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ツール・ド・フランスの覇者フルームが練習中に事故、故意に車に当てられ自転車全損に

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衝撃的、愛車ドグマはひしゃげた

昨年のツール・ド・フランスの覇者クリス・フルーム(チーム・スカイ)が南仏での練習中、故意にドライバーに当てられた、と無残に潰れた自身のロードバイクの写真をSNSにアップ。ツール・ド・フランスを三回制した王者が、サイクリスト・フレンドリーなはずの南仏で事故に巻き込まれたことが、大きな波紋を呼んでいる。

Coffee stop ?☕️ #cycling #trainingcamp #tenerife

Chris Froomeさん(@chrisfroome)がシェアした投稿 –


先月のスペイン・カナリア諸島テネリフェでのキャンプ中、くつろぐフルーム

今さっき、短気なドライバーに歩道上まで追われて故意に当てられた。僕は無事だが、自転車は全損。運転手はそのまま当て逃げしようとした!

事故現場は南仏のボーソレイユ。モナコなど高級リゾート地の辺りであり、クリス・フルームの自宅もこの近辺にあるとされている。

事故現場、サイクリストにとっての道路環境は

この件をいち早くTwitterでシェアしたのはロンドン在住のジャーナリスト、青木陽子さん。

BBCを始めイギリスのメディアでも大きく取り上げられている今回の事故。何度か南仏を走ったことがあるという青木さんにTwitterを通じて現地の状況をうかがった。

ツールに照準を合わせているフルームは、ドーフィネに出るだろうと言われています。しかしフランスでもこんなサイクリスト憎しの暴力が起きるなんてけっこうショック。フランスとスペインはイギリスやイタリアなどに比べてドライバーがサイクリストに理解があるはずなのに…。私はロンドン在住でRaphaのUKアンバサダーをやらせてもらっています。イギリスはまさに『クルマ脳』国家で、路上がレーシングな社会なので、こういうクルマからの自転車への嫌がらせも多くて。このフルームのツイートを見たときにも、え、イギリスじゃないの?という感じでした」(青木さん)

車のドライバーは「故意」だったというその意味

サイクリストと車のドライバーの険悪な関係は、日本のみならず自転車文化が成熟しているヨーロッパでも頻繁に問題となっているようだ。

「わたしは最近あまりイタリアは走ってないんですが、先日マヨルカ島で一緒になったラファのイタリアアンバサダーは、イタリアのドライバーはすれすれを抜いていくし、かなり環境は厳しいと嘆いていました。スカルポーニの件もあったし…オランダとデンマーク以外、自転車環境は世界中発展途上だと思います。ジロ・デ・イタリアの開催国でもあるイタリアの状況が悪いのは正直謎で、その友人に食い下がって聞いたのです。『イタリアはロードレースは認知されているけれど、自転車に乗る人は真剣なレーサーが中心で、ポタリング文化やツーリング文化、通勤文化がまだ希薄。ゆえにサイクリスト人口が少ない→自転車の人権弱い』ということみたい。イタリアでは、ヨーロッパでは一般的になりつつある“自転車でグループライドをする際は二列縦隊をすべし”というのも、法律上は問題なくても実際のところはクルマの理解がないからできない、とも」

「ちなみに二列縦隊のほうがグループの長さが短くなるので、イギリスでも推奨されています。理解のないクルマもいますが。日本のクルマドライバーはイギリスほどスピード狂でないのはいいです! でも自転車を道路の一員として見ないヒエラルキー意識がある。道交法も自転車を安全に運用するには穴だらけだし、これまた過酷、発展途上だと思います」(青木さん)

フルームの今後は?

フルームはツール・ド・フランスの前哨戦である6月のクリテリウム・デュ・ドーフィネに向けての朝練中に事故に遭ったと見られている。事故後、本人のツイートで元気な様子が確認されている。

今日は本当に恐怖の体験だった。フランス警察は素晴らしく、僕は事故の経緯を彼らに報告済みです。自分がケガをしなかったことに本当に感謝。

皆さん、メッセージとサポートをありがとうございます。新しい自転車は今晩届くので、明日にはトレーニングに復帰します。

フルームの事故を報告するツイッターは2万回以上リツイートされ、3000近くのコメントが寄せられている。

B!

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