適にサイクリングが出来ます。(※2)

オランダ国土内には約35,000kmもの自転車専用レーン(※3)が張り巡らされており、歩道・自転車道・車道がそれぞれ独立しているため、安全かつストレスフリーに行き来することができます。そのため、交通費をかけて電車やトラム、バスをわざわざ使用しなくても、オランダでは自転車が立派な交通手段の一つとして確立しているのです。

(右側が歩行者専用道、左側が自転車専用道。)

オランダで暮らす私が日常生活の中で実際どのように自転車を使用しているのかについて、普段の1日の流れを切り取って平日・休日それぞれ紹介していきます。

1. 平日の流れ

・午前8時 自転車でデンハーグ中央駅へ

自転車でデンハーグ中央駅へ向かい、顧客との待ち合わせ・ミーティングを行います。自宅から駅までは自転車で約15分。天気の良い日は自転車で向かいます。

s_5
(歩道・自転車道・トラム道・車道とそれぞれ間隔を空けて整備されています。)

・午前11時 現地の人と一緒にオランダ語の勉強会

6
(駅地下やその周辺には駐輪スペースがたくさん設置されています。)

週に2回、駅近くの図書館や共有スペースで日本語の話せるオランダ人にボランティアでオランダ語を教えてもらっています。その間、自転車は駅地下にある無料駐輪場に留めています。

・午後2時 カフェで諸作業

7
(WI-FI環境も良く基本的に静かなので、作業が捗ります。)

行きつけのカフェで、ライター業やブログの記事作成、その他諸作業に集中して取り掛かります。オランダでは時間無制限かつ無料で提供されている駐輪スペースが多いので、外出先で長居する際にも便利です。

・午後5時 帰宅途中のスーパーマーケットで買い物

8
(車・トラム・自転車・歩行者で混雑し合う帰宅ラッシュの夕方17時頃。)

作業を一旦ストップし帰宅。帰路にあるスーパーマーケットで食料品など生活に必要なものを買い足します。通勤・通学の時間帯は、大通りや信号待ちで自転車道の渋滞が起きることがしばしばあります。自転車同士の距離を一定に保つことや、正しい位置で一時停止すること、曲がり角では手を左・右に水平に伸ばし進む方向を示すこと、優先を表す道路上の三角マークの目印に気を付けるなど、安全運転を心掛けています。

2. 休日には自転車で遠出サイクリング

週末は自転車で隣町のデルフトや街中のイベント・市場マーケットに出かけたり、自宅から自転車で約30分先にある海岸の砂浜ビーチまでサイクリングに出かけたりしています。

9
(イベントやマーケットで賑わうデルフト中心部。)

住む場所によっては自転車一つで隣国のベルギーやドイツにだって遊びに行けてしまうほど。自転車があるだけで行動範囲がどこまでも広がるオランダの立地条件は、自転車好きにはたまりません。

最後に

オランダに住むまでは、自転車という交通手段がここまで自分の生活に深く溶け込むとは想像していませんでした。整備の整った快適な自転車道、交通費節約、環境への優しさ、適度なエクササイズと三拍子ならぬ四拍子揃った自転車は、今後のオランダ生活でも大活躍してくれること間違いありません。

私だけに限らず、オランダで暮らす赤ん坊からお年寄りまで多くの人々に親しまれ、生活の中に自然と取り入れられている自転車。その理由の一つとして、現地の人々や世界から「オランダの自転車道の整備」における高い評価を得ていることが挙げられます。

次回は、オランダに住む中で感じられる自転車道の整備状況について、具体的な現地の情報や写真を盛り込みながら紹介する予定です。
どうぞお楽しみに!

Marihollandサイト

参考文献
※1・3 「Holland Information
※2 オランダ政府観光局holland.com「Did you know?」

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

あわせて読みたい!

WRITTEN BY神戸真理

オランダ・デンハーグ在住の個人事業主。オランダ進出企業・移住予定者のサポートを手掛ける事業を展開。その傍らでライター業や書道ワークショップに取り組んでいる。個人ブログ「Mariholland」では、オランダでの取り組みや現地生活の様子、日々の考察を中心に発信中。 http://mariholland.com/

他の記事も読む

pagetop