【写真】自転車を綺麗にカメラ撮影するためのコツ教えます〜初級編〜
こんにちは、神楽坂つむりと申します。
私は大学生の頃に旅の道具として自転車を選択し、気がついたら日本中をツーリングし尽くしていました。その間にも趣味と称して色んな自転車を乗り回してきました。
そしてツーリングの思い出を残すために写真を撮っているうちに、写真の魅力にも惹きつけられていました。
そんな私が今回紹介するのが「自転車を綺麗に撮影するためのコツ」についてです。
ロードバイクやMTB(マウンテンバイク)、クロスバイクと言ったスポーツ自転車は一般的な自転車(いわゆるママチャリ等)とは一線を画す美しさが備わっています。
私自身、自分の自転車を眺めては自己満足に浸ることが多々あります。
そんな自転車を綺麗に写真に残したい、SNSにアップしたい、という人も多いのではないでしょうか?
今回から2回に分けて、自転車を綺麗に撮影するためのコツを紹介していきます。
1回目は初級編ということで誰でもすぐに実践することができる基本的な撮影方法を解説していきます。
綺麗に見える自転車のセッティング
いくら綺麗な自転車でもただ闇雲に撮影していては綺麗に見えません。
下の2枚の写真を見比べてみてください。違いがわかりますか?
1枚目。
こちらは何も考えずに撮影しました。
2枚目。
こちらは綺麗に撮影するためのポイントを意識して撮影しました。
同じカメラ、同じレンズで同じ自転車を撮影しているのに全く絵が違いますね。
下の写真の方が自転車が断然、綺麗に見えると思います。
一体何が違うのでしょうか?
ポイントは以下の4点です。
車体の向き
まずは車体の向きを決めますが、「クランク側から撮影する」のが基本です。
これはクランクやチェーン、ディレイラーと言った自転車の要とも言えるコンポーネントを写真に収めるためです。
コンポーネントは他の自転車とは違うオリジナリティを演出する部品でもありますし、何より単純に「かっこいい」ポイントです。
また部品交換をすると車体のイメージがガラッと変わることがあります。
購入した当初と、数年乗った後では、部品が一新されているかもしれません。
そういった違いを記録するためにも、「クランク側から撮影する」というのは意味があることなのです。
クランクの位置
クランクは自転車を構成する部品の中でも際立って長く出っ張った部品です。
「自転車の顔」とも言われるくらい目立つ箇所でもあるため、位置がバッチリ決まっていないと、ちぐはぐな写真になりかねません。
基本的には「シートチューブの延長線上にペダルの先端が来る」ようにセッティングすると綺麗に見えます。
シートチューブとはサドルを固定しているパイプのことです。
フレームとクランクの「つながり」を意識することで、綺麗にまとめられたスタイリッシュな写真を撮影することができるようになります。
実はもう一つ、綺麗に見えるクランクの位置があります。
「チェーンステーの延長線上にペダルの先端が来る」バージョンです。
先ほどのフレームとクランクの「つながり」という観点からすると、こちらの位置も正しいことになります。
クランクのメーカーによってはこちらの方が真横から見たときにロゴが読みやすく、結果として写真を撮影した時に綺麗に見えることがあります。
どちらが正解というわけではありませんが、個人的にはフレームサイズが大きい自転車はシートチューブと、フレームサイズが小さい自転車はシートステーと合わせた方が綺麗に見えると思います。
これは「つながり」を持たせるパイプとクランクの長さの差が大きすぎると、バランスが悪く見えてしまうからです。
自分の自転車はどちらのセッティングが美しく見えるか、一度試してみるのもありかもしれません。
バルブの位置
ホイールやタイヤにはロゴが記載されていることが多いですが、これらの位置を揃えることで、写真写りをよくすることができます。
ホイールの基本的なセッティングは「バルブ位置が真下に来る」位置です。
こうすることで、ホイールあるいはタイヤのロゴが読みやすくなり、見る側に綺麗だという印象を与えることができます。
ここで注意したいのがホイールへのタイヤの組み付け方です。
タイヤにもロゴが記載されていますが、ホイールのバルブ穴位置にタイヤロゴが来るように組み付けておかなければなりません。これを失念し適当にタイヤを組み付けてしまうと、せっかくホイール位置を正しくセッティングしてもタイヤロゴだけが変な位置に来てしまいます。もし自身でタイヤ交換をすることがあれば、ロゴの位置を注意しましょう。
また前後ホイールをどちらもバルブ位置が真下に来るようにセッティングするのは意外と手間です。
前輪であればハンドルを持ち上げて手で回せば良いだけですが、
後輪となると一つ前のポイントで説明した「クランク位置」を守りつつ、バルブ位置を気にしなければなりません。後輪を回すためにクランクを回すとこれらの位置関係が崩れてしまうため、手順としては
- 手で後輪を回してバルブ位置をセットしてから
- クランクを逆回転させて正しい位置にセットする
方法が最も効率が良くなります。
SNSやブログを見ていてもこのバルブ位置を意識している人は多くありません。
だからこそ綺麗に見えるバルブ位置を徹底することで、より際立った写真を残すことができると思います。
変速位置
「アウタートップ」が基本です。
アウタートップとは
前の変速位置・・・アウター=外側=重いギア
後の変速位置・・・トップ=外側=重いギア
つまりアウタートップとは「最も重いギア」の組み合わせのことを指します。
チェーンは自転車を動かす上で非常に重要なパーツであり、自転車特有のメカメカしさを感じられるパーツでもあります。
そのチェーンを撮影者側から見て手前にセットすることで、自転車然とした美しさを見せることができます。
また、リアディレイラーもロー側だとテンションがかかって引っ張られた状態になり、間延びした印象になってしまいます。トップ側だとリアディレイラーもスマートに収まって写真写りが良くなります。
以上のポイントを踏まえた上でおさらいです。
- 自転車は「クランク側から撮影する」
- クランク位置は「「シートチューブの延長線上」
- バルブ位置は「真下」
- 変速位置は「アウタートップ」
ちょっとの手間で綺麗な写真に!ぜひ試してみてください。
アングルで印象は変わる
真横から撮るというのは最もオーソドックスですが、ありふれた写真になってしまうのは否めません。
もちろん、記録用だったりコンポーネントをじっくりと見せたい、フレームのカラーを綺麗に見せたい時には有効なアングルです。メーカーのカタログ写真なども必ずと言っていいほど真横からのアングルです。
ですがこのアングルを少し変えるだけで、写真の印象をガラッと変えることができます。
斜め後ろから撮影した例。
自転車から少し距離を置いて斜め後ろから撮影すると自転車だけではなく背景も多くとい入れることができます。
また背景が写り込むことによって、真横から撮影した時ののっぺりとした印象から、立体感のある写真に見える効果もあるのです。
自転車をアップで斜め前から撮影した例。
こちらはあえて真横からではなく斜め前から撮影しています。
先ほどの例と同様に、こちらも立体感を演出することができます。
全体の配色やパーツ構成、真横からは見えない部分を見せたい時に有効なアングルです。
また、真横から撮影した時に比べてハンドルとサドルの落差が大きく見えるので、自転車がよりかっこよく見えますね!
こちらもぜひお試しあれ。
カメラの基本的な設定
最近のカメラにはプログラムオートやオートと言った設定があります。
私自身、ツーリング中の写真はこの設定で撮影することが多いですが、意識して自転車を撮影する時には使用しません。
私が使用しているのは絞り優先モード(Avモード)です。
※AvとはAperture Valueという意味。
絞りとはF値とも言われます。
この数値を小さくすればするほど明るい写真が取れます。
また背景のぼかし効果を得ることができます。
下記写真をご覧ください。
F値「22」で撮影。
F値「3.5」で撮影。
F値が小さい下の写真は背景が綺麗にボケて、自転車が浮き上がって見えます。
これだけでもプロが撮影したような印象を与えることができます。
特に背景がごちゃごちゃしていたり、写って欲しくないもの(人や電柱、自販機など)がある時には有効なテクニックです。
ただしF値はいくらでも下げられるわけではなく、レンズの性能に大きく左右されます。
入門用デジタル一眼レフカメラのキットレンズ等であれば、通常はF5.6程度のものが多いですが、思いっきり背景をぼかせるならF2.8以下のレンズは欲しいところです。
誤解を恐れずに言うと「自転車を綺麗に撮影するためにはいいレンズが必要なんだ!」ということですね。
それも趣味です。気がついたらカメラ機材が増えていた・・・なんてことも私の周りでは珍しくありません。
斜め後ろからF値を小さくして撮影した例。
風景を見せつつ、自転車を際立たせることができます。
まとめ
今回は誰でもすぐに実践することができる基本的な撮影方法を解説してみました。
- 自転車のセッティング
- アングル
- カメラの設定
たったこれだけで確実に自転車を綺麗に撮影することができます。
繰り返して撮影テクニックを磨けばきっとカメラを持って自転車で出かけるのが楽しみになると思います。
是非、お試しください。
次回は「自転車を綺麗に撮影するためのコツ~中級編~」です。
さらに踏み込んだ「構図」や「レンズの使い分け」等について解説予定です。
引き続きお付き合いいただければ幸いです。
つむりさんが初心者から中級者におすすめと話すのは、こちらのレンズ。価格とスペック、守備範囲の広さが特徴で色んなシチュエーションでの撮影をレンズ1本で済ませたい!という人におすすめだそう。
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WRITTEN BY神楽坂つむり
ブログ「つむりの悠々自適ライフ」の管理人 大学時代に自転車と出会い、暇があれば各地をツーリングする日々。 最近では海外旅にも挑戦中。機材ネタや旅のノウハウ、旅レポートを執筆中。 http://tsumuri5.com/