過去最高レベルのバトル必至・シクロクロス東京2017年 プレビュー
こんにちは、SNEL CYCLOCROSS TEAMに所属しているシクロクロスライダーの向山です。
2017年2月11日・12日にお台場海浜公園で開催されるシクロクロス東京2017。
シクロクロスシーズン終盤の一大イベントであり、今年で6回目を数えるシクロクロス東京の見どころ・事前情報をお送りします。
目次
男子エリートは過去最強レベルの海外選手が襲来 迎え撃つ日本人選手にも期待
シクロクロス東京最大の魅力は、何と言っても強豪選手の走りを間近で観られること。
男子エリートには、ジェレミー・パワーズらアメリカ勢、フランスからはスティーブ・シェネル、そしてオーストラリアからはナショナルチャンピオンのクリス・ジョンジェワードらも参戦します。
ディフェンディングチャンピオンであり圧倒的な実力と存在感を誇る、お馴染のジェレミーに加え、全米選手権で3位になったアメリカ期待の若手ケリー・ワーナージュニアのアメリカコンビは目が離せません。そこにオーストラリア勢がどう勝負をしてくるかも楽しみ。そして、なんと言っても優勝候補筆頭のスティーブ・シェネルの走りにも注目です。
ハッキリ言って、今大会は過去最高レベルの海外選手が襲来するので史上最高レベルのバトル必至です。
対する日本勢は全日本チャンピオンの沢田時を筆頭に前田公平、小坂光、竹之内悠と言った全日本選手権の上位陣フルメンバーで迎え撃つ。特に、昨年の大会では小坂選手がジェレミー・パワーズと最後の最後まで優勝争いをして惜しい所まで行きましたから、過去最高レベルの海外選手を相手に国内のトップ選手がどんな走りをするか期待が高まります。毎年期待される日本勢の優勝を目指して皆で応援しましょう。
女子エリートも面白いレースになること間違え無し
昨年大会は国内選手のみの出場だった女子エリートですが、今大会は海外から5名の招待選手がやってきます。
女子エリートの注目選手は現日本チャンピオンの坂口聖香でしょう。
2015年に日本チャンピオンになって以来、テクニックもフィジカルもどんどんレベルアップし、国内に敵なしの選手。彼女と海外の強豪の激突は楽しみでなりません。
海外勢の筆頭はアメリカのエミリー・カチョレック。昨年中国で開催された国際レースで優勝しており、日本から同大会の参加していた関係者の話では「かなり速い」とのこと。また、オーストラリアチャンピオンのレベッカ・ロッケはMTB兼シクロクロスライダーであり消防士でもある異色の選手。誰が勝つか分からない女子エリート、白熱バトルを期待しましょう。
おまけ:この時期に遥々日本のレースに参戦する海外選手には日本に興味を持っている選手や親日家が多いです。選手との距離が近いのもシクロクロス東京の魅力なので、ぜひ海外選手と触れ合ってみましょう。きっと、走っている時の殺気立った表情とは違う、選手のフレンドリーな部分を見せてくれると思います。
本場ヨーロッパから満を持して参戦するスティーブ・シェネルの走り
今回来日する選手の中で私の一押しはなんと言ってもスティーブ・シェネル。UCIランキング25位。ワールドカップでもベルギー・オランダ勢に混ざって先頭集団に入ることもあるワールドクラスの選手です。
フランスにはシクロクロス専門チームが無いため、アージェードゥーゼルやコフィディスなどロードのトップチームで走りながらシクロクロスを走っており、2012年にはヘント・ウェヴェルヘムで8位になるなど、ロードでも通用する選手。近年は自分でフランス初のシクロクロス専門チームを立ち上げて活動中です。
実は私、過去に中国の国際レースでシェネルの走りを直接見ているんです。私も選手として行っていたので、近くで走っている所を見られたのは試走中だったんですけど、フィジカルだけではなく、テクニックも半端じゃないです。
異常なスピードでコーナーに突っ込み、そのまま曲がって行くんです。タイヤが滑ったら強引に力で抑えつけて、見たこと無い走りでした。あの走りをついに日本のシクロクロスファンが生で観られる日が来たんです。
(※ちなみにそのレースには、優勝候補として参戦し、途中までトップを独走していたものの、ペダルが壊れるなどのメカトラが続き、元フィデアのタイス・アルに敗れて3位。しかし、その圧倒的な走りはとても印象的でした)
まだまだヨーロッパでもシクロクロスシーズンが続くこの時期にこれだけの大物が日本で走ること自体がまさに奇跡。絶対に観ないと損します。その異次元の走りをまぶたに焼き付けて下さい。
ちなみに、かなりフレンドリーな人柄です。先の中国滞在中、最初は怖そうに見えたのですが、レース後は気さくでお酒も良く飲んで楽しそうにしていました。彼へのプレゼントは日本酒が良いですかね。
電車でも自転車でも楽々アクセス。サイクルクロークが有り難い
シクロクロス東京のもう1つの魅力はお台場と言う最高のロケーションで開催されること。東京都内で開催される唯一のシクロクロス大会であり、気軽に観戦に行けるのが嬉しいポイントです。
ゆりかもめのお台場海浜公園駅や、りんかい線の東京テレポート駅から近いので電車で行ってお酒を見ながら観戦できるのが魅力。本場のシクロクロスレースと同じように会場にはアルコール類のブースも充実しているのでビール片手に観戦と言うのは如何でしょうか。
また、お酒は飲めないものの、自転車で会場まで来るのもおすすめ。
会場には無料のサイクルクローク(基本的に無料ですが、入り口に寄付の箱があるので、ぜひご協力を)があるので安心。悲しいことに近年はこう言った自転車関連イベントでは来場者の自転車を狙う輩が増えており、盗難被害が後を絶ちません。私の知り合いでも盗まれた人がいます。せっかく楽しいイベントに来たのに、自転車盗まれて最悪な気分で帰るなんてことは有ってはいけません。
だからこそ、このサイクルクロークはとても有り難いと思います。参加者だけではなく、観戦に来た人たちにも最大限自転車を楽しんでもらいたいという主催者の心配りが伝わってきます。
今年の大会オリジナルグッズはブラック×イエローのお洒落なデザイン
毎年楽しみなのが大会オリジナルグッズ。今年はブラックベースでイエローを刺し色にしたお洒落なデザインが特徴。
ショートスリーブジャージ 8,000円、シームレスネックウォーマー 1,000円、サイクルキャップ 1,500円、カウベル 1,800円のラインナップ。オリジナルグッズを身に付けてカウベルを振れば盛り上がること間違え無しです。
如何でしょうか。男子エリートも女子エリートも盛り上がること間違え無しのシクロクロス東京。ぜひ会場に脚を運んでみませんか。
おまけ:私も男子エリートに出場予定です。我々SNEL CYCLOCROSS TEAMにもご声援頂けると大変嬉しいです。
LINK:シクロクロス東京
LINK:チャンピオンシステム
写真提供:シクロクロス東京大会事務局
あわせて読みたい!
WRITTEN BY向山浩司
シクロクロッサー、自転車店店長。高校から自転車競技を始め、就職を機に一度引退。その後、ロードレースに復帰し、Jプロツアーを転戦。クリテリウムを得意とするスピードマンでならす。現在はSNEL CYCLOCROSS TEAMに所属し国内外のシクロクロスレースを主戦場にする。ロードからMTBまでこなすマルチライダーとして、自身の経験を活かして東京・あきる野市で自転車店A-Pad SPORT CYCLE STOREを運営する。A-Pad SPORT CYCLE STORE