さいたまクリテリウム2017メインレース、ゴール勝負は2人の選手
第五回ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム。メインレースはさいたま新都心の目抜き通りに設置された1周約3kmのコースを19周周回する。各チームは3人のメンバーで構成され、山岳ポイント/スプリントポイントなど、ツール・ド・フランスのエッセンスが散りばめられたレースは、シーズン終わりの興行的なレースとは言え、かなり見ごたえがある。というのも、やはり世界最高峰のレースで戦う選手たちは負けず嫌い。「あいつだけには負けない」「どこかで一発かましてやろう」という気は満々なのだ。
それは日本のロードレース界の貴公子、別府史之選手(日本/トレック・セガフレード)も同じだったよう。
「ツール・ド・フランス・ジャパンチームは僕と新城君の二人。今晩作戦を話し合います。でもこの前新城君にアシストしてもらったので、今度は僕はアシストする番」と前日の記者会見で語っていたのにもかかわらず、最終回、新城選手にアシストされ先頭に走り出て、ゴール前スプリントを“世界トップクラスのスプリンター”マーク・カヴェンディッシュ選手(チーム・ディメンションデータ)と競ったのだ。
最後のゴール勝負はやっぱりガチ
そのゴール前の勝負を振り返ってみよう。カヴェンディッシュ選手は白地に黒とグリーンのジャージ、別府選手は赤と黒のジャージ。
1位カヴェンディッシュ、2位別府史之! #さいたまクリテ pic.twitter.com/NXJjqChg6t
— FRAME-フレイム (@frame_bike) November 4, 2017
別府選手は久しぶりのホームでの勝利を賭けて。カヴェンディッシュ選手はツール・ドフランスでの落車のケガからようやく復帰、久しぶりの勝利を賭けて。
動画ではわかりにくい上、肉眼でリアルで見ていても、どっちが勝ったかは分からなかった。
連写写真で見てみると、“ガチの勝負”がよく分かる。
「本当に勝ちたかった」と別府選手、「日本サイコー」とカヴェンディッシュ選手
レース後のコメントで別府史之選手は「久しぶりの日本でのレース、ほんっとうに心の底から勝ちたかったんです。ホームで走るのはやはり特別なので」と悔しさがにじむ声で話した。
一方カヴェンディッシュ選手はこれ以上はない笑顔で
「勝ててサイコーだよ。さいたまクリテは初めてだけれど、どこを見てもたくさんのファンが名前を呼んで声援を送ってくれる。クリテ会場だけじゃなく、日本に着いた瞬間から、どこでもそんな感じで歓迎されているんだよ!それもみんなサイクルロードレースを愛するファンなんだ。素晴らしいよ」と絶賛。スタート前にもファンサービスをするなど朝からご機嫌な笑顔を見せていたカヴェンデュッシュ選手、さいたまクリテリウムを心ゆくまで楽しんだようだ。
Photos by Kenichi Inomata and Seiya Matsumura