こんにちは、キコです。ロードバイクに乗り始めてから、自転車漫画を読むようになりました。見ていると、キャラクター達がどんな自転車に乗っているのか?どんな場所でどんな乗り方をしているのか?が気になります。
そして『ろんぐらいだぁす』や『はやめブラストギア』など自転車漫画の舞台となっている北京料理「双龍」というお店があるという情報をキャッチしました。
そのお店には、作品の中にも登場する自転車乗りのための「裏メニュー」が存在するのだとか…。今回は「双龍」訪問グルメライドです。
目次
満腹裏メニューを目指して走れ!
一体どんなセットなのかな…どれくらいお腹をすかせて行けばいいのかな?と調べてみると出てきました。「ろんぐらいだぁすセット」「はやめブラストギアセット」「亜美ちゃんセット」!
ラーメン、唐揚げ、ご飯…。どこからどう見ても大量&ハイカロリー。これは食べ応えがありそうです。果たして私に食べきれるのでしょうか。
大食い系って1人だとお腹がいっぱいになってきた時に「食べること自体がスポーツ」になりそうなので、編集部のCheeさんも誘いました。
胃腸の動きをブーストさせるために、ビフィズス菌のタブレットを飲んで出発。
場所は、神奈川県座間市の相武台前駅近くです。スタート地点の湘南から双龍まで20kmと距離は近いですが、向かい風な上に私が遅刻したので(ごめんなさい)ハイペースで向かいます。
すでにお腹はペコペコ。いいコンディションで挑めそうです。待ってろよ~「双龍」~!
サイクルフレンドリーな双龍に到着!
1時間ほどで真っ赤な外観とかわいいキャラクターが目印の「双龍」に到着しました。
サイクルラックに、防犯カメラ。自転車乗りの心理を知り尽くしているおもてなしに入店前からテンションが上がります。これなら盗難の心配なくご飯を楽しめそうです。
ポスターとフィギュアでひしめく店内へ
こんにちは~、と店内に入ると、いたるところに新旧問わずアニメや漫画のポスター、フィギュアがみっちり!お店のカラーと絶妙にマッチしていて、小さい頃に訪れたおもちゃ屋さんのような雰囲気でわくわくします。
キコ 「あっ!『はやめブラストギア』1卷のあのコマもある!」
Chee「あの人たち、極悪な顔してるのに、ちゃんとOGKのヘルメットかぶってて偉いね!『はやめブラストギア」ってどんな話なの?」
キコ「デストライド、っていうヒルクライムの野良レースがあって、女子高生が巻き込まれてしまうんですよ。負けたらスプロケとかパーツ取られて、ルーザーズバッグっていう輪行袋に入れて帰らなきゃいけなくなるの」
キコ 「で、あの壁にあるのがルーザーズバッグ!」
Chee 「ひぇ〜、スプロケって結構高いし、取られると走れないものね。それは辛いね…」
心やさしき自転車好きのCheeさん、敗者に同情しています。
と、ここで大将が登場しました。
「よろしくお願いしまーす」と名刺交換をすると…こ、これは…。
キコ「『はやめブラストギア』3巻のあの生原稿にあるシーンで登場したカットじゃないですか!」
Chee「大将…似すぎ!」
大将「ふふふ。竹山先生が来られて、大将出していい?って言うから描いてもらったんだよ。最近は作品問わずアニメファンのお客さんが来てくれるね。さて、と…」
キコ「!?」
突然、棚にある大きな「ガルパン(ガールズ&パンツァー)」の戦車をテーブルに下ろしていく大将。写真が撮りやすいように配置してくれたのですね。では遠慮なく…(パシャパシャ)。
大将「最近はこのアニメが一番好きでね!」
キコ「自転車アニメ・漫画の聖地で盛り上がっていますが、どういう経緯でこのお店はそうなったんですか?」
大将「仲間の知り合いが『ろんぐらいだぁす』の編集者になったのよ。それで、このお店出してもいい?って聞かれたから、いいよって言ったの。そしたら想像以上に再現性高いものが登場したからびっくりしたけどね!双龍ちゃんっていう看板キャラも作ってもらったよ」
キコ「大将も自転車乗るんですよね!愛車見せてください」
大将「いいよ、ちょっと待ってね」
大将の愛車は究極のエアロロード「TREK MADONE」
大将「いやー、周りが買え買えって言うから買ったんだけど、最近乗ってないんだよね。というか全然(笑)」
と、自転車とともに登場した大将を見て、我々は腰を抜かしました。TREK MADONE(トレック マドン)じゃないですか!
メニュー実食の前にとんでもない前菜をいただいた気分です。本物のMADONEを見たのは初めてでしたが、速そうだしスタイリッシュでかっこいいです。うわー、一度乗ってみたい。
満腹裏メニュー「はやめブラストギアセット」「亜美ちゃんセット」実食!
お店の通常メニューは200種類以上。裏メニューは普通のメニュー表には記載されていないので、注文の際は一言お店の方に声をかけると裏メニュー表を出してくれます。(コース、一部メニューは要予約)。
自転車乗りのパーフェクトメニュー「はやめブラストギアセット」
さて、いよいよ目的の実食に入ります。漬物、サラダ、おかず3種、ラーメン、ご飯!次々に豪華なお皿がところ狭しと置かれていきます。
女将さん「さ、がんばってね!」
召し上がれでもどうぞでもなく「がんばれ」。普通のお店ではなかなか聞くことができないセリフです。究極に腹ペコの私たちは、目の前のボリューミーなメニューにもひるまず食べ始めます。
キコ「!!!!唐揚げ、サクサクで超ジューシー。うまっ。うますぎるよ!!エビチリ…甘くてプリプリで…なにこれ電流が走るうまさ!」
Chee「え、食べたい。ちょっともらうね」
Chee「…ムフフっ(幸せいっぱいの笑顔)」
食べ始めて気がついたのですが、ラーメンの薄い醤油味は汗をかいた後の体に沁みるし、甘辛い味付けはご飯に合います。甘い味に飽きる前に漬物で舌の気分を変えれば、さらにご飯が進むし、サラダの新鮮な味も箸休めに。
タンパク質も、糖質もたっぷり摂取できる上に食べやすい!まさに自転車乗りの気持ちを知り尽くしたバランスです。
ほどよい満腹感の「亜美ちゃんセット」
大食いに自信がないCheeさんは、ラーメンと餃子の「亜美ちゃんセット」をオーダー。
Chee「亜美ちゃんってどの子なの?『ろんぐらいだぁす』に出てくるよね」
キコ 「亜美ちゃんはこの子。亜美ちゃんは、最初に折りたたみ自転車を買うんだけど、境川サイクリングロードでハンガーノックになるの。そして、そこでロード経験者と出会い、折りたたみでヤビツに登らされてしまうのです…」
Chee 「どこかで聞いたような話ね」
キコ「そして、その後ロードに興味を持ち、すぐにロードを買ってしまうのです。私は激しく共感しました…。私もミニベロを買い、経験者に連れていかれるままに荒川サイクリングロード70km走らされ、その2週間後にロードを買いましたから。でも、私がヒルクライムできるようになるよりも先に亜美ちゃんはロードでヤビツに登ってしまった。それを見たとき悔しくて一晩泣いた!」
Chee 「知らんがな(笑)」
「亜美ちゃんセット」は無事完食。「はやめブラストギアセット」は、唐揚げ3個を残してギブアップでした。もう20kmほど走っていれば全部食べられたかもしれません。こうなることも予想して、サドルバッグにタッパーを入れてきていてよかった…。
本場香港の来客も絶賛する、とろける杏仁豆腐!
「双龍」のもうひとつの名物「杏仁豆腐」をサービスでつけてくれました。すでにお腹いっぱいだったはずなのに「もう食べられない」とならないのがデザートの良いところ。甘いものは別腹ですから!
女将「香港の人も、自分の国で食べるのより美味しい!って言ってくれたのよ。」
すくって一口食べると、口当たりは濃厚な高級プリンのよう。口のなかでとろっとろにとろけてふわ〜っとフルーティーな香りが広がっていきます。
Chee「お、お、美味しすぎます!美味しすぎて今鳥肌が立ちました。バケツで食べたい!」
杏仁豆腐というと、寒天っぽいツルツルで砕けるような食感、あっさりした水っぽい味を想像しがちですが、双龍の杏仁豆腐はとにかくまろやかで濃厚。食べた後に杏仁霜という粉が舌に残るのですが、これがさらに後味に深みを増してくれます。
杏仁豆腐の概念がくつがえるほどのうまさ。まさに絶品という他なし!
最後のデザートは初体験の「3本ローラー」
お腹いっぱい食べたことだし、食後にやることといったらやっぱり3本ローラーですよね。というわけで、お店の裏のガレージにある3本ローラーに挑戦することにしました。
大将「3本初めてなの?若い男の子なんかはすぐ乗れたりするけどね」
Chee「若くも男の子でもないけど大丈夫ですかね?」
大将「笑」
大将から乗り方を教わります。まずはCheeさんからチャレンジ。
本日取材でお伺いした双龍(@souryuuchan )さんで満腹ランチを食べ、食後のデザートに杏仁豆腐と3本ローラーまでいただきました!
cheeさん、3本ローラー初めてなのにいきなり乗れちゃった…!?
「すんごいね、気持ちがfw$%ixhr£k??♀️??(ポールによりたがってる、と言っているらしい)」 pic.twitter.com/K0l1bSHw9y
— FRAME-フレイム (@frame_bike) 2017年11月27日
なんとCheeさん、あっさり乗れてしまいました。小野田坂道か。大将も「素晴らしい」と絶賛です。
続いて私も…「よっこらしょっと」。よろめきながら恐る恐るペダルを回してみるものの、ペダリングの回転が不安定なのが自分でもわかります。
キコ 「(フラフラ…)」
大将「もっともっとペダル回して!スピードにのって」
キコ 「(よろよろ…)」
Chee 「腹筋に力入れて!肩の力抜いて!」
キコ「……(ツルっ)」
キコ「…ダメだ」
結局0.1秒くらいしか手を離せず、滑り落ちる未来しか見えませんでした。冷や汗で背中はグッショリ。あと1時間くらい練習すればきっと乗れるはず…また来て満腹食べて練習することにします。
なお、ガレージにも防犯カメラがついているので、3本ローラーで派手に転ぶとお店の人が心配して駆けつけてきてくれることもあるそうです。
何度でも通いたい「双龍」、まさにサイクリストの聖地
食事も美味しく、自転車のセキュリティは抜群、3本ローラーで食べ過ぎたカロリー消費も可能と、まさにサイクリストの聖地というのにふさわしい場所でした。
スタンプ5つで杏仁豆腐のサービスがつくので、これからも通います。次は「ろんぐらいだぁすセット」にチャレンジしてみようかな。
ヤビツ峠ヒルクライムの後に立ち寄ったり、遠方から自走で来たりするローディーも多いのだそう。走り終えた後に満腹の補給をしたい、あの漫画のワンシーンに自分も混じってみたいという方は、ぜひ一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。