元自転車店店長が自転車に向いたレインジャケットを教えます

【2021年9月更新】こんにちは。元自転車店店長でサイクルメカニックの石橋です。

自転車通勤の最中やエントリーしたイベントやレースが、あいにくの雨だったことはありませんか? 私は何度もあります。大切にしている自転車が汚れるだけではなく、服がずぶぬれになったり、お尻に雨水が侵入したりとテンションが下がってしまいますよね。また、晴れの日よりも路面状態が悪くなるのでスリップなど事故のリスクも高まります。

私の場合、雨天の走行でも安心して走るために、レインジャケットを着用するようにしています。そこで今回は自転車にも使用できるレインジャケットについて、詳しく触れて行きたいと思います。

自転車に向いたレインジャケットとは

レインジャケットという言葉は、自転車以外でも共通の言葉として認識されていると思います。では、自転車に乗るときに使いやすいレインジャケットは、どんなものでしょうか?

背中のすそが長く取られている

サイクルジャージにも言えることですが、スポーツ自転車は前傾姿勢をとることが多いので、背中のすそを長く取りバランスを取っています。特にレインウェアでは、雨天時に後輪からの跳ね上がってくる水がちょうどお尻から背中にかかってくるため、より背中のすそを長くしたり、お尻まで包み込める長さを取っているメーカーもあります。

防水性が高い

走行中はレインジャケットを着ながら傘をさすことはできないので、水が浸み込みにくく防水性が高いレインジャケットが向いています。防水性の単位は「mm」で表し、耐水圧とも言われます。スポーツ自転車の場合、大雨、強風、みぞれでも浸透しにくいと言われる10,000mm前後の耐水圧が見込めるレインジャケットがあれば良いでしょう。

蒸れを抑える透湿性

防水性が高いだけでは、雨の浸入は抑えられても今度は汗の発散が出来なくなってしまいます。そこで大事なのが防水性と透湿性の両立です。透湿性とは生地1平方メートルあたり24時間で何gの水分を透過できるかということです(単位:g/平方メートル-24h)。

透湿性が高いレインジャケットは、雨の侵入を防ぎながら体から出る汗や水蒸気を外に逃がす機能を持っています。この数値が高いほど、発汗時に出た水蒸気をレインジャケットの内部から外へ逃がし、汗によるベタつきや蒸れを感じにくくすることができます。

携帯しやすい大きさ

レインジャケットは雨が降ってから着用するものなので、自転車通勤の際はカバンやリュックに入れて持ち運ぶことになります。その時に重要なのが携帯性です。畳んで小さくまとまるものや、できるだけ軽量なものを選ぶと良いでしょう。レースやイベントの際も、サイクルジャージの後ろポケットに入るコンパクトさがあると便利です。

ウィンドブレーカーとの違い

レインジャケット

一見、レインジャケットとウィンドブレーカーは同じ用途で使用できそうな気もしますが、大きく違う点があります。ウィンドブレーカーは、雨天で着用するものではなく、基本的に晴れや曇りの天候で着用するものです。

また、雨風を防ぐレインジャケットと違い、ウィンドブレーカーは外気温や風から体感温度を保つためのウェアです。暑くなれば脱ぎ、寒くなれば体温調整のために着るといった使い方をします。水をはじくくらいの撥水性は持っていますが、防水性はそれほど高くないので、雨天での使用は不向きなのです。

上下で着用すると効果的

自転車に乗る際はレインジャケットだけではなくレインパンツも併用することで、雨と冷えから体が守られます。上下セットにすることで荷物が増えてしまいますが、明らかに雨が降っている状況で走り出す場合は、上下での着用をおすすめします。

レインジャケットのメンテナンス方法

一着を長く使い続けるには、使用後にしっかりメンテナンスすることが重要です。メンテナンスは主に使用後の「洗濯」です。洗濯をせずにただ乾かすだけでは、透湿性の機能が低下してしまい、発汗して出た水蒸気が外に出にくくなることから蒸れや結露が発生しやすくなります。洗濯の手順は以下の通りです。

  1. 洗濯表示タグを確認する。レインジャケットの種類によっては手洗い指定のものがあるので、間違えないように。
  2. 洗濯機に入れる際はファスナーやベルクロは全て閉じ、洗濯中に生地への負担がかからないようにする。
  3. 素材の表示を確認し、適した洗剤を使用する。ゴアテックスなどはできれば専用洗剤を使うとなおよい。
  4. すすぎは十分に行い、脱水機は使用しない。防水素材のウェアは脱水機を使用すると、生地が水を通さないため大きな遠心力が洗濯機にかかり、故障する可能性がある。
  5. 風通りの良いところで陰干しする。

以上のように使用後はしっかりと洗濯することで、長く愛用できるレインジャケットとなるはずです。また、メンテナンスをしっかり行っていてもレインジャケットは徐々に機能が落ちていきます。その際は防水スプレーを使用してみてはいかがでしょうか。

おすすめレインジャケット

ここからはおすすめのレインジャケット、レインパンツをご紹介していきます。

mont-bell(モンベル) サイクル レインジャケット

日本を代表する総合アウトドアメーカーのモンベルがリリースしているレインウェア。驚異のストレッチ性を実現した独自の防水透湿性素材、スーパーストレッチハイドロブリーズ®が全面に採用されています。レインウエア特有のカサカサという音がしないので、サイクリングにピッタリ。悪天候時の素行を快適にサポートします。

ゴア ウェア ファントム ゴアテックス インフィニアム ジャケット

ゴア ウェアはゴアテックスでおなじみ、W. L. ゴア & アソシエイツ社のウェアブランドです。このジャケットにはGORE-TEX® Infinium構造が採用されており、雨の侵入を防ぎます。保温性や透湿性にも優れているので、体温を保ち快適です。

ゴアテックス素材はきわめて薄く、軽く、強いフィルム状で、無数の微細な穴があいています。この穴の大きさは水滴よりもはるかに小さいため、雨をはじめ水分や寒気は外から内側に入ることはできません。しかし微細な穴は水蒸気が通り抜けるには十分な大きさのため、汗の水蒸気が効果的に外に放出されるので、ムシムシせず快適です。

PEARL IZUMI(パールイズミ) レーシングレインジャケット

自転車乗りにおなじみ、パールイズミのレインジャケット。半透明素材でサイクルジャージのデザインも透けて見えるように設計。自転車レースはもちろん、一般のツーリングでも活躍できます。バックパックにたたんで入れておけば、ロングライド時の急な天候の変化にも対応が可能です。背中のすそが長く、お尻まで包み込むことができるので、サドルに跳ね返ってくる雨水も効果的に防ぐことができます。(参考価格:税込10,201円)

KAPELMUUR クリアレインジャケット ホワイト

こちらも半透明のレインジャケット。素材には、KAPELMUURがウエアを提供しているBRIDGESTONE ANCHOR CYCLING TEAMの選手用レインウエアと同じものが使われています。コンパクト・軽量で持ち運びやすく、突然の雨でも役に立ちます。ストレッチ生地なので着心地もGood。(参考価格:税込7,700円)

MIZUNO ベルグテックEX ストームセイバーV

ミズノの高性能レインウェア。独自の防水透湿素材「ベルグテックEX」が採用されています。耐水圧は30,000mm以上で、サイクリング中に打ち付ける雨も通しません。また、透湿性は約16,000g/平方メートル-24hと高く、汗をかいてもあまり蒸れることなく快適です。カラーやサイズ展開のバリエーションが豊富なのもポイント。

最後に

今回は自転車に適したレインジャケットの解説と、元自転車店店長石橋のおすすめレインジャケットをご紹介しました。気になるアイテムは見つかりましたか?

雨の日には乗らない、という方も一着持っておくと突然の雨に対応できます。是非、この記事を参考にレインウェアのご準備を!

モンベルのサイクルレインウェア3種類をけんたさんが紹介する動画はコチラ!

Y’s Road オンライン アウトレットコーナー

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WRITTEN BYVIKING the MAINTENANCE

都内のプロショップに10年間在籍後、2015年VIKING the MAINTENANCE を設立。東京・西新宿を拠点にスポーク自転車の組付け、カスタマイズ、メンテナンスを軸に展開中。年2回富士山麓でサイクルイベントも企画中。 http://www.viking-the-maintenance.com/

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