アウトドア用調理器具を背負って、ヤビツ峠で温かいコーヒーを飲んできた
サイクリング仲間を探せるサービス「みんなでサイクリング」を運営しているNINOです。一緒にサイクリングに行ける仲間を募集してサイクリングに出かけています。
はじめに
自転車に趣味として乗るようになってしばらくした頃。週末どこかに乗りに行くのも楽しいですが、ちょっと変わったライドをしてみたいな、と思うことはありませんか。自転車を飛行機に乗せて南の島を走ってみたり、ファットバイクで雪の上を走ってみたり。私はよくそんなことに憧れを抱いていました。
そんな私の憧れのひとつに、簡単なアウトドア用の調理器具を持参して、峠の上で温かいコーヒーを飲む、というものがありました。峠で飲む一杯のコーヒー。なかなか良さそうじゃないですか。
ただ、調理器具を買うのもお金がかかるし、そもそもどんなものを買ったらいいのかも分かりません。やってみたいな、という思いはありつつも、実行に移せてはいませんでした。
そんな折、知り合いを通じてmont-bell(モンベル)のアウトドア用調理器具を貸していただけるという話が舞い込んできました。これは!私の念願をひとつ叶えるチャンスです!調理器具をお借りして、さっそくその日の週末に峠に行くことにしました。また、せっかくの機会ですので、コーヒーだけでなく、簡単なご飯も作ってみることにしました。
※記事の内容を元に後日再作成したルート。一部ルートが異なる場合があります
当日のルートはこんな感じです。今回は“良い峠”に行かないとと思い、行き先はクライマーの聖地、ヤビツ峠にしました。ヤビツ峠は国定公園の真っただ中にあるため、頂上には温かいご飯を食べられるお店もなく、ヒルクライマー達は自販機のコーンスープやコカコーラを目標に頑張るのだとか(そして争奪戦となったコーンスープは売り切れのことが多い……)。や、このライドにはうってつけです。サイクリング仲間にも声を掛けて、いざ出発です!
矢野口駅のローソンで待ち合わせ
当日の待ち合わせは、朝8時半に南武線矢野口駅近くにあるローソンです。ここは多摩方面や相模原方面へアクセスしやすく、週末になると多くのサイクリストでにぎわっています。
サイクリング仲間とも無事合流し、コンビニで食料を買い込みます。普段はさっさと朝ご飯や補給食を買うだけなのですが、この日はなんだか心が踊ってしまいます。食料を買ったらお互いに今日のルートを確認して、ヤビツ峠を目指して出発です。
いざヤビツ峠へ
矢野口のローソンを出発した後は、相模原方面へ向かって進んでいきます。道中には「南多摩尾根幹線道路」というアップダウンが連続して繰り返される一般道があります。サイクリストの間では「尾根幹」の名称で親しまれており、トレーニングコースとしてもよく使われています。
私は最近相模原方面へ行くことがなかったので、久しぶりの尾根幹です。ヤビツ峠の勾配とは比較になりませんが、これから峠を登るにあたり、丁度よい肩慣らしです。
肩慣らし・・・のはずが、久しぶりに通ったら結構キツい(苦笑)。実は背中に食料燃料含め、2kgの荷物を背負っています。だからきっとそのせいだ! 普通にヒーヒー言いながら登りました。こんな坂道で疲れてて、これから峠に登るのに大丈夫かな……。
一抹の不安を残しつつも尾根幹を過ぎ、神奈川県相模原へ。この辺りまで来ると、幹線道路から外れれば、信号も少なく車もあまり通らない脇道があります。サイクリングロードと比べても走りやすく、こういう道を見つけるとなんだか嬉しくなってしまいますね。ヤッホー!
相模原、厚木を過ぎると、そろそろヤビツ峠の入り口が近づいてきます。ヒルクライマーの聖地を目の前にして、気持ちが高ぶるような、でもこれから大変な思いをして峠を登るのかと、ちょっと憂鬱な気がするような。そんな複雑な気持ちを抱えつつ、ヤビツ峠の入り口の「名古木(ながぬき)」の交差点に到着です。
ヤビツ峠は多くのヒルクライマーが登る峠のため、登頂までの時間を測るタイムアタックもしばしば行われます。この日もヤビツ峠近くのコンビニには、サイクリストがヒルクライムのために準備を整えている様子が見受けられました。
が、この日の私に限って言うと、目的はあくまで峠で温かいコーヒーを飲むこと。タイムを測定し、速さを競う必要はどこにもないのです。この大義名分(という名の言い訳)がある限り、どれほど登りが遅かろうとも問題はないのです。
コンビニで簡単に休憩した後、ゆるゆるとヤビツ峠を登り始めます。
登頂開始
健康飲料ミノゲールの看板あたりをハァハァ言いながら走っていると、後ろから平然と坂道を登っていくサイクリストの方が。
同じ道を走っているはずなのに、この速さの違いは何なのでしょうかね(苦笑)。
ようやくの思いで蓑毛の住宅街を抜けると、いよいよ山道区間に入ってきます。住宅街よりも多少斜度は緩くなるものの、もう足は売り切れ寸前です。
私の横を颯爽と登っていくサイクリストの姿を見ると、さすがにもう少し練習しないとなー、という気持ちになってきます。ただし、この日の目的はあくまで峠のコーヒーです。今日の自分には登りが遅くても良い大義名分があるんだ、と都合の良いことを心のなかで反芻しつつ、ハァハァ言いながら峠を登っていきます。
ヤビツ峠に到着
足もとうに売り切れ、散々な思いでヤビツ峠山頂に到着です。やっぱりトレーニングは大事ですね……。ただ忘れてはいけないのは、この日の私には登りが遅くても良い大義名分が(略)。
いずれにしてもようやく峠に着いたので、お待ちかねのご飯の準備に取り掛かります。ヤビツ峠には少し橋本側に下ると、「護摩屋敷の水」という湧水があり、ここで調理用の水を汲めます。おいしい水をボトルに詰め、ご飯の支度を始めます。
調理開始
今回貸してもらったのは、mont-bellのJETBOIL(ジェットボイル)というアウトドア用調理器具です。使うのは今回が初めてだったのですが、簡単に組み立てた後、つまみを捻り点火ボタンを押せば簡単に火がつきました。点火後は数分でお湯も沸きます。こういったアウトドア用品があると、普段のライドもより楽しくなりそうな気がしますね。
汲んできた水を容器に入れ、コンビニで買ったチキンラーメンと卵を入れてグツグツ煮込みます。なお、このときは火を消した状態で土の上に置いてますが、火の取り扱いには十分お気を付けください。
3分待ってラーメンができあがったところで、さっそくいただきまーす!
「チキンラーメンおいしい!」
山の中で食べるラーメンは、家で食べるよりも圧倒的においしく感じました。お腹も空いていたので、あっという間に完食です。ちなみに、今回ラーメンの他にソーセージとカレーも持ってきていたので、そちらも準備して、ひと口パクリ。
「カレー、うまーーーーーー(゚д゚)!!!」
峠に登って疲れていたからでしょうか。ひとくち口に入れたときのおいしさは、堪らないものがありました。自転車に限らず登山などでも山の上でご飯を作ることがあると思いますが、カレーはぜひ試していただきたいと思いました。こんなにおいしいのか、と思うほどおいしかったです。
そろそろお腹もいっぱいになったところで、ライドの最終目的であるコーヒー作りに取り掛かります。三回目なるとJETBOILの操作もお手のもの。手早くお湯を沸かし、コーヒーをドリップしていきます。
あー、コーヒーがおいしいです。これがやりたくて峠に登ってきた甲斐がありました。寒い季節に温かいコーヒーは最高です。普段ライドに出かけるときは、どこかのお店でご飯を食べることがほとんどなのですが、自然の中でご飯を食べるのはとても贅沢なことのように感じます。
このまま時間を過ごしていたいところですが、あまりゆっくりしていると日が暮れてきてしまいます。気温も下がってしまいますので、続きは次回に取っておくとして、この日はこれで下山することにします。
下山の途中、宮ヶ瀬湖に立ち寄って。
出発地点の矢野口のローソンに着いたときには、辺りは真っ暗になっていました。まだまだ日が落ちるのは早いですね。コンビニでちょっとご飯を食べつつ、また行きましょうと挨拶をしてこの日はお開きに。お疲れ様でした!
おわりに
今回はアウトドア用調理器具を持参して、峠で温かいご飯を食べてきました。普段は峠に行っても登って下りてくるだけなのですが、こういったアウトドア用品があると、いつものライドがちょっと楽しくなる気がします。
今回お借りしたmont-bellのJETBOILは操作もとても簡単だったので、もしよければ次のライドに持参して、峠で温かいコーヒーなど嗜んでみてはいかがでしょうか。