衝撃吸収性に富みしなやかな乗り心地が人気のクロモリバイク。割れたり傷ついたりしにくいうえに多少の曲がりなら叩いて直すこともできる優れた素材です。とにかく軽いロードバイクが欲しいという方はカーボンフレームを購入することも多いかもしれませんが、クロモリ独自の「しなり」は路面からの衝撃を吸収しつつペダルを踏み込む力は加速する力へと変えてくれるのです。
フレームは細めのものが多いのでおしゃれに街乗りを楽しみたい方にもおすすめでしょう。今回ご紹介するのはブリヂストンのアンカー RNC7です。ブリヂストンの開発したNEO-COTという理論により生み出されたクロモリフレーム、「ネオコットフレーム」を用いたこのロードバイクの特徴や性能について見ていきたいと思います。
ネオコットフレームとは
Neo-Cot(ネオコット)とは新最適形状理論「Neo Contour Optimization Theory」の頭文字をとった言葉です。1980年代後半当時のブリヂストンは剛性と軽さを併せ持ちクロモリのしなやかさを生かすことのできるフレームの開発を試みました。従来のクロモリフレームのチューブは断面が丸く、その形状が走るのには最も適しているとされています。しかしブリヂストンの解析により丸パイプでは走行時に応力が分散しロスが大きいことがわかりました。そこで生み出されたのがネオコットフレームです。
ネオコットフレームは「バルジ成形」という手法により生み出されます。金型にはめたチューブに内部に高圧のオイルを充てんし、チューブの両端をラッパ状に広げて成形する方法ですが、これにより従来チューブ同士をつなぐのに必要だったラグを省くことができるようになりました。溶接過程が減りフレームの劣化も防ぐことができ、ラグの分の重量も減らし軽量化へとつながったのです。
頑丈で走行時のロスが少ないうえに軽いネオコットフレームは、クロモリ素材の持ち味を最大限に引き出したブリヂストンのこだわり溢れるフレームです。
ネオコットフレームでの走り
1990年代にはレーシングモデルとして「最速」の座に位置していたネオコットフレーム。1992年のバルセロナ五輪には藤田晃三さんが市販される前の試作フレームで出場し、2000年のシドニー五輪には鈴木雷太さんがネオコットフレームでMTB競技に出場を果たしました。日本代表に選ばれるだけのポテンシャルを持った素晴らしいクロモリフレームだったのです。
現在はレースにおいての性能でいえばカーボンフレームに軍配が上がっていますが、ロードバイクの楽しみはレースで入賞することだけではありません。クロモリにはクロモリの良さがあり、ペダルを踏んだ時のクロモリ独特の「バネ感」を好むユーザーもいます。回転数を上げる走り方よりも重いギアで高負荷をかける漕ぎ方の方が好きだという方にはカーボンよりもクロモリの乗り味の方が向くかもしれませんね。
最高のクロモリフレーム – RNC7 EQUIPE
クロモリの限界に挑んだというRNC7 EQUIPE。しなやかさを特徴とするクロモリフレームの中でも最高の強度と応力を誇ります。完成車の重量はペダル付きで9.6kg(530mm)と10kgを切る軽さです。490mm,510~590mm(10mm刻み)までサイズ展開がされており、自分の体にあったフレームサイズを選択しやすくなっています。
フレームのカラーリングは、 11種類のレーシングカラー、30色の単色カラー*の中から選ぶこともでき、バーテープやサドル、ワイヤーの色も好きなものにできるためビジュアル重視でクロモリの自転車を探している人にもRNC7はおすすめしたい一台ですね。
*)現在は35色のエッジスタイル、35色の単色フレームカラー(5色のロゴ、3種の表面仕上げ)から選ぶことができる
コンポーネントにはSHIMANO105を採用しており、走行性能もサイクリングにはバッチリです!(参考価格:税抜260,000円)
最後に
ブリジストンのクロモリ素材へのこだわりが詰まったネオコットフレームのロードバイク、RNC7。断面の丸くない独特のデザイン、ロスの少ない走行性能はネオコットフレームならではです。
クロモリフレームのロードバイクをお探しの方におすすめの一台でしょう!